心理学者の多湖輝先生。
ベストセラー『頭の体操』は有名です。
私も、名著『ホイホイ勉強術』を高校時代に読み、その後大いに参考にさせていただきました。
さて、今回は著書の紹介です。「歩くスピードが同じカップルは…」一体どうなるのでしょう?
「歩くスピードが同じ」カップルは、関係がうまくいっている
ということらしいです。以下に引用します。
親しいカップルの様子を観察してみると、男性が笑うと女性も笑い、 女性が頬づえをつくと男性も頬づえをつくというように、2人が同じしぐさをしています。
知らない間に、誰かとしゃべり方やしぐさが似てくることがあります。 これを「シンクロニー現象」といいます。
「単に、一緒にいる時間が長いから似てくるのでは?」と思っている人もいるようですが、嫌いな人とはいくら一緒にいてもシンクロニー現象は現れません。逆に、初対面でも意気投合して話がはずむと、表情やしぐさに現れます。
つまり、シンクロニー現象は親しい者同士の間でだけ発生するということ。もし、異性の同僚やクラスメイトが、あなたのしゃべり方やしぐさを真似ているような気がしたら、その人はあなたに好意を持っているか、あなたを尊敬していると考えていいでしょう。
さらにこの現象は、親しければ親しいほど頻繁に起こります。
相手の気持ちがわからないときは、デート中にパートナーと足の出し方が揃っているかどうか、歩くスピードが同じかどうかをチェックしてみましょう。もし同じなら、2人の関係はうまくいっている証拠ですから安心してください。 逆に、夫婦でも歩くスピードが大きく違っていたら、あまりうまくいっていないケースが考えられます。このままだと破局や離婚もあるかもしれません。 どこがいけないのか、何が不足しているのかを真剣に考えてみてください。
ところで、この現象には可逆性があることが知られています。わかりやすくいうと、わざと相手のしゃべり方やしぐさを真似ていると、親近感を持たれやすいのです。親しくなりたい異性がいたら、その人の真似をしてみましょう。きっと親しくなれるはずです。シンクロニー現象はしゃべり方やしぐさだけではなく、服装や趣味、食事の嗜好にまで現れますから、どうせ真似るならそこまで徹底してみましょう。
引用元『他人の心は「見た目」で9割わかる! ~必ず試したくなる心理学101~』 (だいわ文庫)
私も「上司の話し方が部下にうつる」という現象を周囲で何度か見たことがあります。
慕っている上司、目標にしている先輩のしぐさや口癖などを無意識にマネてしまうこと。これは確かにあると思います。
営業の新人さんが、課長の商品説明の内容だけでなくトークのアクセントまで似てくるなども少なくないように思います。
私が学んだカウンセリングテクニックのご紹介
多湖輝先生の本を読んで思い出したことを少しだけ書きます。
私自身が、かつてカウンセリングの技術として学んだことの一部です。
カウンセリングの場面でなくても、日常生活で人と打ち解けるために役立つと思います。
ちなみに紹介している私自身は、人に威張れるほど上達していません。ついつい話に夢中になり、技術のことをすっかり忘れてしまいます(^_^)。
ペーシング
自分と共通する点が多い人に安心感を持ったりしませんか?
共有する点が多いほど相手を理解しやすいからです。
- 話題や行動が合う⇒親しみやすさを感じる⇒会話が弾む⇒円滑なコミュニケーションが成立する
ペーシングのコツ
- 会話の中で共感できる部分を探す
- 相手の話す声の大きさに合わせる
- 相手の話すスピードにできるだけ合わせる
ミラーリング
「ミラー=鏡」です。
人は相手がまるで鏡のように反応してくれると安心するのです。
例えば、
- 自分が笑う⇒相手も笑う⇒安心する
- 自分が笑う⇒相手は笑わない⇒不安になる
もう一例、
- 自分が悲しむ⇒相手も悲しむ⇒安心する
- 自分が悲しむ⇒相手は笑う⇒不安になる
またまた一例、
- 自分が会社の不満をぶちまける⇒相手も同調する⇒安心する
- 自分が会社の不満をぶちまける⇒相手は冷静クール⇒不安になる
ミラーリングのコツ
- 相手の表情にできるだけ合わせる
- 身振り手振りも同じように動かす
- 姿勢もなるべく同じにする(前に乗り出したら一緒に乗り出すなど)
リーディング
上手にリードしながら相手の話を導いていくこと。つまり、「上手な聞き手になる」ことです。
リーディングのコツ
- 「しかし」「でも」 は使わない
- 時々、微笑を交えてうなずく
- 「そして」 を多く活用する
※「そして」は大変便利な接続詞です。多くの場合に使えます。そのため、入試現代文の選択肢として出題された場合は、安易に「そして」を選ばない方が無難です。もっと良い答えが他にある可能性が高いからです。
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【あとがき】多湖輝先生の著書のご紹介
これが『ホイホイ勉強術』。私が高校生だった頃、書店に並んでいました。
装い新たに「平成版」も登場しました。
多湖輝先生は2016年に逝去されたので、おそらく「令和版」は出てこないと思います。