「自分のことは自分が一番知っている」と言いますが、「自分のことなのによくわからない」が現実だと思います。
自分の本質を知るには四柱推命が便利で役立ちます。
- 人間の本質=月支通変星7割、日支通変星3割
通変星「劫財」について書きました。
【劫財の意味】
- 劫財は、自分と同じ因子ですが、陰陽が異なる(甲なら乙、辛なら庚)因子のため、自分の心理の裏を表します。そのため、ふだんは表に出ない煩悩や欲望が強い通変星で、冒険を好み、山っ気があります。実際、劫財が強い人は投機的でギャンブル好きな人が多いようです。また、二重人格的な要素もあります。
- 命式に劫財があれば、自分自身の精神気力が強まり強気になります。
- 比肩や劫財が3個以上あると、精神気力が過剰になり、協調性を欠きやすく、独断的で勝気になります。自己中心的で傲慢不遜になりやすく、物事に支障が生じやすくなります。
- 比肩の兄弟星であることから、義理の兄弟姉妹、身内近親者、同業者、友達、仲間などと解釈します。
【劫財】本質的性格と人生傾向
劫財は日干の陰(裏)に該当します。そのため、表と裏(本質)の両方を併せ持つ二重人格的要素が出やすいです。
【劫財】自我の星、意地と頑張りの星
- 劫財は、表裏の裏に相当し、普通は抑えられている欲望・衝動などを中心に形成されている自我である
- 異なる陰陽の結びつきは、同じ陰陽より強固で、エネルギーのやり取りも強烈となる。つまり、劫財は比肩より強いエネルギーを日主に流す
- 裏の自我は、世間と協調することより、自分を貫くことが第一目的となるため、強引高慢・自己顕示欲・排他性が強まり、また、怨念が強まる傾向がある
- 劫財は、財を奪いにいく神であり、欲望に弱く、また、株やギャンブル、相場、 きわもの的な勝負や商売などに魅かれやすく刹那性の強い気質となる
- 自己本意で気性が激しく、剛毅果断で闘争精神が旺盛であるが、物事を最後までやり抜く根性がある
- 外見は従順に見えても、内心は自我を通そうとする複雑な性格を構成している
- 見栄と虚勢を張りやすい
【劫財/年干支】社会運
【運 勢】
- 友人や身内の世話に苦労し、神経をすり減らすなど気苦労の多い人生で、常に波乱を含んでいる
- アクが強いため、世間からの非難には十分注意する必要がある
【性 格】
- 好き嫌いをハッキリ言うなど、相手の気持ちを考えず言いたいことを言う
- 年柱の劫財は試練が多く、結婚運にマイナスが生じやすい(女性の場合)
【年支と日支または月支が、刑冲害する命式】
- 人に嫌われたり迫害されるなどの悪い作用を受ける
- 社交性がなく、外出を好まなくなる
【年支と日支または月支が、三合半会・支合する命式】
- 好き嫌いをハッキリ言うが、憎めない人として好かれる
- 社交性があって外出を好む人が多い
【年支が三合半会・支合するが、刑冲害する命式】
- 嫌われることはないが、自分が不利になると人格や態度が豹変することがある
【劫財/月干支】社会的成功運と対人関係
- 同士的結合を好み、ワンマンを発揮する
- 身内以外の人間に対しては身構えることが多い
- 付和雷同することなく信念を貫くのが長所
- 強烈な自我の持ち主で、ゼロから何かを興す力があり、起業家としての素質は多いにある
- クセはあるが人気運もある
- カッとなると見境がなくなる。自分を高みに置いて男を見下す。夫が出世すると自分も一緒になって威張りたがる。(女性の場合)
【劫財のタイプ】性格と傾向
- 独特な個性の持ち主
- 意地と根性がある(比肩より強い)
- プライドが高い(表向きは見せない人も)
- 反骨精神が旺盛でライバル意識も強い
- 表面上は温厚で穏やか(本質は強引で気が強い)
- 淡泊(本質はしつこくて粘っこい)
