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偏印は性格が悪いのか【四柱推命】スピリチュアルな感性と3つある場合も解説

偏印はあまり人気がありません。分類は「凶星」ですし、食禄の星「食神」を攻撃するため「倒食(とうしょく)」というありがたくない別名も付けられています。

ですが、マイナス面ばかりではありません。偏印の人は不思議な人気運があります。そして、独特の知性や芸術性、自由奔放さがあります。命式によっては、偏印はとても良い働きをするのです。

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「偏印」主な特徴

  • 偏った形で自己を生じる ⇒人間関係では「養母」を意味します。
  • 別名「倒食」 ⇒福禄の星である食神を強く攻撃するため「倒食」と呼ばれます。ただし、四柱命式に食神がない場合は、その呼び名を用いません。偏印が食神をまともに攻撃する命式は、衣食住に不安が伴いやすいです。
  • 偏った形で日干を生じ助ける ⇒偏業(学問・芸術・宗教・医業・遊芸・占いなど)で成功する力があります。
  • 偏印を制する通変星がない ⇒知恵や才能に恵まれるも、ルーズでずる賢く、根気に欠けるところがあります。
  • 偏印が良好に作用していると ⇒自己主張が強くやや偏屈ですが、臨機応変の才に恵まれ、情熱的で根気強い人になります。

 

「偏印」は性格が悪い?

「偏印」誤解されやすい5つのポイント

偏印の人は、「性格が悪い」と言われることがあります。その理由を5つのポイントから見ていきます。

  1. 飽きっぽい ⇒偏印を持つ人は、飽きっぽいところがあります。周りから見ると、「継続できない人」「無責任な人」というふうに映ってしまうことがあります。
  2. 誤解されやすい ⇒物事をストレートに受け取らないのが偏印の特徴です。他の人とは異なる批判的な見方をすることが多いため、「ひねくれ者」と敬遠されてしまうことがあります。
  3. 協調性がない ⇒偏印の人は、一人で考える時間が必要です。集団でいるより、自分の世界に浸っている方が落ち着きます。その結果、「付き合いが悪い人」「何を考えているかわからない人」と思われやすいです。
  4. 頭の回転が速い ⇒偏印の人は、本質を一瞬で見抜く力に長けているため、相手が気づかない矛盾や核心をズバッと指摘してしまうことがあります。言われた側は「なんてキツいことを言うんだ!」と傷ついてしまうことも。
  5. 「倒食」の作用 ⇒偏印が「凶星」と言われる最大の理由に「倒食(とうしょく)」という働きがあります。「食神」は、おおらかさ、楽しさ、衣食住などを象徴する、のんびりとした穏やかな星です。偏印が強いと、食神の良さを壊してしまいます。すると、気分にムラが出て、安定した人間関係や生活を維持するのが苦手になります。そこが「付き合いにくい」と思わせてしまう一因になります。

こうして見ると、「性格が悪い」というよりも、「独特の個性が強い」というのが正解と言えそうです。

上に付け足して、偏印が強いと肉親と不仲になります。

 

「偏印」悪いイメージ6例

上の5ポイントに加えて、命式が悪ければ次の短所が浮き彫りになります。

  1. マイペース人間、浮草人間、社会からの脱落者
  2. 生活が不安定
  3. 職を変えやすく、投げやり、飽きっぽい、はみ出し者
  4. 偏屈で自己過信が強い
  5. 持続性がなく、物事を最後まで全うしない
  6. 多忙でバタバタしている

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「偏印」の人生傾向

偏印は、日干を陰陽不配偶で生じるの通変星です。

陽から陰、陰から陽を「配偶」とし、陽から陽、陰から陰は「不配偶」とします。

そのため、偏印は「無情の生」と言われています。

日干を不配偶(偏った形)で生じられるため、偏印は義理親にたとえられています。

※印綬を「有情の生」として、生母にたとえます。

また、食神(食禄と健康の神)を強く剋すため凶星に分類されます。偏印が悪く働くと、次の傾向が出やすいです。

  • 生活が安定しない
  • 事故に遭いやすい
  • 虚弱体質になりやすい

また、食神には伝統(過去)を継承する意味もあります。偏印が良好に働くと、過去に固執しない臨機応変の才が身につきます。そして、抜群の発想力や創造力を持つ人が少なくありません。

