「恋とはまことに厄介なもの」
熱い恋情は、金銭感覚も友人関係も、果ては人生を根本から変えてしまうエネルギーがあります。
ところが、世の中甘くない。残るのは、反省や後悔、ヒドい場合には恨みだったり。
古い本ですが、一部をご紹介します。
【結婚の秘訣】亀井勝一郎『黄金の言葉』
結婚は決して恋愛の単なる延長ではない
ところで結婚については、モンテーニュはこう言っている。
「よき結婚は、もしそれがあるとすれば、恋愛を同伴し、その性質を帯びることを拒む。むしろそれは、友愛の諸性質を模倣せんと努める」
これは結婚についての最も大切な心がまえと言えるだろう。
たとい熱烈な恋愛の結果結婚しても、結婚は決して恋愛の単なる延長ではない。
二人はむすばれてしまったのであり、ひとつの家庭のなかで、生活者として共同生活をつづけなければならない。
恋愛中のように、夢みながら花園を散歩しているわけにはゆかないし、映画館の中で映画をそっちのけにして手を握りあって、ただうっとりしているわけにもゆかない。
夫婦愛の上に友情が加わることが最ものぞましい
働かなければならぬ。
夫は職場に、妻も職場か家庭に、それぞれの仕事がある。
同時に新しい人生を設計してゆくという大きな仕事もあるのだ。
そのとき二人は、夫婦であるとともに仲間となる。
夫婦愛の上に友情が加わることが最ものぞましいのである。
互に信頼し、互に奉仕し、自分の生活を堅固につくりあげてゆくという任務がある。
そして何事でも、友人のように相談しあい、友人のように心と心とのむすびつきが出来たら、それこそ最良の結婚である。
結婚とは恋愛を卒業すること
結婚とは恋愛を卒業することだ。
むろん恋愛のあいだで、友愛の諸性質を模倣するように努めることこそ結婚の秘訣である。
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【あとがき】夫婦縁についての考察
多くの人の命式・命盤を拝見して思うことがあります。
それは「一方的に相手が悪い」という例は少ないということです。
元々、自分の持つ結婚運が悪い⇒相手だけの責任ではない
ということです。
「自分を不幸にする配偶者」といえば過激ですが、そういう相手と結ばれやすい人は少なからずいるのは事実です。
では、どうすれば良いか?
「そういう相手とゴールインしないようにすればよい」という結論になります。
そして、「そういう相手」以外と結ばれたなら、その後は、「友愛の諸性質を模倣せんと努める」(亀井先生)ことに注力するのが肝心かと思います。
友人に対しては、友情が壊れないようにそれなりに気を使うのが普通のあり方です。
深さの差はあれ、誰でも友人との関わり方は幼少時から実体験として学んできています。
ところが、配偶者の実体験となると、たいてい1人か2人、多くても3人が限度でしょう。
つまり、対友人と異なり、対配偶者の実体験の学びは圧倒的に少ないわけですね。
そして、相手に対する期待感も甘えも、対友人より遙かに大きくなりがちです。
さらに、家計の維持・子育て・親戚との関わりなど協同の仕事がたくさんあります。
だから、「働かなければならぬ」なのですね。
私が結婚するとき、大先輩に言われました。
「ベーア、結婚するということは仕事を2つ持つことだぞ」と。
「職場の仕事、家での協同の仕事、そして夜の仕事、3つかも知れないぞ」とも。
夜の仕事は、たとえ疲れていても夫婦なのだから…、ということですね。(^_^)
夫婦関係において、時には戸惑いも生じるし、「こんなハズでなかった」という後悔や怒り、最悪の場合には恨みの感情まで抱いてしまったり。
「夫婦愛の上に友情が加わることが最ものぞましい」という言葉に「なるほど!」と思ったので、紹介させていただきました。
結婚をしない選択をする人が増えている一方で、逆に結婚を強く望む人たちも大勢いる現代。以下の記事では、現代の結婚観や結婚したら変わる点を紹介しているので、もしよろしければご覧ください。