四柱命式には「冠帯」「建禄」「帝旺」などの表記があり、それを十二運と呼びます。
「病」「死」「墓」のように忌まわしく感じる文字もあります。
歳運に「死」とあると、「今年死ぬの?」と心配になることも。
ここでは、十二運について解説します。
【四柱推命】十二運は人生の12段階
十二運(じゅうにうん)は四柱推命における運勢の流れや性格傾向を示す要素の一つです。
人の一生を十二の段階に分け、それぞれの運勢や性格を表現します。以下に、十二運ごとの性格特徴をまとめます。
【注】十二運からの性格分析を一切しない流派もあります。私も特別なものを除いてはあまり重要視していません。参考程度に見ることはあります。
自分の十二運を知る
【四柱命式】基本形
【十二運表】日干と地支の関係から割り出す
一番簡単な方法として、次のサイトが便利です。(無料です)
無料で命式を作ってくれるなんて、ありがたいサイトです。
自分の命式の十二運も教えてくれます。
私も初心者の頃、ずいぶんお世話になりました。
【十二運】それぞれの性格と傾向
十二運を用いた性格分析には諸説ありますが、概ね次のように言われています。
- 年柱の十二運・・・社会的性格
- 月柱の十二運・・・親・上司に対する性格
- 日柱の十二運・・・本人の性格
- 時柱の十二運・・・子ども・部下・後輩に対する性格
などです。
一番わかりやすいのは、「日柱の十二運(本人の性格)」です。上の命式の⑭が該当します。
職場の同僚などを見るに当たっては、⑭を見てもピンとこないかもしれません。
そこは、本人の本質部分のため職場では見せない顔だからです。
人にもよるでしょうが、⑫「年柱の十二運」のほうが納得できる場合があります。
私自身は、⑫は参考程度、自分の性格の核は⑫、それに⑪と⑬がミックスされる感じで見ています。
長生(ちょうせい)
- 明るく親しみやすい
- 誠実で温和
- 意志が弱く、気が弱い一面も
- 社交性があり、人当たりが柔らかい
- ガツガツしておらず、甘えん坊な傾向
日支に「長生」が出る男性
- 相続人となる人が多いとされる
- リーダーシップを取るより、人を補佐する立場が向いている
- 無理に上に立とうとすると破れが生じやすいので、焦らずマイペースで可能性を開いていくのが良い
沐浴(もくよく)
- 感情豊かで好奇心旺盛
- 浮き沈みが激しく、気分屋な面も
- 恋愛や異性関係に奔放な傾向
- 移り気で自由気まま
- 流行に敏感で、学問や技術の才能がある
- 規則や秩序が苦手で、気持ちが先行しやすい
- 根気がなく、外面がよい
日支に「沐浴」が出る男性
- 遊び好きで、性的好奇心が旺盛
- ひとりの妻で満足できず、心がふらつきやすく、異性関係に注意が必要
- 職業や住所もよく変わり、親との縁も薄い
- 風流心に富み芸能・芸術・技術方面に適性がある
日支に「沐浴」が出る女性
- 懐疑的で気迷いが多く、働き者だが大事を成すには向かない
- 熱しやすく冷めやすい
- 親との縁が薄く、職業や住所もよく変わる
- 異性関係にも注意が必要で、夫に満足しない結果、離別の不幸を見ることも
ある - 流産しやすい傾向がある
- 生日が「甲子」「辛亥」の人は、強情勝気に過ぎることが多く、孤独の象がある
冠帯(かんたい)
- 華やかで自信に満ちた性格
- 自己表現が得意で、リーダーシップを発揮
- 承認欲求が強く、目立ちたがりな一面も
- 我が強く、負けず嫌い、パワフルで目立つ存在
- 演出が上手で、お調子者な面も
- 本音と建前を使い分け、礼儀と礼節をわきまえる
- 女性は高価な服を好む傾向がある
建禄(けんろく)
- 堅実で安定志向、努力家
- 強い意志を持ち、忍耐力がある
- 信頼されるが、頑固な一面も
- 堅実で現実的、真面目
- 実行力があり、協調性もある
- 地位や財産を重視する
- 利益優先でロマンに欠ける
帝旺(ていおう)
- エネルギッシュでカリスマ性がある
