はっぴーをパワーあっぷするブログ

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超個性派理容師から教わった「プロとしての心構えと生き方」

東京の民間企業に勤めていた当時、私は板橋区成増に住んでいました。

東京で初めて行った床屋さんは「〇〇理容院」というお店でした。

個性派で学ぶことが多い店主でした。

30年くらい前のことです。店主は、すでに60歳を過ぎていました。

ネットで調べてみても今はもうお店をやっていません。

お元気でいてくれたらいいのですが。

床屋

忘れられない床屋さんの思い出

 

 

【超個性派理容師の店】最初の入店

近所には3、4件の理容院がありました。

「どれにしようか」と迷いましたが、結局一番近くにある「〇〇理容院」を選びました。

古くてあまり大きくない店でしたので、特に何も期待せず店に入りました。

理容院

成増の住宅街にあった一軒の理容院

すると、愛想のない声で

「いらっしゃいませ」

と言ったのは、やや小柄で強面の店主でした。

私は、「店の選択を間違えた」と思いました。

客を歓迎する表情でも声でもなかったからです。

その時、客は私以外誰もいませんでした。

そのまま椅子に案内され、「どうしますか?」と聞かれました。

理容師イメージ

ホンモノは眼光鋭く、もっと迫力がありました

私、「普通に切ってください」。

髪に霧を吹きかける床屋さんの手が止まりました。

そういう客が一番困る

私は、「えっ?」といきなり面食らいました。

私、「いえ、普通に切ってもらって、だいたい似合えばいいです。そんなにこだわらないほうなので。」

床屋さん、「だからそういう客はますます困る」

続けて言います。

床屋さん、「あのね、食堂に入って『何でもいいから食べる』と言う客がいるかい?

『カツ丼でもラーメンでも何でもいい』なんて答える客がいるかい?

『こういう髪型にして、こうしてもらいたい』と言ってくれないと困る」

まだ続きます。

床屋さん、「こういう客に限って仕上がった後に文句を言うもんだ」

私、「いや、自分は絶対にそういう文句は言いませんから」

ますます「店の選択を間違えたな…」と後悔していました。

(それにしてもなんて無愛想な店だ。今日は仕方ないが次からは絶対に来ないぞ!)

床屋さん、「じゃあ、あなたはどう説明したら良いかわからないんだね?」

私、「はい。そういう説明をしたことがないもので。」

床屋さん、「それで切っちゃう店があるからダメなんだ」

そして、続きます。

床屋さん、「だったら前回床屋に行ったのはいつ?

1か月前だったらそう言っておくれ。

おそらくこの髪は 大体1か月前に切っただろう。違うかい?」

最後に仙台で散髪したのは、だいたいその1か月前のことでした。

気に入った店でした。八幡にあった「星理容所」。今もあるのかなぁ?


床屋さん、「じゃあ1か月前でいいね。

それなら今回は1か月前と寸分違わず同じ髪型にしてあげるから。

1か月前の髪型はイヤだったかい?」

私、「いえ、そんなことないです」

床屋さん、「じゃあ今回は1か月前の髪型を再現しよう。

1ミリぐらいは違うかもしれないけれど、見た目には寸分違わない髪型にするからそれでいいね?」

私、「はい、お願いします」

と、やっとのことでチョキチョキと散髪が始まりました。

(やっと切ってくれた…。なんて面倒くさいオヤジなんだ…)


