「印綬」は吉星に分類され、素晴らしい性能を持つ通変星です。ですが、「命式に印綬があるからハッピー!」と考えるのは早計で、吉星だから幸運で、凶星は不運だとは一概に言えません。いくら吉星でも、傷があったり、バランスが極端に悪いと、福分を発揮できないだけでなく、悪い作用も出てくるからです。
本記事は、印綬格も含めて印綬の性能について説明したものです。

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- 「印綬」性格・職業・結婚・お金
- 通編成「印綬」の意味
- 「印綬」本質的性格と運勢
- 【四柱推命/通変星】印綬の機能
- 印綬が悪く働く(太過・不及)
- 【通変星/印綬】その他の要点
- 「印綬」の疑問にお答えします!
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「印綬」性格・職業・結婚・お金
「印綬」性格の傾向
月支通変星が「印綬」で特別な強弱がない場合、次の性質と性格が出やすいです。
- 内向的性格、注意深くて頑固
- 穏やかで平和主義、言葉に角がない
- プライドが高く、負けず嫌い、自分の考えを簡単に変えない
- 思いやりに厚いが身勝手な面も
- 慎重だが、いざとなると冷静沈着で図太い
- 考え方は堅実で保守的、決断力と行動力は弱め
- 責任感が強い
- 学術的探究心があり博学で頭脳明晰(歴史に興味を持つ人が多い)
- 名誉と伝統を重んじ、目上には従順
- 偏印と違って、新しいものに慎重
- 堅物で面白味に欠けやすい
- 理想家肌で、いつまでも夢を追う
- 依存心が強く、思いやりや援助を期待する
- 我慢強く、愚痴はあまり言わない
- 臨機応変な対応は苦手で、政治的駆け引きは苦手
- 人付き合いを負担に感じるが、強い人気運がある
- 迷信を信じやすい
- 印星が多いと、内向性に拍車が掛かり、依存心が強くワガママになる
- 月支にあると、父母への依存度が強くなる
- 月支「印綬」が空亡していると、
①父母の恩恵が薄くなる。
②父母への依存心があっても頼れない事情が生じやすい
印綬がプラスに働く場合
印綬に傷がなく、バランスが良いと主に次のプラス作用があります。
- 知恵と才能がある
- 大勢の人から好かれ、大切な時に助けがある
- 上司の引き立てや周囲からの押し上げが強く、発展の気流に乗る
- 落ち着きと理解力があり、要領もよい
印綬がマイナスに働く場合
印綬は吉星に分類されますが、傷があったりバランスが悪かったりすると、次のマイナス作用が生じます。
- 依頼心が強く、自信過剰、理屈ばかり言う
- 狡猾になり、知恵があっても悪知恵になりやすい
- 身勝手で感情的・衝動的になりやすい(特に女性は顕著)
- 神経の病に注意
- 酒に溺れ、薬に頼るなど乱れた生活に逃避する
- 印綬過多(強すぎ)だと、
①食神・傷官を剋すため、鈍重鈍感でくどくなる
②見通しの甘さ、いい加減さなどのデメリットを背負う
➂子ども縁に支障が出るか、成長を妨げる
④身旺(日干が強い命式)は、貪欲さと利己的な面が強まり、人格が濁る - 印綬格の印綬に刑冲がある人は、精神不安定の傾向から静穏な生活が送れない
- 印綬格で、偏印が混じれば、集中力を欠き成功が難しい
「印綬」仕事・職業
- 知的欲求とプライドを満たせる職業が向く
- 堅実で落ち着いた仕事がよい
- 多忙で臨機応変さが求められる職種は避けるのが無難
- 金融業や営業は不向き
- 学術・芸術、芸能、教師、医者、研究職、技術職、文化関係、マスコミなどアイデア、知識などを活かせる職種がよい
- 企業の研究室勤務、プログラマーなど、静かに打ち込める職業はOK
- 国家公務員、地方公務員、宗教家、IT関係、文学者、俳優もOK
- 女性にとって印星は職業の星で、旺相すると職業婦人になる人が多い

「印綬」結婚と恋愛
- 地味な恋愛になりがち(落ち着いた性格から)
- 相手を思いやるが、ゴールまでの進行は遅め
男性の命式で日支が「印綬」だと
- 良妻賢母型の女性を好む
- 年齢差はあまり気にしない
- 母性愛を感じる心優しい女性を好む
- 辛抱強い女性と縁がある
- 日支「印綬」で印綬が元気⇒温和で愛情が深い女性に縁があるが、生活は地味でやや身勝手
- 日支「印綬」+十二運が弱い+官殺がない+刑冲がある⇒迷いが多く、内助を欠く女性に縁がある
女性の命式で日支が「印綬」だと
- 言葉数が少ないが、実行力がある男性を好む
- 頭脳明晰な男性を好む
- 紳士的で包容力がある男性を好む
- 日支「印綬」で印綬が元気⇒愛情豊かで福分が厚く、落ち着きと将来性を秘めた男性に縁がある
- 日支「印綬」+十二運が弱い+官殺がない+刑冲がある⇒迷いが多く陰気で開運力が劣る男性に縁がある
「印綬」お金・財産
- 蓄財心と倹約心が旺盛
- 投資や投機などの運用は下手
- 経済状況の変化への対応は遅い
- お金を直接扱う職業は避けるのが無難
ここから先は内容がややこしいため、興味がある人のみお読みください!
