去年、知人から「この人、良い人か悪い人か教えてくれる？」
という相談を受けました。
私「なぜそんなこと聞くの？」
これには理由がありました
その人から、大きな投資を勧められているというのです。
人を騙す人かどうか、すなわち善人か悪人か教えて欲しいということでした。
今回は、その経緯について書いてみます。
【四柱推命】善人？それとも悪人？
「良い人？悪い人？」いきなり核心を突く質問でした。
上手くいけばゴッツい収益が見込める大きな投資案件を勧められたというのです。
私の知人に勧めてきた人はＡさん（もちろん仮称）。
私の知人は、知り合いからＡさんを紹介されたらしいです。
少しややこしいですね。
その辺りはあまり気にしないで読み進めてください。
そもそも「良い人か悪い人か」については、どこで線引きするか非常に難しいものがあります。
よく犯罪者の命式などがサイトなどで見られますが、命式だけで善人悪人を決めつけるのはいくらなんでも乱暴なことです。
なぜなら、世界中には同じ生年月日、同じ時間帯に生まれた人は相当な数いるからです。
では、それらの人が同じような重大犯罪を同じ時期に実行したのか？となると、それは違うはずです。
そんなことがまかり通ったなら、この世は漫画みたいなおかしな世界になるでしょう。
【四柱推命】「一線を越えられる人か」の判断
ただし、「いざという時、一線を越えることをする人か？」これについては命式に反映していると思います。
窮鼠猫を追い込むと言われますが、
- 追い込まれたら萎縮してしまう人
- 追い込まれたら逃げ出す人
- 追い込まれたら人のせいにする人
- 追い込まれたら最後まで戦い抜く人
- 追い込まれたら精神障害を起こす人
- 追い込まれてもストレスを感じない人
- 追い込まれると倍返ししたくなる人（半沢さん？）
などなど、世の中には様々な種類の人がいます。
いずれにせよ、善人か悪人かを命式だけで判断するのは傲慢なことだと思います。
ですから、この相談では、
投資を勧めてきた人が、
「追い込まれたら、たとえ悪事であっても一線越えて実行できる人」
かどうかに焦点を当てることで鑑定による判断が可能と考えました。
そしてもう一つ、
その人自身の、投資運と財運をみれば良いのです。
整理すると、投資の案件を持ってきた人（Ａさんにします）は、
- 一線を越えたら悪事に手を染めることができる人か？
- 今後の「投資運」と「財運」の是非は？
に注目することで、その投資案件はゴーか否か？がわかるということです。
以上の２点を確認すればおそらく十分です。
万一、それでも判然としない場合は、「易を立てれば良い」と答えました。
この人の命式です。
生年月日は伏せさせていただきます。
【四柱推命】日干が強い「偏官格」
命式として、幸福度は高い方でしょう。
日干のエネルギーが強い「傷官格」。
なかなかエネルギッシュな命式です。
日干と年上の正財が干合しています。
聞くところによると、案の定、父親の仕事を事業の一分野として引き継ぐ予定になっているそうです。
Ａさんも個人で会社を経営し、売り上げはまずまず順調らしいです。
比肩との刑がありますから、名古屋に住む弟さんとの縁は薄そうです。
それはさておき、私は命式を見て「一線を越えられる人」と感じました。
直感に頼り過ぎる鑑定はよろしくないと日頃考えていますが、時には直感が先に来る場合があります。
そういう時は、直感が正しいかどうか、そこから先は理論的に検証していきます。
これは不思議なのですが、見た瞬間に直感が働くときは、それが的中することがほとんどです。
詳しい理由の言及は控えますが、この命式は、いざとなれば悪事もイケてしまう人です。
すなわち、「要注意」です。
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【紫微斗数】Ａさんの投資運の強さは？
投資の適性の可否は、紫微斗数命盤を見た方がハッキリします。
奴僕宮と子女宮のそれぞれに「生年化権」と「生年化禄」が入っています。
ここまでは合格です。
しかしながら、奴僕宮に自化Ｄがあり、ＡｰＤの必定も発生しています。
残念ながら、この人の投資運は危険です。
財帛宮に生年化科です。
お金に関心があっても、それほどの執着心に持続性はないでしょう。
おまけに、上図には見えませんがＣｰＣの必定もあります。
Ａさん本人が思うほど、お金が貯まる人ではないと判断しました。
ここまでで結論は出ていますが、念のためこの人の投資運と財運とを１０年運で調べてみました。
- 今後５年間の投資運 ⇒ 大凶
- その次の１０年間の投資運 ⇒ 中凶
- 今後５年間の財運 ⇒ 大凶
- その次の１０年間の財運 ⇒ 小凶
- 今後５年間の仕事運 ⇒ 中吉
- その次の１０年間の仕事運 ⇒ 中凶
最終結論が出ました。
「やめておきましょう」
そして「もし俺がＡさんと親しければ、こう言いますよ」と。