- 注目を独り占めしたい(目立ちたがり屋)
- 外では周囲に気を使う(本質は自分本位で自我を押し通す)
- 一風変わった考えを持っている
- 内心のコダワリが強い⇒好きなことにはコツコツ努力できる
- 欲が深く、損得勘定が働く(表向きは淡泊)
- 世情に疎い(検討の余地あり)
- 関心があることにシャシャリ出る
- 表面は従順、親切⇒人付き合いがよく、「面白い人」という印象
- 人の言葉に耳を貸さない(聞くふりはする)⇒話の飲み込みが悪い
- 言いにくいことをズバッと言う(いざという時)
- 時としてクソ度胸を発揮する
- 本気で怒ると執拗に攻撃する
- 表向きは社交的で環境適応能力が高い(本質それほどでもない)
【劫財の傾向】仕事・職業
- 組織で働くより、一匹狼的な仕事が向く
- 独立起業願望が強い
- 自分のペースに引き込むのが上手⇒交渉力を活かした仕事に向く
- 表向き融通性がある
- 営業はOK
- 経理や庶務などの事務仕事は不得手
- 金融関係の職業には不向き
- 技術職など専門家的な仕事はよい
- 強い信念と行動力で大成功の人生を送る人も少なくない
【劫財の傾向】お金・財産
- 金銭への欲望は強い
- 煩悩が強く、金銭に執着する
・投資や投機、ギャンブルなど勝負の世界にコダワル - 表向きは気前よく散財する
- 劫財を持つ人には浪費家が多い
- ギャンブルなどに興味を持つ
※「劫」には、「おびやかす。おどす。かすめる」の意味があり、「劫奪」「劫盗」などの熟語があります。このことから、「劫財が強い人は泥棒や窃盗をする人」と考えるのは言い過ぎで誤った見解です。
【劫財の傾向】結婚と恋愛
- 結婚を人生の損得で考える傾向がある
- 特に男性は、女性の愛情に鈍感な人が多く、愛情表現も苦手
- 結婚に対して、クールで割り切った考え方をしがち
- 自分の理解を超えた性格の女性にゾッコンになることも
- 女性は、男らしい男性を好きになる傾向がある
- 一生懸命尽くしても、裏切られたり、三角関係になるなど苦労が多い
- 「比肩・劫財太過は寡婦の命」⇒一人の男性で満足しない女性も
【好みの女性】男性の命式で日支が劫財
- 芯が強い女性を好む
- 自分と似たような性格の女性を好む
- 本質は意地っ張りで、したたかさを秘めた女性を好む
【好みの男性】女性の命式で日支が劫財
- 自分と同じような考え方の男性を好む
- 浪費傾向があるとか、ギャンブルに手を出すとか、遊び好きの男性に縁が厚い
- 強い野心家の男性と縁がある
- 外面がよく、家では気むずかしい男性と縁がある
※女性の命式で、比肩や劫財が強すぎる人は、8歳以上年上か、5歳以上年下の男性と結婚する平穏が保たれやすいと言われます。
☆四柱推命の基本を知りたい方はこちらをどうぞ
【四柱推命/通変星】劫財の機能
日干(自分)と同じ五行で、陰陽が異なるものを劫財といいます。
《例》日干が「甲」⇒劫財は「乙」
劫財=日干(自分)と同気異性の他干のこと
・同気:日干と同じ五行(木なら木)
・異性:男子(陽)なら女子(陰)、女子(陰)なら男子(陽)
ということで、劫財は異性の兄弟姉妹、異性の義兄弟姉妹を意味します。
これを拡大解釈して、劫財=身内・同僚となります。
命式内の劫財の状態によって、次の作用が生じます。
-
「陰」は「裏」を意味するので
⇒二重人格的性格になる(表と裏を併せ持つ性格)
《例》表の顔は協調的(社会生活上必要)
《例》表の顔は社交的(ホンネは今一つ)
⑴このように書くと、劫財は「計算高くて性格が悪い」と思われるかもしれません。計算高くて打算的なのは確かですが、「性格が悪い」は違います。誰でも本音と建て前を使い分けますが、その性質が強く出やすいと考えるとよいです。強さの問題であり、性格という「質」の問題ではありません。