- 統率力があり、成功を収めやすい
- 自信過剰になりやすく、独裁的な面も
- 統率力がある
- 猪突猛進型で、勇猛・大胆
- プライドが高く、自信家
- 頭を下げるのが苦手で、自分勝手になりやすい
衰(すい)
- 思慮深く、冷静な判断力を持つ
- 控えめだが、経験を重ねて成長
- 自信が持てず、迷いやすいことも
- 慎重でおとなしい
- 保守的で干渉を嫌う
- 人当たりが良いが、面倒見は今一つ
- 現状維持タイプ
日支に「衰」が出る男性
- 帝旺の次に来る衰は、衰えても昔の帝旺の気分が残り、どこかで一旗揚げたい気分に支配され、それが失敗の元になる
- 具体的には、昔の夢を追い求め、煽てられることによって失敗しやすい
- 日支に衰がある人は、たとえ日干が庚でもおとなしい人が多いが、内心にはどこかしら虚勢を張りたい思いが存在する
病(びょう)
- 繊細で感受性が豊か
- 芸術的なセンスや哲学的な思考を持つ
- 精神的に不安定になりやすい
- 慎重で神経質
- 傷つきやすいが、温厚で優しい
- 世話好きだが、臆病な一面も
- こだわりが強い
死(し)
- 知的で洞察力がある
- ロマンチストな一面を持つ
- 静かで落ち着いた雰囲気
- 内省的で、精神世界への興味が強い
- 頑固で融通が利かず、決断が遅い
- 世間知らずで無口
- 暗い印象を持たれやすい
墓(ぼ)
- 真面目で堅実
- 質素倹約を心がける
- 保守的で頑固
- 順応性に欠ける
- 物事に固執する
- わからず屋な一面も
絶(ぜつ)
- 融通性がある
- 客観的判断ができる
- 決断力がある
- 気分屋で感情のコントロールが苦手
- 引きずらない性格
- 根気がなく飽きっぽい
- 孤独癖がある
胎(たい)
- 温和で理想家
- 好奇心旺盛でアイデア豊か
- 非現実的な面があり、用意周到な一方で愚痴が多い
- 満足しないことが多く、責任転嫁しやすい
- 依存心が強い傾向も
養(よう)
- 知的で慎重
- 我慢強く根気がある
- 順応性があり、大器晩成型(若い頃は苦労が多い)
- スローペースで、感情に乏しい
- 考えていることがわかりにくい
日支に「養」が出る女性
- 男勝りで勝気
- 実父母と縁が薄い
- まれに、色情で失敗しやすい人も
十二運は、人生の流れや気質を示すものであり、それぞれの特性を理解することで、自分の強みを活かし、課題を克服する手助けとなります。
【十二運の意義と働き】亀石厓風説
十二運でエネルギーを計測する
出典『現代看法 四柱推命学大辞典』 以下に引用します。
十二運は生まれたときから成長期を経て、運勢の頂点に立ちます壮年期、やがて衰え死亡し墓に納まりますまでの、人生の栄枯盛衰のそれぞれのポイントごとに、
- 長生・・・母体を離れ、呱々の声をあげ、はつらつとした勢いでこの世に生まれる。
- 沐浴・・・母胎中にいるとき、身についた垢を洗い落とすための入浴をする。
- 冠帯・・・七五三の祝いをすませ、衣冠着帯して元服する意。現代の成人式を迎えること。
- 建禄・・・青年になり就職し月給をもらい、独立して生計を立てる。
- 帝旺・・・人生中、もっとも盛大な運勢のときを意味し、人生の頂上に立つ。
そしていつしか年を経、すでに身に衰えがしのびよるとして、
- 衰 ・・・壮年時代が過ぎ、老衰の境に入る。
- 病 ・・・老いて後、自然に病み衰える。
- 死 ・・・全く衰弱して死亡にいたる。
- 墓 ・・・死後、墓中におさまる。
- 絶 ・・・人間としての形態が完全に滅し、絶無になる。
- 胎 ・・・霊魂がふたたび母胎内に宿る。
- 養 ・・・母胎内で親の栄養をとり、養いを受ける。
等々として、以上のような人生の大事なポイントごとに十二個の独特の名称がつけられていてそれ一つで独立した分析も可能とされます。
じつは十二進法のいわれも、ここに原点があると思われます。
