四柱推命の市販の本を読むと、
「甲は上に伸びようとする木で、甲日生まれの人はプライドが高い」
「庚は鋼鉄で、庚日生まれの人の性格は荒々しく豪胆」
などと書かれていることが多いです。
人は動物占いのように分類やレッテルを貼ることが大好きです。
それはそれでわかりやすく読んで楽しいのですが、人の性格や運命はそんな単純なものではありません。
庚の人でも大人しくて気が小さいとか、決断力に乏しい人もたくさんいます。
命式全体を見て、日干や用神のエネルギーの強さ、全体の力量のバランスなどを考慮しなければ全く的中しません。
私の知人友人にも日干庚の人はたくさんいます。
今日は、温厚でユニークな庚日生まれの友人の命式を紹介します。
【四柱推命】庚(かのえ)の人「本当に強くて豪胆なの?」
庚は、硬い鉱石や刀剣に例えられるため、
- とても硬くて力強い(頑固)(気が強い)
- 意志が強い
- 物事に屈しない決断力がある
- 負けず嫌い
- 正義感が強い
- 人を裏切らない
- 攻撃的
- 頑固で目立ちたい
- 粗雑だ
などと言われやすいです。
だから、四柱推命をかじった人が乱暴な男性を見ると、
「あいつは日干庚に違いない」
などと勝手に決めつけることもあります。
しかし、生年月日を聞いて命式を出してみると、
「なんと!あの人の日干は『己』だった!」
と驚いたりするわけです。
それは当然のことで、日干だけで判断できるほど人は単純ではないということです。
四柱推命というように、 年・月・日・時の四つの柱でそれぞれの力量を見ないとその人の本質は分かりません。
ですから、
「壬の人は、酒好きで短気な人が多い」などと簡単なものではないわけです。
人は、このように他人を分類したり、レッテルを貼ったりするが大好きです。
だから、動物占い的な見方は単純明快でエンターテインメントとしては楽しいですが、それを鑑定とするには危険であると思います。
さて、次の命式の人ですが、私の友人です。
長い付き合いですから、性格もよくわかっています。
日干は「庚」ですから、 硬い鋼鉄タイプの男性です。
【四柱推命】日干「庚」食神格の男性
友人の命式です。
実際に鋼鉄のように硬くて強い性格かというと、全然そんなことはありません。
日干のエネルギーがやや弱いので、男らしいタイプではありません。
むしろ控えめな人です。自己主張はほとんどしません。
「どっちの店に行く?」
と尋ねると8割は相手に合わせます。
仕事上のことで、苦情や文句が来ても決して感情的になりません。
相手を説き伏せるようなこともまずしません。
聞いて聞いて聞きまくって、相手の感情が落ち着くのをじっくり待つタイプです。
命式の状態はけっこう良い方です。中の上くらいです。
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【四柱推命】友人の性格分析
それでは四柱推命からの性格分析をしてみます。
人を強く引っ張るようなアクの強さはありません。
根気強さが最大の長所です。
命式自体が良好ですから、素質や才能を秘め、仕事を無難にやり遂げるタイプです。
心に変なこだわりを持ちません。
鷹揚でゆったりしていて、バランス感覚に優れています。
協調性も高いです。
温厚な雰囲気から人に好かれやすい性格の持ち主ですが、命式を見るまでは負けず嫌いとは知りませんでした。
集中力がありますので、何かに打ち込むと十分成果が期待できます。
簡単にまとめると、「楽天的な努力家」ということになります。
このように「庚=硬い鋼鉄」のタイプの人ではありません。
月柱に透干している「食神」の象意のほうが、強く性格に現れています。
生日の十干の性格で人を判断すると鑑定を大きく外してしまいます。
庚の人だからといって、「〇〇の人である」など簡単には行かないわけです。
そんなふうに分析をしていたら、10人中の1人は「豪胆な人」になってしまいます。
せっかくですから、もう少し分析してみます。
態度は控えめ、雰囲気は柔和。どちらかと言うと内気
言葉遣いも朴訥で、お世辞にも能弁とはいえない
派手に目立つことを嫌い、むしろ目立たずにナンバー3くらいが合っている自認している
- 名誉や成功への欲望は少ないほうである
- 人に迷惑をかけることは嫌いで、そのため仕事にはコツコツと努力を続ける
- 庚は刀剣に例えられることがあるが、そのような鋭さはほとんどない
- むしろ、鋭い刃を受け止めるまな板のようなタイプで、人に安心感を与える人柄
