「子どもを持って、初めて親の苦労がわかる」といいます。
とかくわが子の成長は気になるものです。
そして、なかなか親の思い通りには育ちません。
「この子、誰の子?」と思うくらい性格が全然違っていることも。
とかく親子の縁は不思議です。
元気いっぱいやり手の父親、おとなしくて無口な息子
次のような組み合わせの親子は実際少なくありません。
- お父さん⇒元気いっぱい、明るくてやり手
- 息子さん⇒無口で控えめ、おとなしい
PTA会長だったお父さんは、
「私が息子の元気を吸い取ってしまったみたい」
と笑っていました。
お父さんは豪快な性格で、会社の重役でした。
話もおもしろく、いつも元気いっぱい。
ところが、息子は全く無口で、何をするにしても控えめ。そして自信が持てない性格でした。
その子の担任も、「K君はお父さんの性格と全然違う」と職員室で時々口にしていました。
お父さんは、
「性格が反対だったら良かったのにと思うことがあります」
と笑いながら語っていました。
笑ってはいましたが、内心は心配だったに違いありません。
母子の関係「ヒマワリとオジギソウ」
次のようなケースも少なくありません。
- お母さん⇒明朗快活、元気いっぱいなキャリアウーマン
- 娘さん⇒おとなしく物静か、自信なさげな高校生
お母さんは、
「高齢になってやっと産めたのがうれしくて、何でも口を出しすぎたからかしら…」と言っていました。
たしかに教育熱心なお母さんでした。
気性もサッパリしていて、肝っ玉母ちゃんという感じでした。
「何でも口を出しすぎたからかしら…」
娘のことを思って厳しく育てた結果、親の顔色を見る子に育ってしまったという話はよく耳にします。
それも理由の一つでしょうが、決定打ではないと思います。
なぜなら、同じように育てられても、元気な子どももたくさんいるからです。
私は、育て方だけが理由ではないと思います。
四柱命式を見ると、性格の違いが一目瞭然だったりするからです。
もちろん、親の性格をかなり引き継いでいると感じさせる命式も多くあります。
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「子は親の性格と似る」のは本当か?
「私の悪いところだけ似てしまった。申し訳ない」と言う人がいます。
しかし、「似ているのは顔としぐさだけ。性格は似ていない」という親子もたくさんいます。
また、「娘はだんだん母親に性格が似てくる」もよく聞く言葉です。
ですが、性格は全然違う母娘も実際には多くいます。
「結婚相手として〇かバッテンかを見極めるには母親を見ればよい。なぜなら、似た性格になってくるから」
も聞いたことがある言葉です。
しかし、3人姉妹の性格がバラバラという家庭も少なくありません。
だから、これも過信しては危険です。
「蛙の子は蛙」とは限らないからです。
【四柱推命】複雑な母娘関係「尊敬と軽蔑」
母親に対して、尊敬と軽蔑の両極端の感情を抱き、悩みながら成長した女の子の四柱命式を紹介します。
日干のエネルギーが強い「傷官格」
名前を書かないならOKの許可をもらって掲載しています。
1⃣月支と時支が空亡
- 父母と縁が薄い傾向
- 子どもとの縁も薄くなりやすい
- 老後不安が生じやすい
2⃣年支と月支が子午の七冲
- 父と不和、意見の相違
- 親の援助が得られにくい
- 早く家を出る事情が発生しやすい
3⃣年上劫財、月上劫財、月支比肩
⇒格である傷官を過生扶(生じ過ぎ)
- 祖先や父母の恩愛が受けられにくい
- 幼時に苦労が多いことも
- 兄弟の助けも得られにくい
いずれにせよ、月柱に劫財・比肩が重なると、家のことで苦労しやすくなります。
親の運を破り、生家衰運の暗示があるとも言われます。
実際、父親とほとんど会話をしないそうです。
母親のことは一面では尊敬しています。
理由は、
- 職場を変えても仕事をすぐに覚えるらしい
- 夜遅くまで働きに出て、家計を支えている
- ほしいものを買わず、家族のために貯金している
- 学生時代(高校時代)は、トップクラスの成績だった
- 高校時代はバスケットボール部の中心選手だった
反面、ひどく軽蔑もしています。
理由は、
- 家で自分と妹を怒鳴り散らす
- 父親と全然会話しない(ほぼ無視状態)
- そのため父親は家ではほぼ無言(それも気にくわないらしい)
- 自分以上に小学生の妹への態度が冷たすぎる
- 機嫌が悪いと家族全員への八つ当たりがひどい
- よくモノに当たって、リビングからいきなりガツンと音が鳴る
- 家族のために働いていることを恩着せがましく口にする
- 自分の学生時代を引き合いに出して、自分と比較する
「高校卒業後は、家から出て自立したい。できれば妹も連れて家から出たい」と。
命式に、印星(親星)が入り込む余地がありません。
- 比劫星が太過
- 官星が最弱レベル
- 印星がどこにもない
親との縁は疎遠になることが予想されます。
彼女の希望といえばその通りの運命ではあるのですが…。
また、年支と月支の七冲は、中晩年には影響力がありません。
☆四柱推命について知りたい方はこちらをどうぞ
【四柱推命】日干癸、水だらけの命式
一つ大きな問題があります。
日干は癸。彼女は水の人です。
四柱命式を見ると、まさに水だらけの命式です。
つまり、強水の非常に偏った命式です。
- 軽率な行動が増え、口は軽い
- 気分は安定しにくい
- 移り気で流されやすい
あわせて、子月という最も寒い季節に生まれています。
厳しい形容になりますが、大量の水が凍りついた四柱命式と言えます。
ですから、大運で暖かい丙が巡ることを最も喜びます。
丙は、この命式では財星です。
女性にしては、日干のエネルギーが強すぎるきらいがあります。
財星が巡って強さを緩和する必要があり、財星は適任です。
つまり、丙・丁の火の運が巡る45歳からの20年間が一番よい時期だと思います。
財星運と南方火運が巡ってくるからです。
苦労が多い命式です。
また、余計な苦労を自ら生み出す気配が強いです。
彼女も中学時代の欠席が極端に多い生徒でした。
専門学校を中退し、今は元気に仕事をしています。
強すぎる自信からムダに突っ走って周囲を辟易させる傾向があります。
後になってやり過ぎに気づいてひどく傷つくことが多かったです。
- 上司や先輩の言うことをよく聞いて、仕事をしっかり覚えること
- なるべく周囲と歩調を合わせ、腹が立っても一呼吸おくこと
- 相手の立場と状況を考えながら行動すること
などをアドバイスさせていただきました。
日干のエネルギーが強すぎるため、いらない苦労を背負い込みやすいです。
分をわきまえた処世法を身に付けることが肝要な人です。
今の子はとかく「毒親」という言葉を使いたがりますが、この子は一切言いませんでした。
※2021年2月のものを加筆訂正しました。
★過去記事もどうぞごひいきに
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