先日のブログ記事で、
「庚だからといって強い人とは限らない。命式全体を見て判断することが必須」
と書きました。
動物占いのように「日干だけで鑑定しても当たらない」と言いたかったのです。
しかし、「辛(かのと)の人」は日干しか見なくても、「当たらずとも遠からず」という気がしています。
友人が嫌っている、気難しい上司は日干「辛」の人でした。
友人は、「どうしても好きになれない」とぼやいていましたが、その上司、実はなかなか良い命式でした。
【四柱推命】神経質で気難しい上司の命式
日干「辛」日支「卯」の人〈辛は宝石〉
辛(かのと)は、宝石や月に例えられます。
ちなみに庚(かのえ)は、鋼鉄や刀です。
宝石は、傷つくことを恐れ、汚れを嫌います。
そこから、「潔癖」「神経質」「繊細」などの意味が出てきます。
日干が辛の人は、往々にして神経質な傾向がある、と私も感じています。
プライドが高い人も多く、それが高じると自己中心的になったりもします。
自分なりのルールを持ち、筋が通らないことを嫌います。
約束をよく守り、ルーズな人を信用しません。
こういう性格ですから、好き嫌いも激しくなりがちです。
辛の人と接する際には、ルーズでいい加減な人と思われないことが肝心です。
そのうえ、この上司は、申月生まれですから、ますます頑固になりやすく、プライドも高くなりそうです。
三命方象先生の『個性学入門』
三命方象先生の『生まれ日占星術ー個性学入門』には、「辛卯日」生まれの個性と適性について、次のように記載されています。
*三命方象(増永篤彦)先生
京都大学・大学院で心理学を専攻。臨床的性格学の研究をして、早稲田大学で教鞭を取った。
四柱推命を学ぶ人で知らない人はいないくらい有名。
主に十二運に着目して個性を分析した。
◆個性
- 飾り気のない、素朴で率直な態度の男性で、つねに青年的な若さを失わない。
- 意地と気力で人生をわりきっていくところに多少の無理を感じさせるが、そうした理想主義的な江戸っ子気質が、欠点とはいえない魅力を形作っている。
- 正直でウソのつけない性格だけに、周囲の誤解をまねくこともあるが、あくまで信念を貫いて妥協しない生一本さと、神経質的な見かけ以上に粘り強い素質が、成功の要素となっている。
- 芸術的な感性があるだけに、いささか線の細さは否定できないが、野心も少なく、人生も安全。
◆仕事への適性
- 理想主義的な理論家の面もあるが、現実には試行錯誤による体験を重んじる実際家である。
- 行動力にも恵まれていて、着実な仕事ぶりを示している。感情的にやや情緒不安定な傾向があるために自己主張が強い。
- 相手の立場を理解しない信念過剰のところもあり、造反家にみられやすい。
- 親分肌で、人情家でもあるので、組織的にものびるが、スタッフ的専門職が向いている。
◆職場の人間関係
- 実務家としては能率的な存在であるが、気短で気ムラな自己統制のきかない面がワンマン的に出る場合もある。
- 独断専行のゆるされる枠の中で働くほうがよい。
ページをコピーして友人に渡しました。
「どう?当たっている?」
と尋ねると、
「けっこう当たってる」
と答えます。
「じゃあ、当たってる部分を言ってみてよ」
とお願いして、その部分に線を引いたのが、上の文章の下線部分です。
友人は、的中部分の多さに驚いていました。
ただ、「違和感を覚える箇所もある」と言いました。
そこを赤文字にして書き出してみます。
「飾り気のない」については何とも言えない。ナルシスト的傾向があるように見える。
「欠点とはいえない魅力」とあるが、自分には魅力ある上司とは思えない。
「線の細さ」とあるが、とことん強い人に見える。
「野心も少なく、人生も安全」には見えない。時々上役に噛み付いて煙たがられている。
「体験を重んじる実際家」とあるが、現実よりも理想ばかりを追い求めているように見える。
「親分肌で、人情家」については、言われてみれば分からないでもない。
ということでした。
「それ以外は、ほぼズバリだ」と言っていました。
けっこう当たっているようです。
しかし、100パーセントの的中率とは思えないようなので、命式全体(三柱ですが) 鑑定してみました。
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日干のエネルギーがやや強い「偏財格」良い命式
月支が「劫財」なので、日支の「偏財」で格を取ります。
- やや派手好みでしょう。
- 実際は明朗活発なよくしゃべる人です。
- 格である「財」を補給するエネルギーが枯渇しない、なかなか良い命式です。
- 才能を生かせば、かなりの財を獲得する人です。
劫財が強く、頑固で、利己的な面は持っています。
何かを頼まれても簡単に引き受けないし、難癖をつけることも多いかもしれません。
実際に、けっこうな数の上司や同僚に嫌われているそうです。
こういう人にお願いする時には「あなた以外に頼れる人がいない」とひと言加えるのがコツです。
それも、一度や二度ではなく三度のお願いが必要です。まさに「三顧の礼」を欲する人です。
お願いされることがプライドを満たします。
「いやいや引き受けた」というアピールをしたい人です。
はっきり言うとプライドの塊です。
プライドが高い人は、失敗を恐れます。だから時に慎重すぎる部分もあります。