- 円満な人格者で、常識も多分に有している。
と命式から分析可能です。
庚の刀どころが、「まな板のような性格」には我ながら良い例えができたと納得しています(^_^)。
分析を続けます。
友人だからと忖度なしで書き進めます。
- 俊敏な勝負度胸はなく、優しさから損をすることが少なくない
- 要するに、優しさと同情心が決断力にブレーキをかける
という人生傾向が見られる友人です。
ただ、協調性があり、職場や組織などにおいては潤滑油的存在として非常に重宝される人材になり得ます。
このように、全然「庚」とは思えない鑑定結果になりますが現実はこうです。
この記事を読んだ本人はどう思うでしょうか。
実際に彼を知っている私としては、「先入観無しに書いた鑑定結果はほぼ満点」と自画自賛しているところです(^_^)。
書き遅れましたが、匿名を条件に好きなことを書いてもいいと言ってくれています。
ですから遠慮なく好きなことを書きます(^_^)。
【四柱推命】夫婦関係は「あんまり…」というか「かなり…」
夫婦仲はかなり悪いです(^_^)。
30代の頃は何度か離婚を話し合ったそうです。
40代の半ばになると、お互いに離婚はあきらめて、
「それぞれの生活を楽しむ」が暗黙の了解として成立したと言っていました。
今では一緒に買い物に出かけることもないどころか、長い休日になると、テーブルに、
「〇日まで 九州に行ってきます」
など置き手紙があるそうです。
そして数日経ってから何食わぬ顔をして帰宅してくるようです。
時には子どもと一緒に旅行に出掛けてしまうこともあるんですって!
しかし、友人と子どもの関係は良好らしいです。
子どもも父母の関係はすでに理解できているようで、特に支障はないと友人は言っていました。
- 「喧嘩もなく言い合いもなくていいよ」
- 「給料はそれぞれが管理し、家のローンや食費など一緒に使う部分はお互いが出し合う」
と言っています。もちろん共働きです。給与の差はあまりないそうです。
「お互いに空気みたいになって、若い頃のようにムカついたり憎んだりすることがなくなった」
と言っています。こういう夫婦もあるのですね。
さて、四柱推命で友人の配偶者縁を鑑定すると、次のようになります。
奥さんは、
- 気が強いように見えてもそれほどではない
- 根は頑固で協調性の乏しいところがある
- 共通の趣味や価値観がきっかけとなってゴールインした可能性が高い
- 趣味や価値観が共有できても、お互いの根本的相性は良くない
- 家事などはあまり得意ではない
- 外面は良いが本質はしたたか
- 育児には熱心
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【四柱推命】〈大運〉友人これからの人生
〈第7運〉52~61歳は【丙 午】偏官運 南方火運
総合的には、大きな変動はない10年間になりそうです。
自分自身の生活をモデルチェンジしたい意識が強くなる時期に入ります。
しかし、無理しないほうが良いでしょう。
変革をバックアップしてくれるような強い運気はない時期だからです。
おとなしくしていれば無難に過ごすことができる時期です。
無理して動けば様々な障害が発生しそうです。
どうも友人は、若い頃の運勢が強かったようです。
ですから今後は、性格に似合う穏やかな生活を心がけることが、心豊かな余生を過ごす第一条件であるようです。
モデルチェンジはやめておきましょう。
持って生まれた福分は、中の上です。
公務員向きのタイプです。はい、実際公務員です。
職場の雰囲気に影響を受けやすい人です。
きついノルマなどには大きなストレスを抱えてしまいます。
基本的に人を管理、指導するような適性はあまりありません。
教員にはやや不向きです。
しかし実際は教員をしています。
職業選択は残念ながらやや誤ったかもしれません。
しかし実直で保護者や生徒からすると安心感があり、面白みは少ないですがとても良い先生です。
ただ、もっと違う職業が良かったかなと本人も思っているようですが、五十歳を過ぎた今となっては、モデルチェンジせず今の職業と生活を大事にするのが良いでしょう。
息子さんですが、大阪大学に合格し元気に通学しているそうです。
大変優秀な息子さんです。
ですから友人も、奥さまとは距離がありますが、家庭生活には全然不満はないようです。
この友人は、良い老後生活を過せそうです。
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