このようにして四柱八字を組織しましたあとは、すべて日干から四個の各地支に十二運表を用いて照合し、十二運での日干の根の部分に相当するエネルギーの強さを計ります。
ですから、十二運はそれ自体、次のように強・中・弱に三分類されますので、日干の強い弱いは、すぐわかるのです。
十二運だけで寿命を推測できない
十二運は、病・死・墓・絶などの文字のように、一見して忌まわしい表現になっていますが、その人の運命や運勢に名称そのままの意味があるのではなく、人生一代のそれぞれのウィークポイントともいうべき事柄を、そのような名称で表現したまでですから、それら忌わしい文字が命式内にあるからといって、そのものズバリの意味を持つものではありません。
もちろん病・死・墓・絶は四衰に該当するものですから、日干の根が強くないとは評価します。
世間では十二運の看法だけをさかんに用い、的中する、しないにおかまいなく、とりわけ四衰に該当しますもので、忌わしい暗示を人々に撒きちらしている人がいます。
- 墓が出ますと、長男でなくても親・先祖の墓を守る。
- 衰や病が出る人は病弱である。
- 年支に死が出る人は、親兄弟と縁が薄い。
- とくに日支に死とか絶が出る人は三十歳前後までの寿命である。
等々、人の心を迷わすのにことかかず、いままでどれだけ多くの人が、このようなたわいもないことを聞かされ暗い日々を送られたか数知れません。まこと罪深いことではあります。
いま日本は子沢山(こだくさん)の時代から、 一組の夫婦が子どもを産む率が二人をきり、 1.5人に迫ろうとしています。 十二運は文字どおり十二個ですから、一命式に墓が出る確率は3人に1人しかありません。それでは十二運の墓が出ない子どもが産まれます家なり夫婦は、ますます増加することになり、近い将来、日本の国や家はどのようになってしまうのか、しれたものではないことになります。
またたとえば己日で丑年、丑月、丑日、丑の刻に生まれた人は墓が4個つきます。このような人は四軒の家の墓を守らなければならないのか・・・との反論にどのように答えるとよいのでしょうか。
そしていま一つ、少々古臭い話ですが、昭和60年9月10日づけ毎日新聞夕刊に掲載されました敬老の日に105歳以上になるお年寄り65人〉の中で、明治10年以降の生まれの方、49人について集計した資料がありますが、これによりますと、十二運の衰・病・死・絶の、いわゆる寿命が短いとか病弱とかされます四種の因子を、とくに日支に持っている人が13人も105歳を過ぎてまだ生きておられる事実に、どのように答えられるのでしょうか。
調査対象者が49人、このうち弱いとされます衰・病・死・絶の人が13人では、ほとんど3分の1になります。衰・病・死・絶は十二運の中で3分の1を占めるのですから、割合的には、なんらの変化もないことになります。
つまり日支の十二運だけでは、とても人の寿命を推測できないことをあらわしています。
このようなことは、少し統計をとってみますと、すぐわかりますことですから、まじめな学究の徒としては、心しなければならないことの一つなのは申すまでもありません。
なお十二運には、この理論が成立するに際して、腸の因子の長生は陰の因子の死に当たり、陰の因子の長生は陽の因子の死に該当するとして、『陽生陰死の理』といわれますもっともな理由があり、地球上の万物が成長したり衰退したりします状態と、太陽が運行しますあいだとの絶妙な関係をとらえ、うまくいい得ていて、少しも不審なところがありません。
※陽生陰死の理・・・十干の陽の因子が十二運の長生に該当する場合、同五行の陰の因子は十二運の死に該当するとする説。たとえば甲の長生に該当するのは亥であるが、この亥は乙では死になり、丙の長生に該当するのは寅であるが、丁ではこの寅が死になる。以下、みなこれに準じる。
以上、『現代看法 四柱推命学大辞典』から引用
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