「いやいや引き受けた」は、失敗した時の保険にすることができます。
こういう人にお願いする時には、
「この仕事をこなせるのは、あなた以外に思い浮かばない」
という気持ちを伝えることが効果的です。
思いが伝われば、親分肌の本質がムクっと起き上がり、一肌脱いでくれるでしょう。
一度や二度のお願いでは駄目ですよ。やはり三度必要です。
自信、行動力があり、意地も根性も旺盛な人です。
自分を決して安売りしたくないのです。
欠点をあげれば、
- 本心をあまり見せないため誤解されやすい
- 頑固で融通性がない
- 納得できないとしつこく追求する。
- 言いにくいことをズバッと言うところがある(相手を傷つける)
- 承認欲求が強く、認められないと簡単にふてくされる
- 我が強く、相当な偏屈頑固者
- 自分を評価しない相手には敵対心を抱く
自立心、決断力、粘り強さ、独創性も楽に並以上の力を持っていますが、「周囲に対するきめ細やかな配慮」だけは、驚くほどできない人です。
要するに人間関係の立ち回りは下手です。つまり、不得意分野なのです。
その辺りは、気にしないことが一番です。
また、最も気をつけるべきは、人の下には立ちたくない人なので、軽く見るような言動は絶対禁物です。
ちょっと面倒くさい人です。やや幼児的とも言えるかもしれません。
そう考えると疲れるので、「この人は、純粋で一本気なのだ」と自己暗示を掛けて接する方が少しは気が楽になるでしょう。
本当はサラリーマン向きの人ではありません。
共同事業もかなり難しい人です。
自営業など自主独立した仕事に適性があります。
現在はサラリーマンということなので、少人数のチームを率いる役割なら力が発揮できるでしょう。
大人数の中では、力を発揮できず、不服不満が溜まり職場の雰囲気を壊してしまう可能性が高い人です。
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〈気難しい上司〉ほめない上司がほめない理由
よくよく話を聞くと、仕事の出来を全くほめてくれないことが不満の原因の一つとわかりました。
ダメ出しの方が圧倒的に多いらしいです。
それも部下全員に対して。
この上司は、対人関係以外はかなり有能な人のようです。
命式では、完璧主義とわかります。
こういう人は、部下をほとんどほめません。
部下としては、不満が溜まる前に不安になります。
「自分は評価されていないんじゃないか?」
という不安です。
不安が溜まると、だんだん不満へと変わります。
私自身、自分の経験から、次のように感じています。
- 自信がない上司ほど、部下をよく褒め、おだててくる。
自分が無能であることを薄々知っている人は、部下からの突き上げを恐れます。
無能さを隠すには、人間関係でごまかすしかなく、無駄に媚びてくるわけです。
情を装って、無能を隠す手段です。
良い関係を保っておけば、多少のミスも許してくれる…と考えている人もいます。
しかし、こういう上司に長く仕えても、自分のためになりません。
そういう上司よりも、今回のような「気難しくてほめない、自信満々の上司」のほうが自分の成長につながると思います。
また、社会全体を見渡すと、不器用な人や優秀な人には、人をほめるのが苦手な人が意外に多いと感じます。
理由は、
- ほめることに照れや後ろめたさを感じるから
- 他人のミスや欠点によく気がつくから
- 集中力がありすぎて周囲を見渡すのが苦手(ややアスペ的)
今回の記事に登場した上司は、専門的な仕事に対しては非常に優秀で、プライドを持って仕事に向かう人らしいです。
仕事の適用範囲はあまり広くないそうですが、どんな分野であれ、優秀な上司をうならせたら一流の仲間入りでしょう。
「お主、できるな」と一度でも思わせたら、その後は絶大な信頼を寄せてきそうです。
こういう人は、自分に厳しい分、他人にも厳しさを要求します。
完璧主義なので、自分にも他人にも妥協したくないのです。
ただし、社内的な影響力があるとは限りませんので、もし実力が認められても近づきすぎは禁物でしょうね。
付かず離れずの関係でいるのが一番快適だと思われます。
一つ良いところがあるそうです。
上司を責めるときは、人前気にせず攻撃しますが、部下を叱る際には個室に呼ぶそうです。
プライドを傷つけたくないのでしょうね。
人間が長く恨み続ける原因は、プライドを傷つけられることです。
最近、仲が良い同僚3人とゲームを始めたそうです。
題して、
「褒められたゲーム」「笑わせたゲーム」
- 誰が最初にほめられるか
- 誰が一番その調子を笑わせる回数が多いか
をゲームにして楽しむことにしたそうです。
不満を溜めて大嫌いになるよりは、こんな風にゲームにして楽しむ方が精神的にずっと健康的かもしれません。
腹立ちの気持ちも薄らいでくるというものです。
人を変えることはとても難しいです。
だったら、自分の気持ちを楽にする方法を考えていくほうが、ずっと楽しく能率的かもしれません。
学生時代、大嫌いな先生にあだ名をつけることで、ほんの少し嫌いな気持ちが緩和される、それに近いものと言えましょう。
人を嫌いになっても得はないのですから。
最後に。この上司は起業したら成功する可能性がかなり高いです。
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