- 投資の才能があっても運的に発揮できない
- 今は仕事の運が良いから、本業に注力するべき
- 投資信託など安全性の高いものについては問題ない
- リスクの大きい案件はやめておいた方が良い
- ５、６年後には、仕事運も下がるので今のうちに預貯金をしておいた方がいい
ということで、易を立てる必要性はありませんでした。
知人は、Ａさんに騙されているかどうか気になっていたようです。
そのため、「善人か？悪人か？」という漠然とした疑問が頭に浮かんできたようです。
しかし、今回は漠然とした抽象的判断よりも、Ａさんの投資運と金銭運を調べたほうが具体的判断として役立ちました。
結局、知人はこの案件には乗りませんでした。
【善人か？悪人か？】『人造人間キカイダー』を思い出した
「正義と悪との青と赤」
古い特撮ですが、人造人間キカイダーは良心回路により悩み深い人生？で苦しみました。
それはさておき、人の心は天秤のように、右に傾いたり左に傾いたりするものだと私は思っています。
時に良い心に傾いたり、場合によっては悪い心に傾いたりするのではないかと。
「人の不幸は蜜の味」みたいに。
また、もし家族の命を守るために泥棒を働いたなら、社会的には悪人ですが、家族の目にはかけがえのない優しいお父さんとして映るかもしれません。
善と悪を論じるのは大変難しいことですね。
良い記事を見つけました。
【四柱推命】Ａさんの性格鑑定
要領よく臨機応変に対応できるように見えそうな人ですが、
- 神経質かつ気難しく、あまり素直な人ではありません。
- 自信家の自分でやりたい派で、人から指図される人生は御免被りたい人ですね。そのため、失敗または孤立する傾向がありそうです。
- 若い頃から独立して会社を立ち上げたのも宜（むべ）なるかなと思います。
- 先のことを考え過ぎて、気苦労するわりには見栄っ張りで大きなことを口にしそうな人ですね。
- オカネへの執着は強そうです。
- あまり器用ではないので（本人は自覚していないかも）一つのことをやり抜く方が成功します。あちこち手を出さないことです。
- 根気に欠けやすいため、独立起業にはやや不向き。技術などの才能を活かして勤務者となったほうが安泰な人に見えます。
【参考】三命方象先生の『個性学入門』から
三命方象先生の『個性学入門 ～生まれ日による個性と相性』から抜粋します。
＊三命方象（増永篤彦）先生
京都大学・大学院で心理学を専攻。臨床的性格学の研究をして、早稲田大学で教鞭を取った。
四柱推命を学ぶ人で知らない人はいない有名人。
主に十二運に着目して個性を分析した。
※あくまでも参考です。私の鑑定ではありません。
【丙寅日】生まれの個性と適性【男性】
◇個性
- 几帳面でつねに社交的態度を崩さない男性。表面はつとめて磊落さを装っているものの、神経質で緊張過度の傾向が隠せず、ゆったりした落ち着きとか、恬淡（てんたん）とした趣きは感じられない。
- 反面いつまでもひそかに若々しい情熱と野望を燃やし続けている青年的気質の持ち主である。
- 直情径行の行動性と機敏な駆け引きを本領として、自分の理想の実現にまい進する型である。
- 人に対する警戒心や気遣いのわりにはカンに乏しく、行動のバランスを欠く。先手を取りすぎてムダ骨に終わる行動も多いが、先頭に立って自ら実践する努力家である。
◇仕事への適性
- 権威にあこがれ、秩序を重んじる封建的感性が強い性格。
- 大組織に生きることも不可能ではないが、清濁併せ呑む度量や含みに乏しいので、むしろ特殊な技術や才能に基礎をおいた専門職が向いている。律儀で几帳面で一徹な頑なさが特徴。
- 合理的に物事を割り切りすぎるので、作戦参謀型の仕事はできても、義理人情的に人を統率する立場は苦手。哲学性はないが芸術的感覚は強い。
◇職場の人間関係
- 上には腰低く、下には権威的に臨むタイプだが、紳士風で礼儀正しく、几帳面で処世に巧みな面もある。
- 腹をわって自分の心底を見せない性格。小派閥の親分型。
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【あとがき】投資の誘い「善人？悪人？」
いずれにせよ、話が良すぎる案件には簡単に乗らないことが大切ではないでしょうか。
知人からすると、「人生を変える大チャンス！かも…」と思ったようです。
だから、心の中では「Ａさんを信用したい」でも「不安だ」のシーソーゲームで揺れ動いていたようです。
そこで、たまらず私のところに連絡をくれたわけです。
本当は「信じていいよ！ゴーだよ」と言ってもらいたかったみたいです。
その気持ち、わからないでもありません。
案件の詳しい内容も聞きましたが、ここでは割愛させてください。
知人は、Ａさんと今でも連絡を取り合っているらしいです。
その案件ですか？どうやら暗礁に乗り上げているみたいです。
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