札幌は、言わずと知れた味噌ラーメンの聖地です。他流派のラーメンが札幌に進出するのは容易ではありません。札幌の人の多くは、味噌ラーメンにプライドを持っているからです。
ラーメン一蘭さんは、中州育ちのとんこつラーメン。言うなればアウェーに進出したわけです。
日本全国ご当地ラーメンはたくさんあれど
札幌ラーメンといえば「味噌ラーメン」美味しいです!
札幌ラーメンといえば、太いちぢれ麺が特徴です。
そして、味噌ラーメン。
昭和25年にすすきので開店した「味の三平」さんが味噌ラーメンの元祖であるそうです。
旭川ラーメンといえば「醤油ラーメン」これも美味しい
旭川は細麺です。
ダシのきいた醤油ラーメンが人気です。
北海道の2大都市で、ラーメンの趣向が違うわけです。
ですが、「みそラーメンのよし乃」さんは旭川が本店だです。
釧路ラーメンは、さらに細麺です。
漁師さんに早く提供するためには、細麺の方がゆで上がりが早いから、と聞いたことがあります。
函館は塩ラーメンでしょうか。
いずれにしても、北海道はラーメンのメッカと言えますね。
激戦区でもあります。
真冬の冷えた体に、熱いラーメン!
これは北海道ならではですね。
京都で出会った「ラーメン一蘭」が札幌に上陸!
私が「ラーメン一蘭」さんの味に初めて出会ったのは、昨年の京都でした。
長浜ラーメンとは違った味わいで、そのおいしさに感動しました。
「また食べたいけど北海道では無理だろうな」とあきらめていました。
しかし、なんと昨年末に札幌に進出してくれました。
喜び勇んでお店に行きました。
ついに到着!あのラーメンと再会できる!
入り口からお祭りみたいな演出が。
北海道のラーメン屋さんとは、やはりちょっと違った雰囲気ですね。
福岡には何度か行きましたが、福岡空港からJR博多駅まで地下鉄であっという間に着くのでその便利さに驚きます。
堂々と「中州発祥 一蘭のこだわり」と書いてあるのも自信とプライドの表れでしょうか。
大濠公園に向かう道に、昔は屋台がずらっと並び情緒がありましたが、今ではずいぶん数を減らしたと聞きます。
時代の流れはいつも寂しさを伴います。
席の前に貼ってある文にも「味へのこだわり」が記されています。
遂にラーメンの聖地札幌に進出を果たしました。
道産子の私は大歓迎です。
みんな地元のラーメンにプライドを持っている
札幌ラーメンこそが日本一!?
私は、学生時代の数年間を仙台で過ごしました。
最初の2年くらいは、「うまい!」と思うラーメン屋さんに出会えませんでした。
「ラーメンは札幌が一番」とかたくなに信じていました。
だからどの店で味わっても、「やっぱり札幌には勝てんな。」といつも思っていたのです。
仙台で過ごした予備校時代、週に一度東京から講義に来る先生がいました。
その先生は大変グルメな人で、時々気に入った学生達をご馳走してくれたのでした。
私も、その一人に加えてもらっていました。
「先生はどこのラーメンが日本一と言うだろうか?たぶん札幌ラーメンと言うだろう。」
と確信していた私は質問をぶつけてみました。
すると、
「歴史的に一番古くから本格的にラーメンが根付いたのはどこだと思う?九州だよ。九州のラーメンが一番うまいに決まっている。」
とおっしゃるのです。
「札幌ラーメンではない」という答えは、私にショックを与えました。
ちなみに、その先生は鹿児島の出身です。
考えてみれば、先生も地元のラーメンには、プライドとこだわりがあったのでしょう。
「札幌ラーメンと答えると思っていたんだろ?残念だがそれは違うよ。」
とダメ押しまでされました。
ついに札幌ラーメン以外の味にハマってしまった…
そんな私の仙台暮らしも数年が過ぎました。
気がつくと「こむらさき」という店に足繁く通うようになっていました。
店主さんは京都にあるラーメン屋さん「 天下一品」で修行した人でした。
私は、いつの間にか、その店のこってりラーメンに病みつきになっていたのでした。
ちなみに鹿児島にも「こむらさき」という名の有名なラーメン屋さんがあります。
