数々の不運に見舞われて、ガタガタになった親友の人生。
もともとの四柱命式も紫微斗数命盤も悪くないのに、何が良くなかったのか。
過ぎ去った過去を振り返っても仕方ありませんが、今後の研究の課題として検証する必要があると考え、本人の了承を得て書き記します。
命宮「天相星」でわかるように、落ち着いた性格の好人物に何があったのか。研究材料として残しておきたいと思います。
【四柱推命】月支「偏官」の官殺混雑格
将来の大成が見込める命式なのに…

官殺混雑格で官殺の勢いが強い命式です。
対する日干も3個の強い根(長生2個と帝旺)と刃もあるため負けていません。
なかなか将来性を秘めた命式です。ただ、それでも日干が官殺の勢いに比べてやや弱いのが残念です。それでも、決して貧命ではありません。
大運に比劫運や印星が巡って、日干を強める運が巡れば、身殺均停格になって、大きな発展を遂げる可能性が高いです。(ただし、偏官と正官が混雑するのが残念)
それは、10歳から39歳に巡ってきます。
たしかに、22歳までは順調でした。
高校時代は学業優秀で第一志望の難関校に合格。
大学卒業後は、大手銀行に就職しまし、将来の成功が約束されたかに見えました。
しかし、事実は20歳からの「壬 戌」比肩運 西方金運の時期に、人生が大きくガタついたのでした。
銀行マンとして張り切っていたフレッシュマン1年目に、両親の癌が発覚しました。
そのため、週末は勤務先の東京と実家がある福島を新幹線で往復して親を支えました。

そんな生活が1年以上続いた頃、今度は自分の精神が壊れ掛かってしまいました。
そして、銀行を退職。実家に戻ってアルバイト生活。
その後、試験に合格して地元の市役所に勤務。
しばらくして、結婚。
ところが、数年後、精神不安が再び襲い、退職そして離婚。
現在は、嘱託社員として某民間企業で働いています。
スポンサーリンク
官殺が強いと転職が多くなる!?
官殺は、よく働けば己を律し、身を高めてくれます。
ところが、強すぎると七殺となって、身を責めてくるという特徴があります。
そのため、官殺が強い命式の人は、転職や住居の移動がよくあるなど、何かと身の回りがあわただしい運命になりがちです。
事実、彼も大変でした。中国で仕事をする時期が長く続いたりもしました。
後天運の検証(大運の働き)
好調だった彼の人生に影が差し込んだのは、第3運の時期です。
第3運 20~29歳【壬 戌】比肩運 西方金運
一見、吉運の時期だが
比肩運は吉です。なぜなら、身を強めるため、強すぎる官殺に対抗できるからです。
また、西方金運も吉運です。印星を強めて、官殺の気を抜き、さらに身を強めるからです。
では、なぜこの時期に不運が一気に襲ってきたのか…。
検証が必要です。
原因は申酉戌の西方合
大運「戌」と月支「申」『酉」が連携して申酉戌の西方合が形成されます。
原因はこれでしょう。
月支が連携して西方合すると、金(印星)が強くなり、印綬局になります。
- 年支と月支の偏官が印綬になるため、官星の負担はだいぶ和らぐ。(これは吉)
- 印星の勢いが相当強くなる分、官星からの偏旺状態が解消されます。(これも吉)
印星が強すぎて、相当な身旺に
以上のように、この10年間は、官殺混雑格が印綬局となります。
ただ、月上にある偏印が混ざり、年上の偏官と時上の正官が強い印星をさらに強め、そのうえ、日支比肩と大運の比肩もあって、相当の身旺となっています。
※官星は印星を強め、印星は日干を強めます。
印綬に偏印が混ざると、偏印化します。それを官殺が生じていますので、良い印綬局にはなっていないようです。
印綬局が偏印化して、相当強まると、事故・病気・災難などに要注意となります。
この命式には、比劫星と食傷星がいいかもしれません。
もともとある偏印が印綬なら、吉命式となっていたかもしれません。
そかし、もともと偏印が2個もあって、4個の官殺を生じているのは、たとえ身弱を助けていても、問題が生じやすいはずです。
この命式は官殺が4個あるとはいえ、身旺でもありますので、方合はしなかったほうが良かったでしょう。
結論として、西方合が彼を苦しめる原因であったと言えるでしょう。
いくら良い命式でも、大きくバランスを崩す運が巡ってくる時期は要注意です。
むしろ、凶命式に大きな変動運が巡る方がチャンス到来になることが多いようです。
「命式が良いから幸福」とは断言できない理由は、後天運の巡りも一因にあります。
特に偏印運は、何が起こるかわからないこともあって、気をつけなければなりません。
論を飛躍すると、印綬は親を意味します。親のことで何かあったとしても命式的には納得できる時期だと言えます。
また、本人の命式には木気がありません。