通編成「印綬」の意味
- 印綬は、自己を正しく生み育ててくれる因子で、実母を意味します。
- 「印綬」は、自分を正しく生じてくれる名声・名誉・声望に象徴される名称です。
- 本物の信頼は、財産やお金から得られるものではありません。それだと、財産やお金がなくなると同時に消滅してしまいます。
- 生まれ持った知能や身につけた学問から本物の名声・名誉・声望が得られるはずで、印綬はそれらを司る因子とされています。
- 印綬の性格は、聡明多智で思慮深く人情に富み、言葉に角がありません。反面、自己過信が強く、やや吝嗇(りんしょく)に傾きやすいです。
- 正財から強く剋されて、印綬が良好に働いていないと、依頼心が強く、自己保身の理屈ばかり言います。要領が悪く、悪知恵に偏りやすく、自信過剰のタイプになります。
「印綬」本質的性格と運勢
「印綬」日干(自分)にエネルギーを注ぐ星
印綬は、「有情の生」として、日干にエネルギーを注いでくれる通変星です。
エネルギーを愛情に言い換えると、印綬は母であり両親と置き換えることができます。
印綬が意味するのは、財産や権力ではなく、人徳・人望・名誉です。
印綬:人格を磨く因子(人徳・人望・名誉)
「人望・名誉」を得るには、人格(人徳)を磨く必要があります。
印綬が良好に働く命式の人は、聡明で穏やかな人情家になります。
悪く働けば、自信過剰で依存心が強く、人の気持ちの機微を理解できない人となります。
「印綬」知性・学問・名誉
- 印星は、知性・創造力・インスピレーションなどを司る
- 学問・芸術・芸能など、人間界以外では存在しないジャンルが印星の守備範囲
- 印綬は、受容する力があり、好奇心・知識欲が旺盛である
- ナチュラルな頭の良さを持った人が多く、物事のツボを捉えるのが巧みで、時代の流れをキャッチする鋭敏な感性がある
- いくぶん利己的で、自分の名利を追及することに貪欲
- 豊かな才能に恵まれ、時代をリードする
- 強い人気運がある
- 聡明で思慮深く、慈愛(陰陽の生)があって言葉に角がなく容貌・人格ともに高い
- 自己を守る気持ちが強いため、利己的で多少吝嗇に傾く
- 印綬は過去の精神的遺産を受け継ぐもので、そこから歴史的なことに興味を持つ
- 女性にとって印星は職業の星とし、旺相するときは職業婦人になる人が多い

年干支にある「印綬」⇒社会運
運 勢
- 利己心は偏印より強く、こうと決めたら世間が非難しても断固自分のスタイルを貫く
- 行動はエネルギッシュで、チャンスと見れば一気果敢に攻め抜く大胆さがある
性 格
- 礼儀正しいが、口下手な人が多い(表現の星、食神・傷官を攻撃する)
- その話し方から、穏やかな印象を与える人が多い
- 年干に印綬がつく人は、先祖に信仰心が厚い人がいた場合が多く、その徳分を受け継いでいる人が多い
年支と日支または月支が、刑冲害する命式
- 愚図・愚鈍に見えて、そのために疎まれる
- 口下手で社交性に欠ける
年支と日支または月支が、三合半会・支合する命式
- 語りは訥々としているが、それがかえって人の信用を受けやすい
- 人付き合いも上手
月干支にある「印綬」⇒社会的成功運と対人関係
- 好悪の念と思い込みが強く、人付き合いのバランスはあまりよくない
- 際立った才能と魅力によってトップに立つタイプ
- 正官のような権力志向は乏しく、政治的駆け引きも巧みでない
- 理想家肌で、いつまでも夢を追う傾向があり、他にも印星が多い場合などは異端的なもの、幻想的なもの、反社会的なものに魅かれ、精神の安定を欠くなどのマイナスが多くなるため、その場合は官星による引き締めが必要
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【四柱推命/通変星】印綬の機能
印綬は、偏印と同気(同じ五行)で、異性(陰と陽の相違)の通変星で、合わせて「印星」と呼びます。
印星は、日干ならびに比肩・劫財を生じます。
