五体満足で生まれた後も、ほんのささいなことが気になってしまうのが親の性というものです。
幼稚園に入る前後まで、息子が不器用なことをとても気にしていました。
2歳の頃だったと思います。いや3歳だったかもしれません。
玉ねぎの皮をむくお手伝いを息子に教えました。
最初から行くのではもちろんありません。
固い部分の皮を剥いた後に、柔らかいところだけ手でむいてもらう簡単なお手伝いでした。
上手にむけると、玉ねぎはツルツルになります。とてもスベスベして、美しく見えます。
そのことに目をつけた妻は、料理のたびに一個の玉ねぎの皮を息子にむいてもらうようになりました。
「〇〇くん、お手伝いお願いね」
息子は、一枚一枚を頑張って手でむき始めます。
「よくできたね! キレイな玉ねぎになったね。ママ本当に助かった。ありがとう」
というパターンを何度も繰り返していました。
息子も達成感でニコニコするし、手先のトレーニングになるし、お料理にもほんのちょっとだけ助かります。
まさに一石三鳥だったのです。
ところがある日、私が帰宅すると、妻は私を見るなり笑いながら言いました。
「とうとうバレちゃったよ!」
何のことかと聞いてみると、
妻「何回お願いしても、『玉ねぎイヤだ』と言うようになっちゃった」
私「機嫌が悪かっただけじゃないの?」
妻「ちがう、ちがう。玉ねぎを近づけるだけで『イヤだ』っていうの。涙が出ることに気がついたんだよ。きっと」
これは今思い出しても楽しい出来事でした。
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うれしそうにニコニコして皮を剥きながら、いつのまにか「なんだか変だぞ」と息子は気がついたのですね。
その夜、夫婦二人で爆笑したのは言うまでもありません。
その後、玉ねぎの皮むきのお手伝いをしてくれたという話を一度も聞いていません。
どうやら本当に「涙が出ちゃう」ことにうちの2歳児は気がついたようです。
でも、いいお手伝いですよ。
2、3歳児のお手伝いとしてぜひお勧めします。
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