人間から見ると「山」。動植物にとっては「家」。
人間から見ると「海」。魚たちにとっては「家」。
ヒントをくれたのはこの一冊です。
引用します。
目の前にある山は、本当に「山」なのか?
禅には、「山は山にして、山に非ず」という言葉があります。
私たちは「これは山だ」と考えますが、そこには草木や動物、土や岩があります。
さらにいえば、それらは元素が寄り集まって成立したものです。
また、海や川は人間にとっては「水」ですが、生き物にとっては「家」でしょう。
自分の解釈で、勝手に「これは〇〇だ」と決めつけることの危うさや愚かさに気づきましょう。
仏教的な深い考察はさておき、私は「相手の視点(気持ち)になって考えることの大切さ」という当たり前のことに気づかされました。
忙しいとき、苦しいときには視野が狭くなり、どうしても自分の視点で物事を判断し、場合によっては他人を責めてしまうことがあります。
「他者には他者の視点がある」
忘れずに生活したいものです。
また、北海道で暮らしていると、時々、こんなことを考えることがあります。
「150年くらい前は、この辺りを熊さんがのんびり歩いていたんだろうな。
毎日山坂を歩くより、平地をゆっくり歩きたいだろうな」
人間が開発を進めて、ヒグマが生活できる場所は山奥に限定されてしまいました。
人間にとっては暮らしやすくなりましたが、ヒグマたちにとっては毎日が登山道を歩くようなものでしょう。
時には広い平らな土地を歩きたくなる気持ちにもなるのではないでしょうか。
だからせめて、人間もズカズカと動物の家に乗り込まないほうがいい。
どうしても入るなら遠慮しながら入らないとダメだと思うのです。
まして、ゴミを残すなんてもってのほか。
「あなたたちのお家に入らせていただきます」の精神が大切なのでは、と思います。
さて、海洋汚染が問題になっています。
最近特に言われるのはマイクロプラスチックの問題です。
マイクロプラスチックとは直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックのことです。
プラスチックごみは、風に乗り、雨に流されて河川から最後は海へと流れつきます。
それらは自然分解されずに細かなプラスチック片として残り、海中のゴミとなります。
海に住む生物がエサと間違えて食べる
⇒より大きな生き物が食べる
⇒海で獲れた魚を人間が食べる
⇒プラスチックに付随する有害物質が人間の体内に
実際人体にどのくらいの影響があるかは今後の研究に委ねられるのでしょうが、体によいはずはありません。
人間が便利さを求めるあまり、猛烈な勢いで動植物の家、つまり自然を破壊しているわけですね。
動物達にも欲望はありますが、知恵が働くぶん人間の欲望は非常に厄介といえそうです。
枡野俊明さん監修の本からいろいろなことを考えるキッカケをいただきました。
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次は私の古くからの愛読書です。
木村盛武さんは、営林署職員として北海道の山野を歩き回った人です。
豊富な経験から書き下ろした名著です。
実体験に基づいたわかりやすい内容で、ヒグマの生態がとてもよくわかります。
『ヒグマそこが知りたい―理解と予防のための10章』木村 盛武(著)
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