私も一度だけ食べに行ったことがあります。
さすが鹿児島の名店らしい風格がありましたが、仙台の「こむらさき」とは、全然違う味の店でした。
仙台の店主さんは、流派は違えど鹿児島の「こむらさき」もお気に入りで、名前をちょうだいしたという噂を聞いたことがあります。真偽はわかりませんが。
いつの頃からか「北海道にこってりラーメンがあったら、札幌の人も病みつきになるだろうな」と思うようになりました。
それほど気に入ってしまったのです。
そんな折、北海道から知人友人が数人で仙台を訪れる機会がありました。
私は、自信満々に「こむらさき」に連れて行きました。
「ウマい!こんなラーメン食ったことない!」
と言わせたかったのです。
カルチャーショックを与えてやろうと目論んだわけです。
しかし結果は、「う~ん、俺には合わない。やっぱりラーメンは札幌だ。」
でした。
「あれ!?おいしくてビックリすると思っていたのに…。」
その後、私は仙台を離れて東京で就職しました。
「こむらさき」にはもう行けなくなりました。
いろいろな店に入りましたが、やはり「こむらさき」に匹敵する味の店に出会えませんでした。
私は「こむらさき」渇望症に陥りました。
同じ味を作ってくれる京都の「天下一品」は、当時はまだ東京に進出していなかったと思います。調べたらあったのかも知れませんが。
だから、仙台に寄ると必ず「こむらさき」に行きました。
そして、京都に立ち寄っても「天下一品」に行きました。
北海道に戻って20年以上が過ぎました。その間ずっと「こむらさき」渇望症は続きました。
ところが、3年くらい前、北海道にも「天下一品」が上陸してくれました。うれしかったですね。
「これでいつでもこってりラーメンが食べられる!」
昔、紹介した際にガッカリされた経験があるため、「札幌の人の舌に合うかな?お店は大丈夫かな?」と心配でしたが、私がいつ行ってもお店は混んでいます。
札幌の人も、こってりラーメンの味を受け入れたようです。
これで「天下一品」も札幌に定着してくれます。
私もジプシーのように、「こむらさき」を求め歩く必要がなくなりました。うれしいことです。
一杯のラーメンにも風格があります。
こちらは知る人ぞ知る有名なしょう油ラーメン。対照的です。
さて、どこのお店のラーメンでしょう?こちらも相当美味しいです!
岩見沢の名店「らい久」さんのしょう油ラーメンです。
迫力がすごい!
九州のラーメンは「替え玉」ですね。
徳島ラーメンもとてもおいしいのです
あと一つ、北海道での知名度は高くないですが、徳島ラーメンがとてもおいしいのです。
濃厚なしょうゆ味に豚のバラ肉が乗ります。
それに生卵をぶっかけて豪快に食べます。
ライスを注文して、卵と濃厚スープがからんだ豚肉をご飯にのせて食べる人も多く、私も必ずそうやって食べます。
これがまた最高なのです。
数年前に「東大」という徳島ラーメンのお店が札幌に進出していたことを最近になって知りました。
でも、いつの間にか撤退していたようです。
徳島市で「いのたに」「東大」など、本場のラーメンを何度も味わった私としては、札幌で食べる機会を逸してしまったことになります。
「知っていたら通ったのに!」
とても残念なことでした。
だから、「天下一品」さんが定着していることに安堵しています。
「ラーメン一蘭」さんも、コロナの逆風に負けず、ラーメン激戦都市札幌にぜひ完全定着してもらいたいと念願しています。
改めて言うまでもなく、ラーメンには、歴史、土地、人の思いなどから出来上がる様々なこだわりの味があります。
北海道には、札幌ラーメン以外にも、旭川ラーメン、釧路ラーメン、函館ラーメンなどがあって、それぞれの味と伝統があります。
どれも札幌の太いちぢれ麺とは違ったこだわりの味で勝負して、固定ファンをしっかり獲得しています。
おわりに
札幌は、日本を代表する大地方都市です。
「札幌に行けば、何でも食べられる」
という懐の大きいグローバルな都市であってくれたらいいなと思います。
ごちそうさまでした!
オススメします!