はっぴーをパワーあっぷするブログ

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【私の愚行録】タクシーと大相撲2「偶然が必然になるとき」

この事故は、私の人生にとって最大のピンチだったと言っても過言ではありません。

今は「人生、詰んだ」という言葉がありますが、なかなかセンスに富んだ表現です。

当時の私は、まさに「詰んだ」の心境でした。

それも、 自分の一瞬のミスが招いたことで。

あの時、あんなことしなければよかったのに…

頭の中に浮かんでいた言葉は、「しなければよかったのに」ばかりでした。

「しなければ…」「のに…」

こんな貴重な?体験をしておきながら、その後自分の教訓にしてこなかった反省をこめて続きを書きます。

6月に書いた『【私の愚行録】痛恨の大失敗「タクシーと大相撲、そして完敗」』の続きです。

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救急車で大学病院へ、そして帰宅

救急車で搬送されたのは大学病院でした。

内科のお医者さんの診察を受けました。

なぜ内科だったのか、理由は知りません。

診察内容は、今の時代では考えられないほど雑でした。

医者は明らかに不機嫌でした。

メガネをかけた痩せ型の中年だったのは記憶にあります。

以下、できるだけ正確に再現します。
あくまでも記憶の範囲ですが。

医師「自覚症状は?」

私「全身が痛いです」

医師「他には?」

私「痛いだけです」

医師「それじゃ何でもない。もう帰りなさい」

私が元気に見えたのでしょう。

一方で、その粗雑な?診察から私も「深刻な怪我ではないんだ」と安心したのは事実です。

医師「こんな夜中にバイクに乗って遊び歩くんじゃない」

私「はい」

“もしかしたら試合に出られるかもしれない。でもスクーターはもうダメだろう“

体の痛みは全身にありました。 

“事故の衝撃と精神的なショックが痛みとして残っているからに違いない”

と考えました。

タクシーを呼んで下宿に帰りました。

 

