「人間は宇宙の子である」。
アメリカの宇宙物理学者、カール・セーガン博士が著書『コスモス』に残した言葉です。
すべての生命が宇宙の物理法則の上に成り立っているなら、人間の探究は宇宙の物理法則から始めるべきです。
宇宙の物理法則の根源を「木火土金水」の五行とするなら、四柱命式は生まれた瞬間の「気の状態」を五行で記したものといえます。
【四柱推命】全ての生命の根源は宇宙⇒宇宙から人間を知る
私たちは宇宙の一部、逆に宇宙も私たちの中に存在する(カール・セーガン博士)
COSMOS 第一話を見て - 手塚治虫
手塚治虫さんの文章を引用します。
私たちは宇宙の一部ですが、逆に宇宙も私たちの中に存在するからです……。という印象深いセリフから始まるこの膨大なドキュメント・ファンタジー(という肩書きが、一番ピッタリしているようだ)は、第一話から、小さなテレビ画面にたちまち度肝を抜くような場面を展開していく。
こちらの記事から引用させていただきました。
カール・セーガン博士はどんな人?
わかりやすい記事を見つけました。リンクさせていただきます。
博士は生前、人間の身体を構成しているカルシウムや鉄分は星由来のものであることから「人はみな星の子だよ」と語っていたそうです。
「人はみな宇宙の子」であるなら、人間を研究するには宇宙の法則を理解する必要があるはずです。
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宇宙が物理学上の法則と一体なら
「宇宙⇨物理学上の法則と一体」
であるなら、
「物理学上の法則⇨自然の道理と一体」
となります。
このように考えを進めてみると、
「人間は宇宙の子⇨人間を知るには宇宙(自然)から」
と言っても決して暴論ではないと考えるのです。
四柱推命は、人間の運命と本質的性格を分析したものです。
それなら、「四柱推命は、自然の道理と人間の関連性を命式に示したもの」と結論づけてよいと考えます。
つまり「四柱推命」は、
- 単なる迷信や直感、あるいは統計学に終始するものではない
- 宇宙(自然の道理)との関わり合いから発展を遂げてきた
思えば、古の人は、現代人よりはるかに密接に自然と関わりながら生活してきました。
自然から受ける影響も現代とは比べようもなく大きかったに違いありません。
天候を知ることは農耕を初めとして衣食住に欠かせないことでした。
どんな1年になるかの関心は、今以上に深刻だったはずです。
何しろ、旅をするにも安心・安全が確保されていない時代でした。
そういう時代において、暦は大きな意味を持っていたに違いありません。
また、次の王を誰にするか決めるにも、実力と運を兼ね備えた人物を選ばないと国が滅んでしまいます。
現代のように「当たった!」「外れた!」で一喜一憂する時代ではなく、当てることは必須事項だったと考えるべきです。
「自然との関わりから運命を知ることは死活問題だった」は過言ではなかったと思います。
【易】宇宙の道理に従ったもの
易のうらない方は、広大な宇宙の道理に従ったものだとされている。
それは、人間を微小なもので有限な存在だとする考えに、対応したものである。古代中国には、中国の世界は実は全体世界の八十一分の一にしかすぎないのだと主張した思想家(※)がいた。
※戦国時代の陰陽家、鄒衍(すうえん、前305~前240)の大地理説。(『史記』孟子荀卿列伝)
またこの人間世界での戦争を、「蝸牛角上(かぎゅうかくじょう)の争い」つまりかたつむりの角の上での争いといったちっぽけなものにたとえた思想家(※)もあった。
※『荘子』則陽篇にみえる説話。
人間のいとなみは、広大な宇宙の規模から考えると、いかにも小さい。
私たちの住んでいる地球は、銀河系の中の太陽系に属する一つの惑星にすぎないが、この銀河系の外側には、またそれと同じほどの大きさの星雲が、おそらく一千億もの数で存在しているのだという。
まことに、気の遠くなるような広さである。月に達した人間の知恵はすばらしいものだが・・・・・・、うぬぼれてはいけない。宇宙のひろがりからいえば、それはほんのお隣にすぎないのだ。
人間にとって、まだまだ未知のことは多い。宇宙のひろがりにしても、それがどこまでのものかは、ほとんど不明である。無数の星雲でできているこの宇宙はどんどん膨張しているのだともいわれる。
そんな遠いことでなく、身近い人間の問題そのものが、果たして十分にわかったといえるであろうか。
人間にとって、どうしようもないということ、つまり人間の現在の能力をこえたことも、まだまだ少なくない。人間にとって不可能はないなどという威勢のよいことばは、その現実をありのままに説明したものではない。