それから、偏印は、わけがわからない要素が強い通変星でもあります。

そのため、偏印運の時期は、わけがわからないことが発生しやすいです。

私事ですが、わけがわからない行動から交通事故を起こしたのも歳運が「偏印運」の時期でした。

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「偏印」知性の星、ひらめきと才能の星

  1. 知性・創造力・アイデアカ・インスピレーションなどを司ります。
  2. 学問・芸術・芸能などが印星の守備範囲です。
  3. 持続性を欠き、始め躍進しても後に衰える傾向があります。
  4. 才能があっても、過信してしまって怠惰に流れる傾向があります。
  5. 偏印は「蔵された才能」、食傷星は「顕れた才能」という違いがあります。偏印は、物事を受容する力があり、好奇心・知識欲が旺盛です。

 

◇偏印は、天と直接つながる因子とされ、インスピレーション直感力スピリチュアルな感性に優れた人が多いです。偏印がしっかりした人にはウソを見破るのが上手なので気をつけましょう。

 

【偏印/年干支】社会運

【運 勢】
  1. 偏印は浮き沈みが激しく、なかなか境遇が定まらない人生になりがち
  2. 一見器用に見えるが生き方は不器用で、思い込んだら他のことが目に入らない
  3. 与えられた課題に対しては真面目に取り組むが、発展性に乏しく、徹底できない短所があるため、ひとつの地点で足踏みしがち
  4. 世間がどう見ようと、これが自分の人生だという割り切りが最大の強みで、風見鶏的な生き方は好まない
【性 格】
  1. 礼儀正しいが、印星は食神傷官を剋す関係となるので、口下手な人が多い
  2. 穏やかな話し方から、のんびりした印象を与える人が多い
【年支と日支または月支が、刑冲害する命式】
  1. 愚図に見えてそのために疎まれる
  2. 口下手でそのために社交性がない
【年支と日支または月支が、三合半会・支合する命式】
  1. 語りは訥々としているが、それがかえって人の信用を受けやすい
  2. 人付き合いも上手

 

【偏印/月干支】社会的成功運と対人関係

  1. 技術者・職人・プロなどと呼ばれる世界の住人であり、特殊な技能や腕によって生きていく
  2. 自分のイメージやスタイルに強いこだわりを持ち、容易に生き方を変えない
  3. 「人が何と言おうと我が道を行く」ため、自分で世界を狭くするところがあり、また積極的に対人関係を広げていくタイプではないため、対人関係は必然的に狭くなる
  4. かなりの人気運があり、自分からは働きかけなくても相手から寄って来ることがしばしばあり、また、趣味的な世界で深い仲間ができるタイプなので、一般的な対人関係が狭くても、さして苦にならない
  5. 浮き沈みが大きく、成功しても安定感はあまりない。それは、自分の技術に対するこだわりが強く、関心もそこに集中しやすいため、興味の対象には全精力を注ぐがそれ以外には無頓着なこと、己の技術によって何らかの作品、世界などを作り上げることが人生の価値の大半を占める傾向があり、世間一般の欲望に対しては淡泊なことなどの理由による

 

【偏印のタイプ】性格と傾向

  1. 外向的でユニークな性格(偏印の働きが良いとき)
  2. 独創的な発想力とアイデア力がある
  3. 頭の回転が良く、直感力や感覚が鋭い
  4. 直感重視で、実際は緻密な計画が苦手
  5. やや偏屈、頑固、要領は悪くない
  6. 基本的性格はワガママ
  7. 自己過信の傾向あり
  8. 人当たりと外面がよく、チャッカリしている
  9. 甘えと依存心が強い⇒他人の愛情や援助を期待する
  10. 飽き性で変化を好む
  11. 新しいものを好む
  12. 防衛本能が強く、急な環境変化は苦手
  13. 正統から外れた独特の芸術性がある
  14. 執着心が強いわりにあきらめが早い
  15. 気が変わりやすい
  16. 長続きしない傾向(持久性や継続性に欠ける)
  17. とらえどころのない印象を与える
  18. 不思議な人気運がある(人気稼業向き)
  19. 無意識に自己PRする
  20. 批判精神があり、考え方の独自性が強い
  21. 一人でいるのを嫌がらない(むしろ好き)
  22. 偏印があって日干が強い人は身勝手
  23. 偏印が多いと、外向性が消え内向的になる
  24. 偏印が多いと依存心が強くなり、幼稚になる

