人は誰でも「オギャー」と産まれた瞬間に、例えて言えば一隻の船に乗って港の海面に降り立つようなものです。
そして、 人生の終点を目指して、大海原に向かってゆっくりと漕ぎ出します。
人生最初の不幸は、尊敬できない親を持つことだと言われます。
港に浮かんだ時から、
- 親の愛情が足りないとか、 親が自分の助けになってくれない
というのは、 その後の航海において大きなハンディになることは言うまでもありません。
しかし、 その不幸を乗り越えて人生の成功者となる人も少なくないようです。
今回の記事では、人を一隻の船に例えて人生について書いてみたいと思います。
【四柱推命学】自分は船長、才能素質は船体
生まれた時から、
立派な船に乗っている人
残念ながら貧弱な船に乗っている人
などなど、生まれた瞬間からその様子はいろいろです。
こればっかりは「宿命」ですから、個人の努力ではどうにもできません。
- お金持ちの家に生まれた人
- 親の愛情たっぷりに生まれた人
- 生活するのもやっとの家に生まれた人
- 親が愛情を注いでくれない家庭に生まれた人
- 教育熱心な家に生まれた人、そうでない人
- 丈夫な体に生まれた人
- 生まれた時から病弱な人
このように、生まれた瞬間から自分が操縦する船の状態と環境はすでに決められているわけです。
考えてみれば、不思議ですし、不公平に思えますが仕方がありません。
そもそも、 日本人であること。男性であり女性であること。
これだって、生まれた瞬間から与えられた船ということになります。
その船を、大きく立派なものにしていくか、あるいはどんどん貧弱なものにしていくかは、その人の生き方と努力しだいです。
そして、そこに「運」も関わってくるのは、否定できない事実と私は思います。
その「運」というのが、四柱推命における「大運」と「歳運」に該当するもので、これを例えると航海中の天候や人との出会い、事故災難となるのでしょう。
【四柱推命学・才能の個性】船にもいろいろある
個性を船に例えてみます。
- 大きな船もあれば小さな船もあります。
- スピードが出る船もあれば、ゆっくり進む船もあります。
- 馬力がある船もあれば、パワフルでない船もあります。
このように持って生まれた才能や特質があると思います。
大きくてゆっくりサイズの船が、頑張って要領よく生きようとしても無理があるわけです。
堂々とゆったり成長して、生きていけば良いわけです。
- 多少の嵐でもビクともしない船もあれば、少しの風雨でも転覆しそうになる船もあります。
- 旅客船もあれば貨物船もあります。場合によっては、 戦艦や空母もあるでしょう。 これは適性適職など才能のことです。
自分はどんな船なのかをあらかじめ知っておくことは、決して損ではないはずです。
- 旅客船になれば、人気が出てお客さんがいっぱい乗ってくれるのに、勘違いして貨物船となって失敗したり、
- 貨物船として活躍するべきなのに、旅客船を目指して失敗に終わったり、
- 戦艦タイプでないのに、勝負の世界に足を踏み入れてそれを職業にしてしまったり、
- ボディの弱さを自覚しないで、氷山に突き進んだり、
- 頑丈で強い船なのに、才能に気づかないままビクビクした人生を送ったり、
このように、自分が乗る船の特性を把握し理解しておかないと、最悪の場合は転覆したり座礁したりという結果を招くことだってあるわけです。
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【四柱推命学・性格の個性】いろんな船長がいる
航海は船だけではできません。
進路を決定し、操縦を指示する船長の存在が不可欠です。
- 船をその人の才能とすれば、
- 船長はそれを操縦する気力や意志、意欲、判断力など自分が持つ目に見えないもの
に例えることができます。
すなわち 、自分自身が持つ才能を使いこなすのが船長の役割です。
使いこなすにあたっては、自分が乗っている船の特性を理解しなければなりません。
また、行き先を洞察して、進路を判断し決断するのも船長の役割です。
自分の船が、 どの程度の悪天候なら耐えられるか、耐えられないか。
どの方向に進めば、存分に才能が発揮できるか。
進みゆく目標は、フランスなのかイギリスなのか、はたまたインドなのか国内旅行で終わらせるのか。
遠くに行くには、 それ相応の船の性能が必要ですし、それを指揮する船長の強い気力と精神力も必須になってきます。
自分の意志の弱さでは、ヨーロッパまで行くのは到底おぼつかないからマレーシアに到着するのを人生の最終目標にしよう、と考えるのもありだと思います。
遠くに行く、つまり大きな成功を手にするには、船の頑丈さも不可欠だし、船長の心の強さも重要な要素だからです。
自分の船長としても気持ちの強さと、自分が操縦する船の強さ、これらを知ることが、「身の丈を知る」ということではないでしょうか。
もう少し具体的に書きます。
船長の精神力が弱いと、多少の悪天候でも不安になり、
- 進路変更をする
- 目的地までを変えてしまう
- 場合によっては引き返してしまう
などのことが起こりえます。
船自体は並大抵の嵐ではビクともしない立派な才能とパワーを持っているのに、船長に精神パワーがないため、せっかくの立派な船が宝の持ち腐れになってしまうわけです。
これは自分の船すなわち自分の才能と展開を知らないことによる悲劇といえます。
船長は自分の船の性質を知り、なおかつ自分自身のことも熟知しておく必要があります。
それを知る最も簡単な方法が四柱推命です。
命式に、
- 体(船長の精神パワー)※船体ではない
- 用(才能、能力)
として現れます。
【四柱推命学】どんな人生(航海)にするか
自分の得意な分野、得意ではない分野、持って生まれた才能などを見極めるのは大事なことです 。