具体的な個人について考えれば、能力の限界は一層明らかであろう。
人間が生物として死を約束された存在であることを考えただけで、事は明白である。
私たちはおもいがけない突然の不幸にうちのめされたり、理由の定かでない健康の不安におびえたりもする。
そして、そのような時、「運命」ということばをふと想い出すことにもなるのである。
『易の話 』金谷 治著
【陰陽五行説】は本来別物
易といえば「陰と陽」。四柱推命といえば「陰陽五行説」が基本といわれます。
しかし、元来「陰陽説」と「五行説」は別のものでした。
この事実はあまり知られていないようです。
陰陽説
古代の先人が、万物は陽と隠の二元論から成り立っていることを発見しました。
陽と陰、それはプラスとマイナスに言い表すことができます。
すでに『易経』の前に発見されていたと考えるのが自然です。
「発見」と書きましたが、まさに優れた慧眼と感心するよりありません。
「陰陽」とは
能動的な性質、受動的な性質に分類する。
具体的には、光・明・剛・火・夏・昼・動物・男、闇・暗・柔・水・冬・夜・植物・女などに分けられる。
これらは相反しつつも、一方がなければもう一方も存在し得ない。
森羅万象、宇宙のありとあらゆる物は、相反する陽と陰の二気によって消長盛衰し、陽と陰の二気が調和して初めて自然の秩序が保たれる。
ウィキペディア「陰陽」から一部引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B0%E9%99%BD
「一方がなければもう一方も存在し得ない」というのは、たとえば一枚の紙にも表裏があります。
どこまで剥がしても、結果は必ず表と裏、どちらかの存在を消すことはできません。
「陽がきわまれば陰に向かう」
- 太陽は昇りきると沈み始める
- 夏至になると秋に向かいます
- 冬至になると春に向かいます
- 真夜中になると朝に向かいます
- スポーツ選手も全盛期を過ぎると衰え始めます
五行説
古代の先人が、万物は五行から成り立っていることを体感し、発見した。
「五行」とは
五行思想は、戦国時代の陰陽家騶衍(すうえん 紀元前305年頃~紀元前240年頃)が創始した。
陰陽説は五行説と無関係に古くから存在したのに対し、五行説は陰陽説よりも後から出来たので、当初から陰陽説と一体であり、陰陽五行説といわれる。
ウィキペディア「五行」から一部引用
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%94%E8%A1%8C%E6%80%9D%E6%83%B3
五行とは5種類の元素ですが、簡単にいえば5種類の「気」といえます。
「気」には
- 天からの気
- 地からの気(質)
があります。
地上の万物は(もちろん人間も)天の気と地の気(質)の影響(恩恵)を受けて存在しています。
そして、先人達は「気」に5種あることを体感?し、それを五行としたのでしょう。
諸説ありますが、水星・火星・木星・金星・土星と関連があることは間違いないはずです。
今後の研究課題とします。(永遠の課題になりそうです)
さて、「気」の起点はどこでしょうか?
おそらく、ビッグバンに始まる宇宙の創生
宇宙といえば大げさに思われるかもしれません。
しかし、五行説に従えば地球には5種の気が充満していることになります。
それらの気は、実感できなくともあらゆる生命に大きな影響(恩恵)を与えています。
ほんの一例ですが、
- 農作物は天候による影響大
- 人間も天候によって気分が変わる
生まれた瞬間の「気」のあり方を可視化したものが四柱推命の命式
甲日生まれの人なら、たとえば次のように分類できます。
- 木が強く、木が生じる火も強い人
(自信過剰の傾向あり) - 木の人だが、金の官殺が強すぎる人
(やや萎縮した性格になりそう) - 木がめっぽう強く、金がほとんどない命式
(自己を抑えてくれる作用が少なく、自我が強くなる)
理想的なのは、五行(木火土金水)のバランスが整っている人です。
ということなので、「私は甲日生まれだから〇〇な性格」というのは単純に過ぎます。
それにしても、10年ごとの大運で木が強くなったり、弱くなったりします。
それが巡ってくる吉凶に影響を及ぼします。
【気】は年月日時、常に流動する
気=宇宙に充満するエネルギー=五行
約200億年前、宇宙のある一点で突然ビッグバンといわれる大爆発が起こり、2000億個ともいわれる膨大な数の島宇宙ができたとされています。
その一つひとつの島宇宙に、これまた2000億個にのぼると観測されている現在の銀河系宇宙が生まれ、その中の一つの太陽系の地球に人間が誕生しました。
この宇宙全体の運行、秩序を統制するものは何か?