「偏印」不思議な人気運がある

偏印が強い人、偏印格の人は直感が冴えます。下手なウソはすぐ見抜かれるので要注意です(^_^)。

 

【偏印の傾向】仕事・職業

  1. 頭の回転が速いため、変化の多い職場で本領を発揮する
  2. 臨機応変を発揮できる職種向き
  3. 人気稼業的な仕事に適性がある(タレントに欲しい通変星)
  4. 偏印は、偏業(九流術業)向き
    ・医師、学者、教師、僧、芸術家、技術職、評論家、芸能人、医療技術関係、諸芸師匠、文化事業
  5. 水商売、不動産などの斡旋業、広告宣伝、出版編集関係
  6. 独自の技能を活かした自営業や自由業に向く
  7. 金銭を扱う仕事や人を管理指導する仕事は苦手
  8. 製品開発なども得意分野
  9. カタカナ産業(ファッション業界、PC関係、情報産業、プログラマーなど)
  10. 接客業

※九流(諸子百家九流)
①儒家 ②道家 ③陰陽家 ④法家 ⑤名家 ⑥墨家 ⑦縦横家 ⑧雑家 ⑨農家
(+)小説家、評論家、文筆業、宗教家、芸術家、医術関係

 

【偏印の傾向】お金・財産

  1. お金に対して打算的
  2. アイデアや新しい企画でお金儲けする人が多い
  3. 趣味などで散財する傾向あり
  4. 飲み会などでお金を使うことを好まない

【日柱(日支)に偏印】結婚と恋愛

  1. 情熱的な恋愛を好み、ムードや会話を大切にする
  2. 熱するのも早いが冷めるのも早く、飽きっぽいところがある
  3. わずかな勘違いや行き違いが別れの原因になりやすい

 

【好みの女性】男性の命式で日支が偏印
  1. 自己主張が強く、多少ワガママな女性を好む
  2. 個性的で、機転が利く女性を好む
  3. 女性に対して母に似た愛情を求める傾向あり
  • 日支「偏印」で偏印がよい働きをしている命式の妻は
    ・勤勉タイプではないが要領がよい
    ・夫のために頑張るが疲れやすい

  • 月支と日支が刑冲する命式、日支「偏印」が忌神の命式
    ・妻縁は非常によろしくない
    ・不平不満が募り、別れたい気持ちが常にある

 

【好みの男性】女性の命式で日支が偏印
  1. 話題が豊富でおしゃれな男性を好む
  2. 芸術的センスがあり、知性的な男性を好む
  3. 熱しやすく冷めやすい性格の男性と縁がある
  4. ワガママで怠惰な男性(夫)と縁ができやすい
  • 日支「偏印」+十二運の根が強い+偏印が喜神
    ・学識・芸術などの才能がある夫(男性)に縁がある
    ・幸福な夫婦生活を送ることができる

  • 月支と日支が刑冲する命式
    ・性格や人生観が一致しない夫(男性)と縁がある

「刑冲」性格の不一致が起りやすい

 

☆四柱推命の基本を知りたい方はこちらをどうぞ

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【四柱推命/通変星】偏印の機能

偏印は、印綬と同気(同じ五行)で、異性(陰と陽の相違)の通変星です。

偏印と印綬は「印星」と呼ばれ、日干比肩・劫財を生じます。

「正印」と呼ばれる印綬と違って、偏印は「偏気(偏った気)」で生じます。

そのため、偏印は、

  • 自分中心の考えにこだわる
  • 他から与えられることを無意識に期待する

などの傾向が出やすいです。

日干と偏印

偏印は、食神・傷官を剋します。特に食神を七殺の理で非常に強く剋します。

食神は、食禄と健康の神として「吉神」に分類され、偏印はそれを剋すため「梟禄(きょうろく)・倒食」というありがたくない名称を付けられたりします。

偏財・正財から剋されます。印星は親の意味を含むため、財星が相当強い人は親不孝の命式とされます。

偏官・正官から生じられます。官星の力が適切な命式の人は、親孝行の人が多いです。

 