印綬は「正印」とも呼ばれ、偏印のような臨機応変さはなく、ゆっくり進む堅実な通変星です。
また、偏印の「義理親」に対して、印綬は「実母」で守護神的意味が強いです。
ただし、印綬が強すぎると「過生扶」といい、偏旺状態になり良くありません。(過保護の命式になる)
印綬は吉星の一つですが、日干のエネルギーが強すぎる人には凶に働きます。

印綬は正財から攻撃を受けます。必要以上に正財が強いと、エネルギーを自分に補給できなくなり、親の運も不安定と見ます。
「印綬」が意味するもの
【男女共通】生母、親
印綬が良好に働く命式は、
- 先祖の徳や父母の援助が得られる
- 父母の愛情が厚い
- 目上の引き立てがある
【男性】生母、親
- 印綬が強すぎて悪く働くと、子縁に悪影響が及ぶ
【女性】生母、親
- 印綬が強すぎて悪く働くと、夫婦関係や子縁に悪影響が及ぶ
【四柱命式】「印綬」の機能と人生傾向
- 印綬が喜神として作用する命式
・先祖の徳や父母の愛情が得られる
・目上の引き立てや後援がある
・健康が安定している - 生時の印綬が喜神の命式
・中年以降に開運し長寿
中年以降に発福して長寿 - 生時の印綬が忌神の命式
・中年以降から運が衰え、健康不安で苦労する - 月支と日支が刑冲する印綬格
・先天福分が薄い
・先祖や父母の助力が得られない
・才能が乏しい
・気迷いが多く、挫折しやすい
・目上の後援が得られない - 正財に剋されて破格する印綬格
・金銭や妻(女性)による災いが多い -
月支の印綬が空亡する命式
・親の援助が期待できない
・父母の愛が薄い
・目上引き立てが望めない -
日干のエネルギーが強く、印綬が弱くても官殺があれば救われる
-
日干のエネルギーが弱くても、印綬が強ければ救われる
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印綬が悪く働く(太過・不及)
太過・不及するとは、印綬の欠点が強化されます。
印綬が太過(3つ以上ある)
太過とは、命式に同じ通変星が3個以上ある場合をいいます。
- 意志が弱く動揺しやすい
- ワガママでプライドばかり高い
- 八つ当たりする
- 世間体を必要以上に気にする
- 他者の気持ちに鈍感
- 甘ったれた性格になる
男性
- 親と縁が薄い
- 子どもと縁が薄い
- 兄弟と縁が薄い
- 妻と縁が薄い
女性
- 親と縁が薄い
- 兄弟と縁が薄い
- 夫と縁が薄い
- 子どもと縁が薄く、難産・早産、まれに死産もありうる
- 無事に生まれても体質に欠陥があることも
- 本人も、気力が乏しいか体質が弱い
印綬が不及(弱すぎる)パワー不足の場合
- プライドへのこだわりが強い
- 学問や芸術的才能があっても大成は難しい
- 親離れが遅い傾向
【通変星/印綬】その他の要点
【印綬】強すぎると人の心の痛みに鈍感になる
印綬が3個以上あれば、人の心の痛みなどに鈍感になります。
見通しの甘さ、人生に対する真剣さの欠如、いい加減さなど過保護のマイナス面が出やすいです。
【印綬】利己主義になりやすい
印綬が生じすぎて、日干が必要以上に強くなると欲深くなります。
自分さえ良ければ良いという利己的な面が強まります。
もともと印綬は、日干を生じる関係のため、利己的になりやすい面があります。
【印綬】学問好きが多い
印綬の人は、勉強熱心で学問好きと言われます。
これは、印綬は日干に知識も与えているからです。
日干(自分)に知識を与え続けるには、熱心に勉強して知識を蓄えておく必要があり、そのため学問好きになります。
【印綬】過去のことに興味を持つ
多くの書物に「印綬は過去の出来事や歴史的なことに興味を持つ」と書かれています。
これは時間的な関係が作用しています。
日干を現在とすれば、日干を生じる印綬は、過去に存在するものです。
印綬は実母に該当しますが、こちらもやはり自分より先に生まれています。
【印星】インスピレーションが働く