⑵表と裏の自分があるため、自己矛盾から人知れぬ悩みを抱く人が多いです。
《例》表の顔は開放的で常に明るいが、心の中は深い悩みでもがいている
- 劫財は正財の七殺(正財を剋す)
・浪費家傾向、ギャンブルに関心 - 男性で劫財が悪く働く命式
・妻と生死別しやすい(正財を強く剋すため)
※正財=妻の因子 - 劫財は正財(金銭財貨を意味する因子)を強力に剋す
・金銭的に恵まれにくい
・兄弟や身内から厄介ごとを持ち込まれやすい - 劫財が多い命式
・身内思いで、他人(妻子や全くの他人)に厳しい人が多い
※「多い」と「強い」は別物です。劫財が1個で強い命式は良い働きをする場合があります。 - 比劫星太過か印星で劫財を強めた場合
・我が強く、身勝手になりやすい - 女性で劫財が悪く働く(正官を剋する)
・良妻にならず、夫(正官)を助けない - 男性で、劫財と偏財があって干合
・浮気心が旺盛 - 女性で、劫財と偏官があって干合
・浮気心が旺盛 - 年上に劫財がある人
・遺産を受け継いだり、家権相続をすることが少ない - 日支に劫財がある人
・配偶者は本人と似た性格で、より自我が強い傾向 - 食神格の命式に劫財がある人
・食神のエネルギーが増加し、概ね幸福度が高くなる。
・劫財が多すぎる場合は逆によくない - 傷官格の命式に劫財がある人
・名誉の失墜に拍車がかかってよくない - 同一命式内で正官と劫財が共にある人
・運命や運勢が乱れやすい - 印綬格にとって劫財は必須の通変星(大敵の財星を剋してくれる)
・親の庇護や目上の引き立てが期待できる - 年柱か月柱に出る劫財が空亡する
・兄弟との縁が薄い - 正財格に劫財があると格が破れる場合がありよくない
・ただし、食神か傷官があって通関の役目を果たすか、正官があって劫財をやっつけると吉命に変化 - 身弱の命式で日支に劫財がある
・配偶者から手厚い力が得られ、夫婦仲は良好 - 劫財と財星の強さが均衡する
・「富裕の命」として大吉の命式 - 劫財と偏官の強さが均衡する
・「身殺均等の命」として権威ある人格者に - 劫財があるのに日干のエネルギーが弱過ぎる命式
・運勢や運命が極端に悪い
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劫財が悪く働く場合(太過・不及)
四柱命式で太過・不及している場合は、劫財の長所が弱まり欠点が強化されます。
劫財が太過(強すぎる)
- プライドが無駄に高い
- 対人トラブルが発生しやすい
- 二重人格の傾向が相当強い
- 協調性に大きく欠ける
- 自己中心性が相当強い
- 損得勘定が強い
- 他人に嫌われやすい
- 金銭的に恵まれない
- 妻に苦労をかけ、離婚する人が多い
- 子どもの開運を妨げる
- 親の身辺に異変が起こりやすい
- 独立起業しても成功率が低い
- 論理的な思考が苦手(正財・正官と敵対するため)
- 利己的で、冷酷非情
劫財が不及(弱すぎる)
- 意志が弱く、決断力に欠ける
- プライドは高く、カッコだけはつけたがる
- 依存心が強く、自分で責任を負えない
- 愚痴と文句が多い
- 独立起業しても失敗する
- 勤務生活を送るのが賢明だが、出世はできない
劫財がよい働きをする場合
悪役扱いされやすい通変星ですが、よい働きもします。
次はその一例です。
- 日干(自分自身)のエネルギーが弱い時は、精神気力を高めてくれる
- 引っ込み思案で弱気な人に心のパワーを与えてくれる
- 意地と根性が備わり、成功への原動力になる
- 命式に正財や偏官が多数ある人を救ってくれる
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