安部元総理大臣が凶弾に倒れてから3か月になろうとしています。
思えば、日本の初代内閣総理大臣 伊藤博文もハルビン駅で凶弾に倒れました。
1909年のことです。
高島暦で知られる高島嘉右衛門先生が「行ってはならない。危険だ」と引き止めた話は有名です。
- 【紫微斗数・四柱推命】初代内閣総理大臣伊藤博文
- 【紫微斗数・伊藤博文】生まれたのは酉の刻
- 【四柱推命・伊藤博文】日干【癸】身旺の「偏印格」
- 【紫微斗数・伊藤博文】強い個性の持ち主
- 【紫微斗数・四柱推命】伊藤博文〈あとがき〉
【紫微斗数・四柱推命】初代内閣総理大臣伊藤博文
周易で「凶」と出るなら、紫微斗数命盤にも四柱命式にも「凶」が出るに違いないと考え、いつか究明したいと考えていました。
事象を確認する作業を進めた結果、「1842年10月16日酉の刻生まれ」と確信しました。
【高島嘉右衛門先生】満州行きを引き止めたが
人の死を好奇心に結びつけるのは気が引けますが100年以上前のことです。
私自身の心のストッパーを外して占ってみます。
「近代日本創設の立役者 伊藤博文の四柱命式と紫微斗数命盤はどんなだろうか?」
という興味が以前からありました。
伊藤博文はハルビン駅で銃に撃たれ、約30分後に絶命しました。
その満州行きを強く引き止めたのが高島嘉右衛門先生でした。
周易を立てて出た卦が「艮為山の三爻」だったからです。
『周易外伝』には次のように記されています。
高島嘉右衛門先生、伊藤博文の満州行きを占して艮三爻、ハルビン駅で安重根の凶弾に倒れるを聞き、引き止められなかった悔しさから嘆かれる。
艮為山の三爻は、危険ありの象意です。
「目前に連なる山々に向かうと大変な苦労が待っている、しかし進んでしまう」
ゆえに、高島先生が「無理はするな。いったん止まれ」と引き止めたのは想像に難くありません。
懇意にしていたということは、伊藤博文はさまざまな場面で高島先生からアドバイスをもらっていたと考えてよいはずです。
「占いなんて信じない」の思いがあれば、懇意にはならなかったでしょう。
伊藤博文は高島先生の言葉を疑わず信じたに違いないといえば言い過ぎでしょうか。
それでも満州行きを中止しなかったのは、政治家として何らかの大きな覚悟があったように思えるのです。
けっして「漫遊」ではなかったはずです。
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【紫微斗数・伊藤博文】生まれたのは酉の刻
さて、大胆なことを書きます。
周易で「凶」と出たなら、四柱命式や紫微斗数命盤でも「凶」と出るはずだ!と私は考えました。
まずは、紫微斗数命盤から伊藤博文の生まれた時刻を推測することから始めました。
1841年10月16日生まれです。
どの資料でも同じ記述なので生年月日の信憑性は高いでしょう。
紫微斗数の場合は、生まれた時刻が不明だと手も足も出ません。
そこで12種類の命盤を出してみて、
「1909年の暗殺された年が生命の危機を予感させる命盤」を選びました。
いくつか候補があるのですが、回りくどくなるので次に進みます。
結論は酉の刻生まれです。この命盤になります。
亡くなったのは1909年。
大限は「65~74歳」。大きく赤〇を付けました。
社会運を意味する大限遷移宮〈本命宮〉(青〇)がかなり大変な状況です。
- 生年化忌(文昌)に自化Dで必定、破格
- 生年化科(文曲)に自化Cで必定、破格
少しややこしいことを書きますが、大限遷移宮「辛」からDを飛ばすと文昌に向かい、本命宮〈大限遷移宮〉(青〇)を直撃します。
他殺ですから大限奴僕宮〈本兄弟宮〉(黄色〇)「庚」からもDを飛ばしてみます。
天同星に向かい、これまた本奴僕宮〈大限兄弟宮〉(ピンク〇)を直撃します。
十分危険な10年間といえます。
歳運も見てみます。
1909年は酉年です。オレンジ〇のところが歳運命宮〈本財帛宮〉に該当します。
歳運遷移宮(水色〇)も大限と同じ「辛」です。
Dを飛ばすと、やはり本命宮〈大限遷移宮〉(青〇)を直撃します。
歳運奴僕宮〈本父母宮〉(緑〇)も大限と同じ「庚」です。
やはり、Dは天同星に向かい、本奴僕宮〈大限兄弟宮〉(ピンク〇)を直撃します。
ということで、大限10年運と歳運1年運ともに危険の意味が重なりました。
十分ではなく“相当”危険な1年だったとわかりました。
これだけでも「酉の刻生まれ」をほぼ確信したのですが、念のため仕事運・夫婦運・健康運などが年表と合致するかを調べました。
結果は納得がいくものばかりでした。
【四柱推命・伊藤博文】日干【癸】身旺の「偏印格」
女性関係の派手さから「正偏財交集」を予想しましたが違いました。
それより、偏印の多さに驚きました。
日干【癸】身旺の「偏印格」です。
ここでは詳しいことはさておき、危険を意味するのは時支の「酉」です。
63歳からの大運は【辛 卯】。
強すぎる偏印にさらに偏印運が重なります。
