四柱推命の本に書かれている「庚」の性格は、
意志が強い、決断力あり、行動的、負けず嫌い、合理的、正義感、義理と人情、攻撃的、頑固、粗雑、粗暴、果敢、気性が激しい、短気、淡泊、積極的、波乱
いかにも個性が強そうです。実際にどうなのでしょう。
【四柱推命・庚の性格】庚・魁罡の人は恐ろしい?
【四柱推命】十干からの性格分析
十干の性質を知ってから四柱命式を作ってみると、「彼は庚だったのね」とガッカリする人も少なくありません。
それほど庚のイメージは今一つみたいです。
なぜなら、他の十干をみると、
- 甲:「大木。頼りがいがありそう!」
- 乙:「花。癒やしてくれそう!」
- 丙:「太陽。明るくて暖かそう!」
- 丁:「灯火。シブい!頭いいかも!」
- 戊:「山と大地。思いっきり抱かれたい!」
- 己:「田園。ゆったりした景色大好き!」
- 辛:「宝石。美しい!」
- 壬:「海・湖。心が大きい人かも!」
- 癸:「雨・雲。幻想的!神秘的!」
ところが、
- 庚:「刀剣?怖そう…」
と感じる人が多いようです。そう考えると庚の人は損ですね。
ご自分の十干を知らない人は、次の記事を参考にしてください。
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【四柱推命・魁罡】激烈な性格?自殺する?
しかも、庚には「魁罡」という神殺がオマケとして付いてくる人もいます。
魁罡:激烈・果断・残忍・孤独・闘争的、文章力あり、聡明、自殺者も多い
読むと恐ろしさに拍車がかかりますよね。
三島由紀夫さんの命式にも魁罡があります。
魁罡は次の4つです。
壬辰、戊戌、庚辰、庚戌
庚だけ2つありますね。
甲・乙・丙・丁・己・辛・癸の生まれだと魁罡とは無縁です。
地支は「辰」と「戌」だけです。
- 辰と戌=陽土
- 丑と羊=陰土
昔は陽の土は忌むべきものだったのです。
魁罡とは元来「牢獄」を意味します。
だから、天乙貴人から辰と戌は除外されています。
もう少し詳しく書きますと、十二支の中で辰と戌は、最も勢いがあります。
- 辰・・・天羅
- 戌・・・地網
といいます。
また、「魁」は、積極と消極の両極を司る。吉なら最上、凶になれば最低の凶。
- 男命は陽であるために天羅(てんら)を忌み嫌う
- 女命は陰であるために地網(ちもう)を忌み嫌う
ちょっとクドくなりました。もう少しだけお付き合いください。
- 日干からみて月支に魁を帯びる⇒魁罡格
- 日支に帯びる⇒魁罡日生まれ
いずれも聡明悧発で文才ありとします。
魁罡格でさらに2、3の魁罡を帯びるのは凶運を迎えると悪死するとされ、身旺運に巡れば異常な発達を遂げるとされます。
魁罡の説明は以上です。
だからといって、命式の地支に辰と戌がある人は運が悪いというわけではないのでご安心ください。
【四柱推命】庚・魁罡の友人はこんな人
【庚・魁罡の友人】彼はいじられキャラ
前置きが長くなりました。
今回の記事では、「庚の人は怖い?魁罡持ちは恐ろしい?」を検証してみます。
私の友人の四柱命式です。
- 日干は庚。刀剣の人ですね。
- 地支は戌。魁罡の人です。
怖いですね。こんな怖い人と長年の友人なんて、私も怖ろしくて(^_^)。
実際は、全然怖くない人です。
むしろ、朴訥でおとなしいタイプです。
「家では違うのかな?」と思いましたが、奥さんに頭が上がりません。
何度も家族と会食しているから間違いないでしょう。
それどころか、成人した息子さんと娘さんにいつもいじられています。
「呑気で気が利かないお父さんが仕事だけは頑張ってくれたよね」と。
家庭でもいじられキャラの人気者、といった感じなのです。
「庚の人なんだから刀剣振り回しなさいよ」
「魁罡の人なんだから、いじられキャラなんか似合わないよ」
などと私は本人に言ったのですが、
「俺にはそんなことできないよう」
という感じなのです。
私と彼の関係も、
私=ツッコミ、彼=ボケ
しかし、どう頑張っても彼に勝てないことがあります。
パソコンの知識と技術です。
これは本当にスゴいと尊敬しています。
これまで何十回もパソコンのことで相談しています。
私の家に来て不具合を直してくれたことも十数回あります。
【庚・魁罡の友人】十二運からの性格分析
友人の例でもわかるように、十干で性格分析するのは単純で楽しいですが的中率の点では首をかしげることになります。
