奇門遁甲を使う占い師から「『死門にだけは行かないでください』と言われたが、そんなに危ないのですか?」と質問を受けることがあります。
結論!恐怖心を煽るような占い師とは関わらない方がよい
傷門、驚門、杜門…。凶を示す方位は確かにありますが…。
不吉そうな名称なのは確かです。
しかし、奇門遁甲が伝承された時代と現代とを同一視してはいけません。
例えば1000年前と現代とを比較すると
旅をすること自体が危険だった時代です。
そういう時代と現代を区別して考えないとバカバカしい話になるでしょう。
たとえば、
人食い虎や熊、毒蛇に襲われる可能性
- 昔 :大いにあった
- 現代:普通の旅行では極めて低い
疫病が流行する村に知らずに入る可能性
- 昔 :情報も不足していたしあり得た
- 現代:極めて低い
※コロナにかかる可能性うんぬんまで方位と絡めて騒ぐのでしょうか(^_^)。
山賊・盗賊に襲われる可能性
- 昔 :お金や食料を盗まれたり、衣服を剥ぎ取られる可能性もあった
- 現代:通り魔やスリに遭う可能性は否定できないが可能性は低い
旅先で病に倒れる可能性
これは現代でもあり得ますが、次のような違いがあります。
- 昔 :医療機関もなく命を落とすリスクも十分あった。歩けなくなったら、置いて行かれることもあった。
- 現代:救急車があるし、医療機関も充実している。怪我をしても運んでもらえる。
道に迷う可能性
- 昔 :地図があっても精密性に欠けていたので大いにあった
- 現代:地図、スマホアプリ、警察…。登山でもしない限りほとんどない。
台風などに見舞われ命を落とす可能性
- 昔 :天気予報がなかったし、避難場所もない。家も吹き飛ばされた。
- 現代:天気予報もあるし、鉄筋コンクリート作りの頑丈な避難場所もたくさんある。
川が氾濫する可能性
- 昔 :河岸整備が不十分なため大いにあった
- 現代:非常に低い
橋が決壊して長らく帰宅できない可能性
- 昔 :大いにあった
- 現代:極めて低い
旅先で死んで家に戻れない可能性
- 昔 :かなりあった(旅は死の覚悟を背負っていた。唐の大詩人、杜甫もそうだった。)
- 現代:あっても確率は極めて低い
おかしな食べ物を口にする可能性
- 昔 :保存状態も悪く、清潔な設備も少なく可能性は高かった
- 現代:極めて低い
やむなく野宿せざるを得ない可能性
- 昔 :道が悪く人里にたどり着けなければ野宿するしかなかった
- 現代:極めて低い
崖崩れなどで道が塞がれる可能性
- 昔 :十分にあった
- 現代:ありえますが、可能性は…
キリがないので、もうやめておきます。
要するに、今の時代の日本とは環境が大きく異なることがわかります。
昔は、前述のような危険性が隣り合わせだったから、凶方位を避けたのです。
避ける必要があったのです。
比較してみると、現代では起こりえない危険がたくさん転がっていたからです。
それを考えることなく、
「死門の方位には行くと危険です!」
「死門の方位に転居すると家族が不幸になります!」
などと平気でいう占い師がいることに驚きます。
上に書いた不運が起きる可能性が今の時代にどれほどあるでしょうか?
1000年前、いえ500年前なら決して低くはなかったはずです。
それを現代と混同して「危険です!」と騒ぐことに何の意図があるのでしょう?
- 自分の占術の宣伝のため?
- 本気で時代錯誤をしている?
どちらかでしょうね。
自分の行き先が凶方位とわかっていたら、私も良い気持ちはしませんが、用事があるなら迷わず行きます!
そんなことで、いちいち遠回りをしたり、予定を変更したり、現代人は暇ではありません。
電話がなかった時代よりも皮肉なことに忙しくてストレスが溜まりやすいのです。
時間はお金より貴重
と私は思うからです。
凶方位に行った人はみんな不幸になっている?
それに、死門の方位だと知らずに旅行に行った人など相当な数になるはずです。
その人たちが、
事故に遭いましたか?
病気になりましたか?
不幸になりましたか?
と聞きたいわけです。
そんなバカなことがあるはずないです。
同様に、知らずに死門の方位に引っ越した人もたくさんいるはずです。
その人たちが、
一家離散しましたか?
一家崩壊しましたか?
もれなく不幸になりましたか?
と聞きたいわけです。
「いますよ!こういう例もあります」
と答えるのかも知れません。
では、それって全員?不幸になった人の確率は?データはあるの?証明できますか?
と尋ねたくなります。
凶方位に行ってしまったら、
気にしない!
これが一番です。
気にしすぎることが一番の毒です。
方位は必要以上に怖がる必要はないというのが私の結論です。
運気をアップするための活用方法に過ぎないと思っています。
持って生まれた運命と方位、影響力を比較すると
四柱推命の命式と奇門遁甲と比べるのはどうかと思いますが、影響力を比較するなら、圧倒的に持って生まれた運命でしょう。
もし、「総理大臣になりたい!」と本気で思う人がいて、青竜返首の方位を取りまくったとしても、総理大臣にはなれません。
でも、四柱命式が成格している人なら、総理大臣まで行くかどうかはわかりませんが、方位など使わなくても相当確かな人生を歩むはずです。
方位に固執しすぎたり、怖がってマイナスなことを考え悩む時間があるなら、運気をより良くすることに重点を置いて方位を使用するべきです。
いたずらに不安を感じる必要なんてありません。
やたら怖がるのは、アメリカの9.11みたいな空爆に遭遇する可能性を危惧して騒いでいるようなものです。
どんな旅だって、危険は付きまといます。
吉方位に行っても、危険がゼロになることはありません。
当たり前の話です。
恐怖心を煽ったその先に…、
「鑑定を受けましょう」がワンセットになっていませんか?
私は占いを勉強しているし、大好きですし、信じています。
ですが、現実味がないことを大袈裟に騒いだり、やたらに不安を煽るような占い師は好きではないです。
もちろん、信用もしません。
その占術が生まれた時代背景や現実も考慮に入れないと、占い自体が信頼性を失うことになるでしょう。
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この本、素晴らしいです。
占いに必要なエキスがギッシリ詰まっています。
筆者さん、スゴいですね。
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