「犬は、昔の飼い主をずっと忘れることができない」
「猫も、好きだった飼い主を数か月は忘れられずにいる」
と聞いたことがあります。
犬や猫だって、過去を懐かしんで寂しがったり苦しんだりするようです。
さて、人間。
過去の日々に追いすがり、抜け出すことができない。
そういう苦しみはかなりツラいものです。
- あの時ああすればよかった…
- あんな失敗をしなければ…
人生はそんな思いの連続かもしれません。
心が強い人は、過去は過去として心のボックスにしまいこむことができるのでしょうか。
複雑な知能を持つ動物ほど自然に逆らう行動をする
複雑な知能を持つ動物ほど、未来のために今をどうするべきかを頭の中で思案します。
考えすぎて自然に反することをしてしまうのは人間だけかもしれません。
そして、後悔と一緒に過去を振り返ってなかなか抜け出せない。
進行形の時はとてもツラかった。
でも振り返ると美しい日々だった…。
過去の日々に立ち戻りたくなることってありませんか?
松任谷由実さんの『あの日に帰りたい』という気分に浸ってしまう、そんな心境になる時です。
『山のあなた』と『あの日に帰りたい』
山のあなたの空遠く「幸」住むと人のいう
理想郷を探し求める詩ですが、これは過去にも当てはまると思います。
「あの日に帰りたい」
過去の美しいあの日に帰りたくて、その場所に行ってみた。
昔住んでいた家に行ってみた。
でも、往来するのは見知らぬ人ばかり…
家の中にはもう誰もいない…
過去は二度と戻らない。あの頃の日々は今どこにもない。
そのことを思い知り、寂しさを噛みしめながら今の暮らしに戻って行く。
山のあなたに理想郷がないのと同じく、過去の日々もすでに存在しない。
そのことをわかっていても、心が理解してくれない。
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「青春の後ろ姿を人は皆忘れてしまう」
本当に忘れられるなら、幸せかもしれない。
でも人は忘れられない生き物です。
過去の分岐点で、左に進んだことを「本当に左で良かったのか」と悩み続けるのが人間なのでしょう。
「あの頃の私に戻って、あなたに会いたい」
「思い出で生きるのは、もっと年を取った人がすることよ」池中玄太
亡くなった奥さん(鶴子)をずっと忘れられずにいる池中玄太に、夢の中で鶴子が言った言葉です。
本当に強い人は過去の思い出を心のタンスの中に美しい状態で整理できる人なのかもしれません。
それを衣服に例えれば、
- 洗濯(選択)の「後悔」というヨレヨレの畳み方をするか
- 「思い出」というキレイな畳み方をするか
畳み方によってその後の歩みが違ってくると思います。
でも、多くの人は「思い出」として畳むのは得意ではないようです。
時には、タンスを開けて、せっかく畳んである服を引っ張り出してしまいます。
しかし、もう一度着たくてもサイズが合いません。
そして、思い出と後悔という名の服に顔を埋めて涙を流す…
「今日という日は二度と来ない」(大相撲:大潮さん)
自分のサイズにピッタリ合った人生を送っていきたいものです。
我が家の庭です。
花たちも秋を感じ、終わりを予感しているはず。
それでも、ただその日を精一杯に美しく咲いているんでしょうね。
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