床屋さんに入っていきなり説教を受けるなんて、後にも先にもそんな経験はありません。

出来上がりですか?本当に1か月前とほとんど違いなく仕上がっていました。

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店主が語るエピソード「人気のあるお店とは」

何度か通うと気を許してくれたのか、いろんな話をしてくれるようになりました 。

ある日、1人の常連さんの話をしてくれました。

なかなか面白かったのでそのエピソードを書きます。

床屋さんから聞いた話から、その場にいたように再現してみます。もちろん私はその場にいませんでしたが。


常連さん、「ごめんね。どうしても散髪しないといけない事情があって、一度浮気しちゃったよ」

床屋さん、「どこに行ったの?」

常連さん、「会社の近くにある店。すごく人気があると評判の〇〇っていう店」

床屋さん、「 その店の名前、聞いたことないけど、店主がどんな人かは想像がつくよ

常連さん、「え、どんな店主?」

床屋さん、「その店主、しゃべりが上手でしょ?愛想がいいでしょ?」

常連さん、「そうだよ」

床屋さん、「それから、髭剃り丁寧でしょ?」

常連さん、「正解だよ。何でわかるの?もしかして知り合いなの?」

床屋さん、「全然知らないよ。でも髪型を見たら分かるよ」

常連さん、「え?どうして?」

床屋さん、「まずポイントはその店は人気があること。

人気がある床屋の条件は、場所だけではダメ。

まず1つは、カットが上手なこと

2つ目は、髭剃りが丁寧なこと

そして3つ目は、話が上手なこと

この3つだよ。」

常連さん、「ということは?」

床屋さん、「お客さんの頭の形は、失礼ながら後頭部が少し出っ張っている。

そこの髪を厚くしてはダメなんだよ。

俺は毎回、そうならないようにカットしている。

ところが今日のお客さんは、後頭部の髪が厚く重なっている。

要するにその店はカットが下手

それでも人気があるということは、他の2つの条件ができているということ。

すなわち、髭剃りが丁寧。話題が豊富で話上手、ということになる」

常連さん、「へー、なるほど」(と、思ったと想像します)。

その話を聞いた私も「へー、なるほど」。


超個性派理容師さんは、私に何度か次のように言いました。

「俺の髭剃りは丁寧でない。むしろ雑だ。わかるだろ?

髭剃りなんてのは客が自分でもできるんだ。それに、すぐに伸びる。

だから、帰宅前に丁寧にやってもあまり意味がない。

そして俺はこの通り無愛想だ。それでも俺の店は繁盛している。

ということはわかるかい?一番大事なココ(腕)がいいからだよ

と言って、左手でハサミを持った自分の右手を軽く叩くのでした。

 

一見の客を追い払ったエピソード

ある日、私がカットしてもらっていた時です。

ドアが開きました。

五十歳以上とおぼしき男性が入って来ました。

男性、「カットいくら?」

床屋さん、「うちは3●●●円だよ。この坂の上に行くと安い店があるよ。値段が気になるならそっちに行きな

男性、「そうですか。どうも」

と去っていきました。

私、「あの人、行っちゃいましたね」

床屋さん、「いいんだよ。ああいう客の髪は切りたくない

そして、次のように言いました。

「うちは周りの店よりも300円だけ高い。

それは俺の腕の値段だ。たった300円だ。

でもそれが他の店とは違うという俺のプライドだ。」

「うちは、他の店よりも良い髪に仕上げるということだよ。

出来上がりよりも料金を気にする客の髪は切りたくない

坂の上にある店は、俺の店より安い。

ああいう客はそっちに行ったほうが満足するはず。

出来上がりの良さなんか分かるはずがない。」

「客も賢くならないとダメだ。

さっき、『どうしてこの店は高いのか?』と考えなかった。

賢い人なら考える。あの男は賢くない。

高いには高いなりの理由がある。

そのことに気づかないようでは髪型の価値もわからないだろう。

だから向こうの店を勧めたのさ。」

ハサミとクシ

職人は道具にもこだわるという…


「俺も若い頃は、40代までは、客に気に入られようと頑張っていた。

若いうちは、客にかわいがられるのは大事なことだ。

でも60歳になって、今はもう一財産築いた。

気に入らない客におべんちゃらを使うのはもう飽きた。

今は俺が客を選ぶことにしている。」

「あんた(私のこと)最初に俺の店に来た時、面食らっただろう?

あーやって俺の客になるかどうか見ていたんだよ。

どうだった出来上がりは?1か月前と寸分も変わらなかったろ?

それが本当の腕ってやつだ。」

「今はその頃と髪型違うだろ?

回数を重ねるごとに、この客にはこの髪型のほうがいい、と進化していくんだよ。

だから続けて来ない客の髪は切りたくない

回数を重ねるごとにますます良くなっていくんだよ。

本当の床屋はデザイナーでもあるんだから。」


たしかに、鑑定も回数を重ねるごとに、その人の運命がますます明確に見えてくる…。

 