異変に気づく「指先が痛い!手がしびれる」

痛みのため歩くのもキツかったのですが、二人の下宿仲間の部屋をノックしました。

約束を果たせなかったお詫びが必要でした。

同時に交通事故の事実を誰かに聞いてもらいたかったのです。

私「ごめん、交通事故に遭っちゃった。モスバーガーは買えなかった」

動揺を隠しながら語る私の姿から、二人とも私が冗談を言っていると思ったようです。

下宿仲間「ずいぶん遅かったね。何してたの。もう寝るからモスバーガーちょうだい」

私「本当に事故にあったんだよ」

下宿仲間「嘘でしょ」

私「これ見てごらん」

ところどころ破れている衣服を示すと、

下宿仲間「あー、転んだんだ。大丈夫かい?」

私「本当にタクシーとぶつかったんだよ」

二人は全然信じてくれません。

私「外に行ってみな。俺のバイクないから」

それで信じてくれました。

そして一部始終を聞いて、やっと「大丈夫?」となりました。


下宿生「医者は何でもないって言ったんでしょ?でもショックが残っているよね?」

そうだな早く休んだ方がいい、そう思った私は布団をつかみました。

その瞬間です。

指先に無数の針が刺さるような痛みが走りました。

痛い

布団をつかむことができません。

何かに触れるだけで指先に激痛が走るのでした。


医学的知識がない私が考えたこと。それは、次のような支離滅裂なことでした。

道路に叩きつけられた時、無意識に受身を取り、その際アスファルトを手のひらで強く叩いた。

その時、道路上にある無数のガラス破片か何かが手のひらに突き刺さった。

その痛みとしか考えられない。

だとすれば、突き刺さっている細かい破片を取り除けばいい。

それで痛みが取れてくれれば…。

本気でそう考えました。

確かに手には汚れと無数のすり傷がありました。

水飲み場に行き、水道の蛇口をひねりました。

そして、流れ落ちる水に手を差し込んだ瞬間です。

激痛を超える強烈な痛みが指先から手のひらに走りました。

その時初めて、ただ事ではないことを予感しました。

しかし、それを認めたくない自分がいました。

洗い流すことは諦めました。


今日はもう打つ手がない。

休んで、心と体の興奮が収まったら痛みが取れるだろう。

そうであってほしい。

手に何も触れないように気をつけながら、体を布団の中に滑り込ませました。

交通事故は、こんなに心と体を興奮させるものなんだ…。時間が経てば治るさ。

そう自分に言い聞かせました。しかし、一睡もできませんでした。


朝になりました。

下宿のおばさんに夜の出来事を簡単に報告しました。

このおばさんは、とても不思議な行動をするのですが、ここでは割愛します。

本当は良い人なのですが、人生でいろいろな苦労を味わい心に傷を負っていたようです。

時々、意味不明な行動に走るため、下宿生は皆困惑していました。

本題に戻ります。

おばさんは心配そうに、「まず食べて元気を付けなさい」と言いました。

しかし、箸を持とうとした瞬間、思わず「痛い!」と声が出ました。

おばさんは、「え?」とさらに心配顔になりました。

箸をちょっとつかむだけで手先に激痛が走るのでした。

触れるだけでものすごく痛いのです。

箸で食べるのは無理だと悟りました。

おばさんにお願いしてスプーンをもらいました。

しかし、スプーンでさえ持つのがやっとでした。

スプーンのイラスト

スプーンすら満足につかめないことに衝撃を受けた


箸にはない鉄の感触が、指先に冷たく突き刺さってくるような感じがしました。

「これは本当にただ事じゃない…」

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再び大学病院へ、そして緊急入院「握力6㎏」

異常を確信した私は、食事をやめて医学部の先輩に電話しました。

一部始終を話し、身体の状態を伝えました。

「試合に出るところじゃないな。俺から主将に伝えておく」

そして、大学病院に勤務している大先輩に診察をお願いしてやると言ってくれました。

折り返し電話が来て、診察時刻を伝えてくれました。

夕刻近くになって、私は大学病院にタクシーで向かいました。

先輩は、エレベーターの前で待ってくれていました。

大先輩も私の直接の先輩です。何度かお話ししたことがあります。

「どうしたんだ」

最初は笑顔で迎えてくれました。

しかし、手が痛くてしびれることを伝えると、顔色がさっと変わるのがわかりました。

「それは頸だ。簡単じゃない」

エレベーターに同乗している医師に、「あんたの専門だ。俺の後輩だからよろしく頼む」と言ってくださいました。

大先輩の専門は膝だからです。

その後、いくつか検査を受けました。レントゲンとCTは記憶にあります。

何かを見て、「ここだな」とお医者さん同士で話していました。

緊急入院

病室に通されベッドで横になるよう指示されました。

そして、顎に布を当てられ、布は細いロープに繋がり、その先には滑車がありました。

細いロープは滑車を経由して、重りをぶらさげていました。

つまり、頸の牽引です。

重力を利用して頸を継続的に引っ張る治療に入ったわけです。

  • 寝返り禁止
  • 食事とトイレの時だけ牽引を外しても良い
  • その時には必ずカラーを装着する

頸のカラー

起き上がるときには必ずカラーを装着してもらった

握力を計測しました。

右がなんと6㎏しかありませんでした。

左の数値は12kg。我ながら自分の記憶力に驚きます。きっと若かったからですね。

とにかく、 自分の身体に重大なことが起こっていることを受け入れざるを得ませんでした。

間もなく、若い先生が来ました。

「頸が専門の〇〇です」と自己紹介がありました。

先ほどエレベーターに同乗していた先生の部下の先生かな?と思いました。

とても気さくで話しやすい大柄な先生でした。ラグビーをしていると言っていました。

私を暗い気分にさせたくなかったのでしょう。

先生「辛いだろうけど3週間この体勢で我慢してね」

不安で仕方がない私は質問しました。

私「3週間が経てば治るんですね?」

治ると言ってほしい“祈るような気持ちで尋ねました。

先生「わからない。でもやってみよう

私「治らないこともあるんですか?」

先生「正直に言えばある。まず3週間はこの治療で様子を見ようね」

かなり不安になった私は質問を続けました。

私「3週間経って治らなかったらどうなりますか?」

先生「手術するよ

“あー、手術か…。それで治るなら…“

次の問答が衝撃的でした。

私「手術をしたら治るのですね?」

先生「わからない

キッパリと答えました。

衝撃が大きな音を立てて私の脳内に響きました。

あの時のほんの一瞬の判断ミスのために、人生が変わってしまう…。

頸のイラスト

神経が強い圧迫を受けていると説明を受けた


中心性頸髄損傷」と言われました。

先生「ショックなのはよくわかるよ。でもね、君はまだ運が良かった。あと数ミリずれていたらおそらく半身不随になっていたよ」

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偶然か必然か、自問自答を繰り返す

偶然と偶然とが重なると誰にでも災難は起こり得る

いや、お前(私自身)の事故は偶然でなく必然だろ

だって自分が招いたんだから

でも、精神的不安がなければあんな判断ミスはしなかったはず

いや、それも自分の責任だろ

自分でまいた種は自分で整理するしかないだろ?

あの時、あの時間に出掛けていなければ…

それも急な思いつきで…

そして、とっさにUターンなんかしなければ…

ちゃんと後方を確認していれば…

後ろにタクシーが走っていなかったら…


その夜から、手が回復しなかったら、足でできる仕事をするしかないのだと考えるようになりました。

足でできる仕事…、ミシン?いや無理。

そういう専門学校はある?

大学を中退して違う道に進むか?

せっかく苦労して入学したのに…。

そんなことばかりを考え悩んでいました。

あー、なんてバカなことをしてしまったんだろう…。


頭の中で同じことばかりを考えていました。

3週間が経てば治るかもしれない。今はそれを信じるしかない…。


この人の「九死に一生」はスゴいです。

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