偏印と食神の関係性

偏印「相手が損して自分が得する」

「食神=食禄と健康の神」

古来、食神を奪う(剋す)ことから、次のように言われています。

  • 他人を利用してわが身の安泰を図る⇒相手が損して自分が得をする

反対に自分が損して相手が利益を得る通変星は、傷官です。

以上から、偏印は要領がよくてチャッカリしたところがあります。

 

偏印「持続性に欠け、新しいものに敏感」

「食神=現在の技術・技能を引き継ぎ未来に残す」

偏印は食神を剋します。つまり、引き継ぐべきものを壊すのが偏印です。

このことから、偏印は次の性質を持つとされます。

  1. 継続性(持続性)に欠ける⇒持久力がない
  2. 過去に拘泥しない⇒考え方が自由奔放、発想がユニーク

2から「何を考えているかわからない人」の反面、芸術的発想の根源にもなり得ます。

 

「偏印」が意味するもの

古来、次のように区別されていました。

  • 印綬⇒実母
  • 偏印⇒義理母

昔の解説では、「命式に印綬がなく偏印しかない人は、実親より義理親との縁が深い」と言われていますが、今はどちらも実母と判断してもよいと思います。

現在は、医療が発達して、昔のように母親が早く亡くなることは少ないです。

つまり、義理親の出番はほぼ無くなりました。

かつては、早く片親が亡くなって、他家に引き取られることが多かったために、偏印を義理の親として鑑定していましたが、そういうケースは稀な時代になりました。

ですから、鑑定の際は「偏印=義理母」にこだわる必要はないと考えます。

ただし、基本的意味は「偏印=義理母」です。

【男女共通】義理母、おじ・おば

偏印が強すぎると、次の傾向が出てきます。

  • 兄弟星(比肩・劫財)を圧迫し、兄弟縁に薄い
  • 親の運勢に異変が起こりやすく、肉親との縁が不安定
  • 愛情や感情に起伏があり、何事も長続きしない

いずれにせよ、偏印が強い人は孤独な人生を送りやすいとされます。

 

【男性】義理母、おじ・おば

偏印は、子どもの星(官星)からエネルギーを盗気します。

  • 官星(正官・偏官)のエネルギー⇒偏印に流れる

そのため、偏印が多いと、子縁に恵まれないとされます。

「偏印太過は酷薄の意がある」と古書に出ていますが、これは継子いじめを想定しているためと思われます。

【女性】義理母、おじ・おば

偏印は、夫・異性の星(官星)からエネルギーを盗気して、夫(男性)の精力を弱めます。

また、子どもの星(食傷星)を剋します。

そのため、偏印が多いと次の事象が生じます。

  • 「胞胎常墜(ほうたいじょうつい)の命」⇒子ども縁にとって最も忌む形態
  • 夫への思いやりの心が薄らぐ
  • 未婚や再婚、寡婦など夫婦関係の苦労が多い

※胞胎常墜=流産しやすい体質

日干と偏印

 

【四柱命式】「偏印」の機能と人生傾向

  1. 偏印格の看法「偏印格で偏印が1個の場合」
    ・官殺のいずれか1個見るを要し、あとは食傷星や財星が適当に散らばってあればよい命式になる

  2. 日干のエネルギーが強く、偏印を制御する偏財が元気だと良い偏印格になる

  3. 日干のエネルギーが弱い場合は、官殺(偏官・正官)のどちらかがあると良い偏印格になる⇒偏印が強くなり、日干もしっかりする

  4. 日干のエネルギーが強く、偏印も強いと良い偏印格にならない⇒偏印格の場合は、日干のエネルギーは多少弱い方が安全

  5. 偏印が月柱(特に月支)にある+十二運の根が強い+命式の内容がよい
    ・父母のどちらかと縁が薄い
    ・学術、技術、芸術関係で成功する
    ・適切に状況を判断し、臨機応変に対応する力がある
    ・独立して事業を興しても成功しやすい

     

  6. 偏印が月柱(特に月支)にある+十二運の根が弱い+偏印が忌神
    ・幼年期から、どちらかの親と縁が薄い暗示がある
    ・気迷いが多いため、よい運勢に恵まれにくい
    ・偏印の特性を活かした職業に専念すると吉