私も一度他の店に浮気をした…エピソード

私、「 ごめんなさい。僕も一度浮気しちゃった。会社の近くにある店に入っちゃった」

「そういうこともあるさ」と笑ってくれるかと思った。

前に浮気をした常連さんの話を聞いていたから…。

しかし、私の場合、なぜか反応が違った。

いきなり手を止めて、

床屋さん、「そういう客はダメだ

説明が始まった。

「俺は、毎回あんた(私のこと)がますます良い髪型になるように継続的にカットしている。

そこで一度下手な店に行かれると、継続が止まってしまう。

俺もたくさんの客を切っている。

全ての客の髪型を記憶しているわけじゃない。

銀座あたりでカット1回1万円のような店だったら、写真や図を使って、長さなどを細かく記録しておくだろう。

しかし、残念ながら俺の店はそこまでのレベルではない。

だから俺は、客の髪を切りながら前の形を思い出し、寸分違わずカットした上で少しずつ改良を加えている。

よその店に行かれるとそれが一度ご破算になる。切りにくくなる。

何回も浮気するようならもう来なくていいから。」


20代半ばに満たなかった私は、ちょっぴり落ち込み、そして反省しました…。

 

超個性派理容師「その他の名言?」

「散髪は3週間に1度がベスト」

  • あんた散髪は1か月に一度のペースだろ?
  • 外見が大事な社会人としては本当はそれじゃダメなんだ
  • 3週間に1回がベストだ

素直な私は、その後、3週間に1度のペースで散髪に行くようになりました。

友だちに話すと、「おまえ、うまくカモにされてるんじゃない?」と言われましたが、私は「そんなことはない!」と言い返していました。

 

「俺より上手い奴はいくらでもいる」

  1. 特に銀座あたりに行くとスゴいプロはたくさんいる。元々、俺は不器用だ。転職したから床屋を始めたのも人より遅い
  2. そのため人一倍努力した。だから並よりずっと腕は良い。自分ではプロの中のプロだと思っている。
  3. だけど世の中には上には上が必ずいる。しかも、たくさんいる。それを忘れてはいけない。
  4. 俺の腕はこの辺りでは誰にも負けないと思っている。だから300円だけ値段を高く設定している。
  5. たった300円でも、 自分の仕事にプライドを持つことは大事なことだ。わかる客には、ちゃんと伝わる。
  6. あんたも中途半端な仕事をしてはいけない。
  7. 本当の自信が持てるようになるまで、精一杯努力しないといけないよ

このように、髪を切りながら、私に毎回いろいろなことを教えてくれました。

理容師さんの話を聞くことが散髪の楽しみになりました。

それもあって、3週間に1度、必ず散髪に行きました。

若い日に受けたアドバイスは、知らず知らず身につくものだなぁと感じます。

仕事に行き詰まりそうになったとき、理容師さんの言葉を思い出しては奮起したものです。

そういえば、私が四柱推命・紫微斗数などの勉強を始めたのは決して早くはありません。

「20代のうちから学んでおくべきだった」と、師匠に話したことがありますが、

早ければ良いというものではない。人生経験の土台が大切な分野だから

と言われました。


今は思います。

「若い日に占いに出会わなくて良かった」。

  • いろんなものが見えるため、失敗が少なくなり、そのぶん学ぶものが少なくなっていたかも…
  • 占いという色メガネを通して物事を見る習慣から、世間一般とは異なる感性を持ってしまったかも…
  • いろんな失敗と挫折を繰り返した自分だからこそ、見える世界があるはず…

失敗と挫折などの経験を活かしながら、本物のプロ意識を磨いていきたい…。

理容師さんのように…。

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若き日の私が超個性派理容師から教わったこと

  • 職人のプライド
  • プロとしての意識
  • 仕事に妥協してはいけない

そういえば、近くにポテトチップスで有名な湖池屋さんの工場がありました。

専務さんも常連として来店していました。

完全予約制の店だったので、一度寝起きに電話しました。

「すぐ来い」

私、「歯もまだ磨いてません。顔も洗ってません」

床屋さん、「歯だけ磨いて来い。顔なんか俺が洗ってやる」

私のことを気に入ってくれていたのだと思います。

最後まで愛想があるわけではなく、口も悪いおじさんでした。


そして私は転職し、北海道に帰ることになりました。

「元気で頑張りな」

「決めたからにはやり抜くんだぞ」

店の外に出て見送ってくれました。

奥さんは、たしか福島県出身の人でした。

さて、そのお店の名前は「飯塚理容院」です。

店の前には、「ミニストップ」がありました。

隣にはクリーニング店がありました。

 

 

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