自分の船は、
- スピードはなくてもたくさん荷物を運べる船なのか
- 打たれ強い頑丈さが売り物なのか
- 回転力、つまり臨機応変さが得意分野なのか、または不器用なのか
- 他人からどのように見られがち、思われがちな船なのか
- 燃費は良いのか悪いのか
などをしっかり認識しておかないと、船が持っている才能を活かしきることはできません。
また、 船長自身に洞察力や判断力がない場合には、隣に副船長に座ってもらう必要があります。
独断専行にすぎる気質を持っている場合には、それにブレーキをかけてくれる上司や同僚などが必要不可欠でしょう。
世の中には、本当にさまざまな船長がいるわけです。
- 仲間が集まって助けてくれる人徳のある船長
- 孤立無援型の船長
- 仲間は必要ないという独立独歩型の船長
- いつのまにか隣に理想の奥さんが座ってくれる船長
- 航海中、隣にいる奥さんと喧嘩が絶えない船長
生まれ持って夫婦運が良好でない船長もいれば、夫婦運だけは抜群に良いという船長もいます。
夫婦運が良い船長は、奥さんが最高の副船長になってくれそうです。
- 友達や仲間との縁が、強い船長、良好ではない船長
- 高い旅費を払ってチップも渡してくれるお客運(財運)が強い船長
- 財運が弱く、燃料費も満足も払えない船長
- 仕事の依頼が入りやすい仕事運の強い船長
- 客がなかなか来ない、仕事運のない船長
仲間の援助が得られて何となく金回りのいい船長もいるでしょう。
あるいは、仕事運が良くお金を持っていても、 仲間が少ないとか、家族に恵まれない船長だっているはずです。
仲間との縁は強くても、夫婦との縁が良くない。夫婦との縁が良くても、子供には恵まれないなどという船長も少なくありません。
- しっかりした親がいて航海術を手取り足取り教えてもらえる船長
- 親が金持ちで、苦労なく立派な船を譲ってもらえる船長
- 生まれた時から家には小さな船しかなく、何も教えてもらえない船長
命式を見ると、だいたいわかります。
- 体が丈夫な船長もいれば、体は弱いが気力だけは強い船長
- 船はおんぼろでも気力は盛んな船長
- 豪華船を所有しているのに、 操縦する自信や精神力がなく、自ら小さな船に乗り換える船長
立派な船に乗っているのに、氷山に船をぶつけてしまい、沈没の憂き目を見る船長は判断を誤ったと言えなくもないわけです。
さて、そろそろクドくなりました。(とっくにクドいですね)
大事なことは、
- 船の行き先を決める船長としての精神力、勇気、洞察力、判断力
- 自分が乗る船の才能、適性、得意分野、不得意分野
少なくとも以上のことを知っておくことが大切と思います。
【四柱推命学・人生の予測】天候や出逢いを知る
航海にあたって欠かすことができないもう一つ大事な要素は、天候と潮の流れの予測です。
- この先3年間は強気に進んでも良いとか、慎重に過ごすべきとか、
- この1年は大荒れの天気で、おまけに海面には氷山がたくさん埋もれている
などを、あらかじめ知っておくことも重要だと思います。
誰だって、バイオリズムだとか運だとかの存在は否定しないのですが、占いとなると「いかがわしいもの」と思う人が少なくないように思います。
確かに、いかがわしい人は少なくありません(^_^)。
でも本当に真摯に勉強した人は、驚くほどいい人だったり、謙虚だったり、誠実だったりします。
勉強するなら、そういう師匠を見つけて学ばなければなりません。
さて、悪天候の場合にも、自分自身の強さを念頭において、進むべきか待つべきか、あるいは不本意ながら下がるべきかなどを決断しなければなりません。
それは船長の役割です。
もともと命式がしっかりしている人、すなわち、船長も立派で、船も頑丈な人においては、多少の悪天候はものともしません。
天気が悪くても「ゴー!」です。
奇門遁甲などで悪い方に進んでも、大した悪影響は出ません。
多少運気が悪い時に、結婚しても事業を始めても大丈夫な人です。
もちろん平時よりもいくらかの苦労はありますが、乗り越えられるだけの強さを持っている人なわけです。
タイタニック号の例をあげると、諸事情があるにせよ、あの事件は船長の判断ミスと言えるわけです。
船(才能)は立派でも、 操縦を指揮する船長(精神力、判断力など)が良くない結果を招いたと言えるでしょう。
人生の航海も、船の頑丈さ、船長の判断力と合わせて、天候・潮の流れ(大運・歳運)を読み取ることが、よほど強運の人を除いては大切なのだろうなと思います。
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【四柱推命学】あとがき「人生は偉大なる航海」
ある程度の年齢になると、自分が生まれ持っている「分」を知っておかないと、豊かで満足できる人生にはなり難いと思います。
人間は、科学など目に見えることでは、目覚ましい発達を遂げてきました。
しかし一方で、 目に見えない内的分野においては、飛躍的な発達はなかったと言っても過言ではないと思います。
もちろん、精神医学や心理学など人間の内面に迫る学問の発展や進化はあるはずです。
それにしても、ストレス社会と呼ばれるように、 心の苦しみから解放される社会になるどころか、苦しむ人が年々増えているというのが実情です。
物質的には豊かになっているのに、精神的には鬱などで苦しむ人が増えている。
そういう昨今の流れを考えますと、やはりまだまだ人間の内的分野の研究は不十分と言わざるを得ないでしょう。
物質の進化進歩だけでは幸せになれないことが分かっている令和の今、内面を豊かさの実現に迫る学問が、もっと体系的に深みを持って進化を始めても良い時期ではないかと思います。
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