  7. 生時の偏印が喜神の命式
    ・中年以降、老年に向かって生活が安定する

  8. 偏印格で月支と日支が刑冲する命式
    ・福分が薄く、多難な人生を送りやすい
    ・時支と支合があれば、かなり害が薄まる

  9. 月支に連なって偏印局を構成する命式(地支の三合または方合)
    ・日干が偏旺(偏って強い)
    ・身弱の命式以外は、凶運に見舞われやすい

  10. 月支「偏印」が空亡する命式
    ・職業や住居が落ち着かない
    ・生活に心の安定が得られない

  11. 偏印格の吉凶
    ・日干も偏印も強い⇒財星がある➡吉
    ・日干が強く、偏印が弱い⇒官星がある➡吉
    ・日干が弱くても、官星がある➡吉だが、官殺の大運は凶

  12. 偏印は日干にエネルギーを注ぐ(相生)が、強すぎるとになる
    ・日干「木」➡「漂流の命」(水が多すぎる)
    ・日干「火」➡「焚木の命」(木が多すぎる)
    ・日干「土」➡「焦土の命」(日が多すぎる)
    ・日干「金」➡「埋金の命」(土が多すぎる)
    ・日干「水」➡「濁水の命」(金が多すぎる)

    ※上記に該当する命式を「母慈滅子(ぼじめっし)の弊を招く」として、「偏印(母親)が子どもに過剰な愛を与えて、かえって子をダメにする」と読み解きます。命式として良い状態ではありません。

  13. 月上「食神」+月支「偏印」の命式
    ①性質は貪欲
    ②他人に迷惑を掛けることが多い

    ※食神(先祖から引き継いだ遺産)を偏印が剋す(使い果たす)ことから①の性質が現れます。また、月上「食神」を他人と見て、偏印が攻撃するため②の傾向が出てきます。

 

偏印が悪く働く(太過・不及)

次の場合、偏印の長所が弱まり、欠点が強化されます。

偏印が太過(偏印が3つ以上ある)

  1. 性格に偏りがあり、好き嫌いが激しい
  2. 熱しやすく冷めやすい性格が顕著
  3. 頑固で、思いやりに欠ける
  4. 場に応じた対応はできるが、本音が見えにくく真の信用が得られない
  5. 偏印の働きが相当悪いと、詐欺師的な生き方をする人も(偏印は、別名「倒食」と言って、人の資産を倒す)
  6. 内向的で自己中心的(日干を過生扶し、いびつな自我が形成される)
  7. 内臓(特に消化器系統)に慢性的疾患を持つ人がいる
  8. 片親に縁が薄い
  9. 夫婦の縁がよくない
  10. 子縁が薄い(男性は官星を盗気し、女性は食傷を剋すため)
  11. 財運が弱く、やや寂しい晩年を送りやすい

 

男性
  1. 親と縁が薄い ⇒親の因子である印星が過多のため
  2. 子どもと縁が薄い ⇒子供の因子である官星の気を抜くため
  3. 兄弟と縁が薄い ⇒兄弟の因子である比劫星の気を抜くため
  4. 妻と縁が薄い ⇒妻の因子である財星が反剋されるため
女性
  1. 親と縁が薄い ⇒親の因子である印星が多いため
  2. 兄弟と縁が薄い ⇒兄弟の因子である比劫星の気を抜くため
  3. 夫と縁が薄い ⇒夫の因子である官星の気を抜くため
  4. 子どもと縁が薄く、難産・早産、まれに死産もありうる ⇒子どもの因子である食傷星が剋されるため
  5.  無事に生まれても体質に欠陥があることも ⇒子どもの因子である食傷星が剋されるため
  6. 本人も、気力が乏しいか体質が弱い ⇒日干が印星から過生扶されるため

偏印が不及(弱すぎる)

  1. 人の気持ちを考えない
  2. やりたいことをやる気ままな生活を送りがち
  3. 偏屈、頑固、わがまま
  4. 財星太過によって偏印が弱っている場合
    ・発想やアイデアの鋭さがない
    ・人気運が消滅
    ・損得勘定が強くなる
    ・注意散漫⇒事故やケガ、盗難などに遭いやすい
  5. 誠意がない世話をする(目立ちたい、自己PRしたい)
  6. 仕事への集中力が欠け、投げやり
  7. 親、兄弟と不仲(偏印には、身内という意味合いも)