偏印が重なると予想しない不測の事態が発生しやすいとされます。
大運地支【卯】と時支【酉】=七冲
1909年の歳運は【癸 酉】。偏官運です。
- 歳運地支【酉】と時支【酉】=七冲
- 歳運地支【酉】と大運地支【卯】=七冲
凶に凶が重なっても仕方がない年といえます。
紫微斗数命盤もかなり個性的ですが、四柱命式は決して「よい命式」とはいえませんね。
このことはまたいつか書きたいと思っています。
【紫微斗数・伊藤博文】強い個性の持ち主
紫微斗数命盤に話を戻します。一見してかなり個性が強い命盤です。
生年四化星が、2つずつ命宮と疾厄宮に集まっています。
- 命宮に、生年化科・生年化忌。
- 疾厄宮に、生年化禄・生年化権。
生年四化星すべてが自分の宮にあります。
「苦労しても、最終的には全部が自分のもの」となります。
自化が気にはなりますが。
しかも、業(カルマ)の文昌星も果(獲得)の文曲星も命宮に揃って入っています。
意味が深い命盤ですね。
命宮に主星がない「命無星曜格」ですが、軽い感じがしません。
遷移宮の「武曲星・貪狼星」は個性の強さを表わし、外に出て運を開く意味が見えます。
両脇には、太陽星と太陰星が居座っています。
命宮の生年化忌は、自分の考え・思いに頑なであり、それでいて生年化科もあるため、時に周囲の意見も聞き入れる性格だったと思われます。
遷移宮に武曲星・貪狼星があり、命宮には文昌・文曲があります。
インテリタイプではなく、「無骨な知性派」だったのでしょう。
疾厄宮にある生年化権は、内面の気性の激しさと体の頑健さを表わし、生年化禄は人を惹きつける魅力として役立ったに違いありません。
豪邸に住みたいなどの欲望は気迫だったようにも見えます。
一度離婚する象意も命盤に表われています。
考えと興味が尽きないので、椎羅先生の『紫微斗数 実践ハンドブック』を開いてみました。
以下に引用します。
府相朝垣格
目上の引き立て、 実力者の支援を受ける。家内安全に心がけること。
- 個性は強固で忍耐強く、心に大きな志を抱く。
- 仕事にも意欲を燃やし不断の努力をする。
- 多芸多才で文武両道に優れるが、 他人に拘束されることを嫌う。
- 冒険心に富み、 危険を顧みず突き進む。
- 大器晩成型であり中年以降に運が開けてくる。
- 若年中は奮闘努力が必用(ママ)であるが、 その努力が中年以降花開くのである。
- 計算高く、中には吝音 (ケチ) な人もいる。
- 飲酒に溺れる暗示があるので、酒を嗜む人は節制が肝要である。
- 人に知られず隠れた桃花事象の暗示あり。
- 曲昌同宮加会ー外見、人格とも品性に劣るようになるので、 徳を積むことが大事である。
- 昌鈴陀同宮加会-事故や怪我の暗示あり注意。特に陀羅が独守すると身体のどこかに傷跡が残るようになる。
僭越ながら私の寸評を加えます。
- 名誉欲強くそのとおり。全く異議なし。
- 異議なし。
- 漢詩や書に嗜み相当な腕前だったといわれる。
「文」の人と思われがちだが、若い頃の精悍な顔は文だけの人とは私には見えない。
闇討ちも暗殺も経験しており、若い頃はそれなりの武芸も身につけていたのでは。
ただし、文章表現と囲碁は今一つだったらしい。 - 若き日の行動力、特に高杉晋作と行動を共にした時期は危険極まりなかった。
刺客に後ろを狙われた時期もあったと聞く。 - 「大器若年の中の晩年型」と思われる。
- 異議なし。
来原良蔵に始まり、木戸孝允(桂小五郎)と出会わなかったら歴史上の人物になり得たかわからない。
父親が養子になるなど10代前半まではくすぶっていたと思われる。 - これはちょっとわからない。私腹を肥やさないタイプだったと言われるので。
- 酒は好きだったらしい。死の直前、ブランデーを口に含ませてもらった。
- これは有名な話。大賛成。「桃花」とは異性との枠を外れた関係も示すので。
- う~ん、私のような凡人にはわかりかねます。
- 暗殺された、投石で怪我を負ったなどその意味が出ている。
目上からの引き立てで出世の糸口をつかんだ。
目上が順番に亡くなって、自身はどんどん上に上がっていった。
とよく言われますが、そのとおりの命盤になっています。
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【紫微斗数・四柱推命】伊藤博文〈あとがき〉
いきなりですが、暗殺の黒幕は日本人、しかも近い関係の人間だったのではと命盤から感じるのです。
かわいがった後輩もそこに関与していたといえば問題でしょうか。
もし耳障りなら「ベーアの妄想だ」として一笑に付してください。
今回は、伊藤博文の出生時刻を推定し命式・命盤を作りましたが、何度眺めても「意味が深い」という実感が頭から離れません。
書きたいことはまだまだあるので、時間ができたら続編に挑戦したいと思っています。
参考文献
など
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