「偏印も印綬もインスピレーションがよく働く」と言われています。印星は、天からのインスピレーションが受けやすいようです。
偏印や印綬の人に対しての安易なウソは、カンが良いので気づかれやすいです。
【印綬・偏印】人気運について
「偏印も印綬も人気運がある」と言われています。
偏印の人気は、芸能人の人気のようなもので、いつどうなるかわからない不安定なものです。人気の土台が知識や人徳ではないからです。
偏印は、偏った知能や偏った学問を司っています。そのため、ずる賢くなって人を裏切るとか、両親に苦労を背負わせるなどのことがあります。
さらに悪く働くと犯罪などで悪名を轟かせる場合もあり得ます。
一方で、芸術・芸能・学術の方面で、立派に名を成すことも十分あります。
たとえるなら、印綬は、正統な学問を研究一筋に打ち込む人で、偏印は、テレビで政治論などを語るマルチタレントみたいな人です。
「印綬」の疑問にお答えします!
Q「真の印綬格」って何?
四柱推命で「印綬格(いんじゅかく)」という言葉はよく使われますが、そこに「真の」がつくとき、それは単に印綬格であるだけでなく、「非常に純粋で、理想的な形をした印綬格」を指している、と考えていただくとわかりやすいかもしれません。
基本的な「印綬格」とは
「月支元命(げっしげんめい)」が「印綬」である命式のことです。
印綬は、次のような性質を持つ星です。
- 知性、学問、教養
- 名誉、品格、伝統
- 慈悲、母性、受容性
- 思慮深さ、安定感
この印綬の良い性質が最大限に輝いている命式を「真の印綬格」といいます。
「真の印綬格」の条件は
「真の」と呼ぶためには、いくつかの厳しい条件を満たす必要があります。
1.格局が清いこと
最も重要な条件で、印綬の働きを邪魔する星がなく、逆に助けるものがある状態を指します。
- 「財星」がないか無力⇒「財星」は「印綬」を剋する(攻撃する)関係にあります。命式の中に強い財星があると、印綬が持つ「知性」や「名誉」が傷つけられてしまいます。これを「壊印(かいん)」と言い、この壊印がないことが理想です
- 「官星」がある⇒「官星(正官・偏官)」は、印綬を生じる星です。命式の中に適度な官星があると、「官印相生(かんいんそうじょう)」や「殺印相生(さついんそうじょう)」という素晴らしい形になり、印綬の格がぐっと高まります。これは、社会的な地位(官星)と名誉・知性(印綬)が結びつくことを意味し、人から尊敬される地位に就きやすいとされます。
2.印綬のバランスが良い
印綬自体が、強すぎても弱すぎてもダメです。ちょうど良いバランスが大切です。
- 日主(自分自身)にも力がある⇒印綬が非常に強くても、日干(自分自身)が弱すぎると、印綬のエネルギーに振り回されてしまいます。例えば、母親の愛情が強すぎて自立できない(母子滅子の弊)、考えすぎて行動に移せない、といった状態です。日主にもある程度の力があることで、印綬の持つ知性や品格を、自分のものとして活かすことができます。
- 月支の印綬に傷がないこと⇒格局の中心である月支が、他の柱から冲や刑などのダメージを受けていないことも重要です。
「真の印綬格」の人物像とは
以上の厳しい条件をクリアした「真の印綬格」に該当する人は、まさに理想的な人格者と言えるかもしれません。
- 深い知性と教養を身につけている
- 立ち居振る舞いに品があり、人格者として尊敬される
- 慈愛に満ち、人を育てることに喜びを感じる
- 感情の起伏が少なく、常に穏やかで精神的に安定している
- 私利私欲に走らず、名誉や品位を重んじる
- 良い地位や名声に恵まれやすい
学者、研究者、教育者、聖職者、あるいは人々の相談に乗るような立場で、その才能を最大限に発揮される方が多いと言われています。
ただし、「真の印綬格」は、極めて稀な命式です。多くの印綬格は、財星があったり、他の星との兼ね合いで複雑な性質を持っていたりします。
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