現在ではまだ何もわかりませんが、太古、中国の聖人は、
「気の作用のしからしめるところである」と言いました。
気=宇宙に充満するエネルギー
四柱推命学は、この「気のありさま」を調べ、それが人間とどのような関わりがあり、個々の人間がどのようにして造られたかを、つぶさに調べる学問です。
その「気」を具体的に表わしたものが「五行」といえます。
- 気⇒五行(木火土金水)
- 五行⇒陽と陰⇒十干・十二支
- 十干・十二支⇒相生5関係・相剋5関係
- 相生5関係・相剋5関係⇒比和・相生・相剋・受剋・受生
五行=5種の気的なもの
四柱推命学の基本は「5種の気的」なものから成り立っています。
それを「五行」といいます。
五行は、電気のプラスとマイナスのように、「陰」と「陽」との二種に別れています。
五行は目には定かに見えませんが、地上はおろか宇宙の果てまで、じつは時間と空間を超越して満ち満ちていると仮定します。
この5種の気的な五行が悠久の古から無限未来の天地のあいだを、たえまなく巡りめぐってきわまりないため、五つの気が行(めぐ)るといいます。
五行は「木・火・土・金・水」の5つに分けられます。
これらが複雑に絡みあって一つひとつの「気」を作っています。
そして、次の十干を「天における五行」とします。
- 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
そして、次の十二支を「地における五行」として天と地を区別しています。
- 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
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【四柱命式】生年月日と出生時刻を五行で表わしたもの
2023年1月1日1時に生まれた男子の四柱命式
たとえば、2023年1月1日は、
年の干支【壬寅】、月の干支【壬子】、日の干支【己未】となります。
その3つの干支に1時なら【乙丑】が加わります。
それを四柱命式にすると、次のようになります。
己日生まれです。
- 月支と時支が空亡
- 日支(未)と時支(丑)が七冲
- 月支「偏財」ですが正財も混じり「正偏財交集格」
やや苦労が多い人生になりそうです。
それはさておき、2023年1月1日1時に生まれた人は、宇宙の気が上の命式の状態の時に誕生した人と考えます。
その気が、その人の性質や運命に大きく影響を及ぼすとするのです。
ちなみに、2022年の干支【壬寅】は2023年2月3日まで続きます。
2023年2月3日11時42分から【癸卯】になります。
つまり、2月3日までは2022年の運気を引き継ぐことになります。
2023年の運気になるのは2月3日からです。
正月は気分を一新する日、運気の変わり目は節分
というのは、そういう理由からです。
【気】とは具体的に何のことか?
「今の時点の気の状態は?」と科学的に説明する方程式があるのかな?と考えますが、おそらくないと思います。
仮にあったとして、その数値を人間の運命と性質に関連付ける方法はあるのでしょうか?
それがない以上、古来から伝わる五行陰陽説に頼る以外に方法はないと思います。
五つの自然現象(天地間5現象)
- 気圧⇒天に属する
- 地磁気⇒地に属する
- 電磁波⇒天に属する
- 宇宙線(α線やβ線)⇒天に属する
- 寒暑冷暖⇒天に属する
これら5種類の天の気・地の質は、相互が複雑な絡み合いをします。
そうして、作り出された組成は膨大な種類に及ぶはずです。
ただ現在、十干十二支の持つ意味と、これら5種の天地間の現象との関連性の科学的な裏付けが取れているわけではありません。
十干・十二支と5種類の気の組成結果の関連性については、現段階ではあくまで「仮定」として推論を進めていくしか手段がありません。
ですから、四柱推命も科学と同様、発展途上にあることを肝に銘じる必要があると考えています。
身近なのにわかりにくい【気】
- 元気がない
- 元気がある
- 天気が悪い
- 気分がよくない
- 殺気を感じる
- 気が合う
- 気がある
- 気がいい
- 気が多い
- 気が置けない
- 気が重い
- 気が利く
- 気が知れない
- 気が進まない
- 気が済む
- 気がそがれる
- 気が立つ
- 気が詰まる
- 気が遠くなる
- 気が長い
- 気が抜ける
- 気が乗らない
- 気が晴れる
- 気が引ける
- 気が回らない
- 気が短い
- 気が向いたら
「気」にまつわる言葉を挙げたら無数に出てきます。
数が多いのは、人間生活に影響を及ぼす度合が高いからに他なりません。
目には見えませんが、「気」の存在を否定する人はいないはずです。
結論を書きます。その人の運命と本質性格の「目に見えない気」を「目に見える命式」にしたのが四柱推命であると考えています。
※私の愚考・推論も含む記事であることはご了承ください。
参考・部分引用『現代四柱推命学 活用大辞典』亀石厓風著
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