木の五行が弱い命式は「病気の暗示」
木の五行が弱いと、次の病気に注意が必要です。
肝臓、不眠症、手足の病気、神経の病気、頭の病気、鬱など。
市役所を辞めたのは、強い鬱が再発したためです。
その後まもなく、奥さんは家を出たそうです。
彼の親友(私とも親友)は、激怒していました。
「夫が苦しい時期に支えないで家を出るなんて!」と。
印星が強い時期も、鬱病などのノイローゼに要注意です。

【四柱推命】伝統的看法で読み込むと

【年柱】年上通変星の偏官
年上に偏官があると、自己の七殺となるため、生地生家に縁が薄く、父祖の力を得られないとされています。
ただし、現代のような少子化の時代は、多少割り引いて考えるべきかなと思います。
しかし、彼の場合は同柱に偏官が重なっているため、親との縁が薄い傾向は拭いされません。
【月柱】月上通変星の偏印
月支に食神があって、月上に偏印があれば、必ず父母に異変があるか、または病的欠陥があるとされます。これは見事に当たっているようです。
月柱に偏印・偏官があると、収入のわりに出費が多く、人の世話をして苦労が絶えないとします。これも当たっていると思います。
そして、自我が強く、他人との争いが多い傾向があるとされます。
もしかしたら、職場などでは友人には見せないような一面があるのかもしれません。
【日柱】日支通変星の比肩
地支は夫婦の座です。
ここに比肩があれば、夫婦の自立心が強く、身旺の場合は夫婦関係が凶に作用します。
ただし身弱の人は、配偶者が助けになります。
この命式は、比肩と刃が同柱しているため、父親と早く生死別することがあります。
こちらも当たっています。
【時柱】時上通変星の正官
部下や子どもの徳を得るとされていますが、この命式は官殺が強すぎるため子縁が良いとは読み取りません。正官は忌神だからです。
【紫微斗数】親友の不運の原因を探る
こちらも決して悪い命盤ではありません。
奴僕宮と兄弟宮を見てわかるのは、人にかなり気を使う性格だということです。
実際に温厚で穏やか。学生時代は、彼のアパートが仲間の憩いの場になっていました。
いわゆる「いいヤツ」という感じでした。

夫妻宮に化禄があって、結婚する可能性が高いです。
事実、結婚しましたが、前述の通り離婚しました。
ですが、今でも元奥さんとは仲良しらしいです。これも化禄の作用でしょうか。
とはいえ、「化禄があれば夫婦生活は安泰」とは言い切れないことを命盤は教えてくれます。
夫婦生活が心理的負担になることも命盤は示しています。
ところで、彼の結婚式に出席した友人同士で語り合ったことは、「あの夫婦、顔がそっくりだな」でした。
似た者同士の傾向が強いことは、四柱命式からわかりますが、気性は奥さんの方が強いような気がします。
奥さんの生年月日を聞いていませんが、紫微斗数命盤命盤から読み取ると、きっと当たっていると思います。
子どもを授かるかどうかは微妙です。
化権があっても、自化科がマイナスしています。
さらに、化忌があるため、厳しいかもしれません。
実際、授かりませんでした。もし、授かっていたら、人生が変わっていたことでしょう。
向心力のため絶対とは言い切れませんが、親のことで苦労する象意は見て取れます。
↑Dがそれです。
官禄宮に主星がなく、仕事よりも奥さんという気持ちだったのでしょう。そう考えると気の毒です。
親のことですが、大学3年次から体調が良くなかった感じがします。
自覚症状がなく、親自身も気がつかなかったのか、あるいは本人に知らせなかったのか。
紫微斗数で見ても、22歳からの10年間は、親の運(父母宮)と精神運(福徳宮)は問題が起こりやすい時期だとわかります。
何はともあれ、家族のことで悩む時期は過ぎ去りました。
今後の彼には、自分の人生をエンジョイしてもらいたいと願っています。

スポンサーリンク
![]()
★過去記事もどうぞよろしく!
ポチッと応援していただけるとハッピーです!