また、命式に魁罡があるからといって、「この人は強い人」と決めつけるのも大外れする可能性があります。
占いで怖いのは、逆算鑑定です。
「逆算鑑定」とは思いつきで私が考えた言葉ですが、つまり、結果を先に鑑定を進めることです。
たとえば、三島由紀夫さんの命式には魁罡があります。
改めて書く必要はありませんが、彼は自殺しています。
そのことから、「ほらね、三島由紀夫さんも自殺しているでしょ。魁罡があるからだよ」
結果を分析することは非常に大切なことですが、結果から逆算して的中させるのはフェアでないと思います。
それに該当しない例もたくさんあるのですから。
参考までに、増永先生の鑑定では、次のようになります。
【庚戌日】生まれの個性と適性【男性】
《個性》
- 控え目な態度と柔和な風貌をもった内気な人柄である。
- 言葉遣いも途切れがちの朴訥さがあって能弁とはいえない。
- 身分不相応な華美、絢爛さを避け、むしろ実力以下の清貧を理想としている趣がある。
- 栄達や賞賛を目的とせず、いわば仕事が趣味といっていいほど、一途にコツコツと陽の当たらない分野において打ち込んだ努力を続ける性格である。
- 人情家であり、常識家でもあるので、弱者に対する思いやりも深い。
- 優柔不断で、鋭さを欠く傾向はあるが、道理を踏まえた円満な人格者。
《仕事への適性》
- 芸術的な感性に恵まれることも多く、技術や研究の分野に没頭できる根気のよさもある。
- 一か八かの勝負度胸や、才気煥発の機敏さはないが、経験的な合理主義で貫かれた確かな人生態度は、どのような社会にも家老的な存在として役立つ。
- 人生の前半を修業、中期を仕事にあてて、後期はもっぱら後進育成に捧げる、教育者的人物である。
- 前線の指揮官より組織内部の調停役向きだ。
《職場の人間関係》
- 人柄が優しく、同情心もあるので、部下の意見に押されて調整に手間取り、決断が鈍りがちになる。
- 悪くすると、つんぼ桟敷の危険もあるが、潤滑油的存在の価値は高い。
以上、『生まれ日占星術』増永篤彦 から引用しました。
今は入手が難しいようですね。
ですので、手に入りそうな他の著書を紹介します。
私の実感では、増永篤彦先生の鑑定は、友人像にピッタリ!です。
クマに例えるならこういう人です。
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【四柱推命】性格分析で大切なこと
【四柱推命・庚の性格】土が多すぎると…
十干から性格傾向を分析するのは四柱推命の入り口としてはとても楽しいです。
しかしながら、それで分析できるのはたった10種類です。
あくまでも、4つの柱からなる命式全体を見る必要があります。
強いといわれる庚でも、他の干支から剋されて弱っていたら強いはずがありません。
よく使われる言葉に「土多埋金(どたまいきん)」があります。
土が多すぎて、文字通り金が埋まって外に出られない状態の命式のことです。
こういう人は、大人しくて優しい傾向が強くなります。
三柱で見る限り(生時不明のため)、友人の命式は土多埋金にはなっていませんが、その性格から時柱に「土」がある可能性が高いです。
庚の持ち味である強さや豪快さが発揮されず、地味なタイプになります。
土を取り除くためには「甲」が命式に欲しいところです。
【四柱推命・庚の性格】庚の本質があらわれるとき
庚は丁火で鍛錬されることが必要です。
しかしながら、友人は亥月の冬生まれのため丁火だけでは寒気に勝てません。
寒さを凌ぐには丙も必要です。
友人の命式に、甲があれば丁を生じます。そのうえ、丙があれば吉命となります。
ただし、身旺の人でなければ、丙丁の熱に負けて苦しい人生になります。
「熔金(ようきん)」といって、溶けて役に立たなくなるわけです。
では、庚が強いのはどういう命式かといいますと、それは「強金」の時です。
つまり、月令を得て比肩・劫財が多い命式です。
そうなると、まさに怖い人になります。
意志が強い、決断力あり、行動的、負けず嫌い、合理的、正義感、義理と人情、攻撃的、頑固、粗雑、粗暴、果敢、気性が激しい、短気、淡泊、積極的、波乱
などの性質が発揮されます。
今回の記事では、一概に「庚=強い、怖い」とならないことについて書きました。
命式全体をみないとわからないのです。
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