 

偏印がよい働きをする場合

偏印は「凶星」の一つとして悪いイメージがつきまといますが、良好な働きもします。

  1. 日干が偏官によって無情の剋を受けているとき
    ・偏官のエネルギーを弱める
    ・強くなった偏印が日干を助ける

  2. 偏印の働きがよい人は、知恵と才能に恵まれる(ただし、偏屈なところあり)
    ※悪く働けば、ずる賢く、ルーズで投げやりな人になります。

  3. 好奇心や知識欲が旺盛、探究心が強い
    ・学問、芸術、芸能の才がある
    ・アイデアや創造力に長ける
    ・インスピレーションに優れ、直感力がある

 

偏印が喜神になる命式

次に該当する命式では、偏印がよい働きをしてくれます。

偏印を「凶星」として、やたら嫌うのは間違いです。

  • 日干のエネルギーが弱い命式
  • 食神や傷官が必要以上に強い命式
  • 印綬の力が弱くに頼りにならない命式
  • 偏印が忌神と干合し、忌神の凶意を弱める命式

 

【通変星/偏印】その他の要点

  1. かつては偏印が太過して良くない働きをすると、必ず親と縁が薄くなるか、自分が病弱になるなど、幼少時の苦労が必定とされました。しかし、医学の急速な進歩のため長生きできるようになりました。ですから、現在は上記の凶意を割り引いて考える必要があります。
  2. 偏印は食神を激しく剋すため、「年上に食神があって、月上に偏印があれば、祖先の禄を食いつぶす。または、病弱、貧困、盗難などの災厄が起きやすい」とされますが、命式全体で判断する必要があります。
  3. 男性で、「日支に偏印があって、さらに近くに劫財があれば、妻の内助が弱いか、妻は病弱の可能性がある」と言われています。
  4. 女性では、「日支の偏印が良好に作用していないと、グータラで稼げない夫、年下の無気力な夫と縁があり、最悪の場合は、アル中の夫、病弱な夫、犯罪者の夫などが考えられる」と、古法では言われています。(ただし、命式中の偏印の作用を精査する必要があります)
  5. 古法では、「年上に偏印があると、幼くして母を失うか、義理の母に育てられる」とされており、昔(昭和初期まで)は当たっていたようです。ですが、現在は医学の進歩により簡単に死ななくなったため、当たる確率は低いです。
  6. 偏印は、俳優や女優さんに多いです。偏印は、食神(過去の繋がり)を倒します。つまり、自分の過去を捨て去って、新しい役にのめり込むことができるからと考えることができます。

 

通変星「偏印」Q&A

Q1:「偏印」が気まぐれで、自由な発想が得意と言われるのはなぜ?

食神の位置づけは、「伝統継承の因子」です。

偏印は食神を攻撃する(剋す)関係にあります。(偏印が土なら、食神は水で「土剋水」)。

つまり、偏印は「過去の伝統を破壊する因子」ということです。

そこで、次の図式が成立します。

  • 過去の伝統や規則、過去の自分を破壊する ⇒気まぐれで気が変わりやすい、発想が自由で斬新

Q2:「偏印」が流行に敏感で、熱しやすく冷めやすいと言われるのはなぜ?

Q1と同じ理由からです。

  • 過去に縛られない ⇒「流行に敏感で、良いものはすぐ取り入れる」です。

また、偏印は、日干にエネルギーを与え続けるため、最終的には偏印自体が息切れします。そこから、「熱しやすく、冷めやすい」という意味が出てきます。

Q3:「偏印」の人を、自己主張が強く偏屈と見るのはなぜ?

  • 偏印は、「陽から陽」「陰から陰」とエネルギーを生じる
  • 印綬は、「陽から陰」「陰から陽」とエネルギーを生じる

陰陽五行の考えでは、印綬の生じ方が配偶として正しく、偏印は不配偶とします。

つまり、偏印は日干に偏ったエネルギーを与えることになり、そこから、偏印の人は「自己主張が強く偏屈」と解釈されます。

 

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