日本語の「うた」には何種類もあることを知っていますか?また、それぞれの違いがわかりますか?
だいたい7種類あるのですが、違いがハッキリ言える人は多くないと思います。
日本語は、奥ゆかしく繊細な言語ですから単純ではないですよね。
その日本語をとてもわかりやすく説明してくれる良書があります。
その本を読めば、スラスラ楽しく理解できます。
この記事では、その本を参考に「うた」について書いてみます。
引用したのは『漢字 ときあかし辞典』です。
歌う・唄う・詠う・謳う・謡う・唱う「うた」の7種類!「うたう」ことは素晴らしい!
歌
- 音読み・・・カ
- 訓読み・・・うた-う うた
- 部 首・・・ 欠 (あくび)
声を出して「うたう」ことを意味する。部首「欠」は、「口を大きく開ける」ことを表す。
日本語「うたう」にはさまざまな意味があるが、「歌」は中でも、音楽に合わせてうたう場合に用いるのが基本。
- 詩を作る場合は「詠」
- 謡曲をうたう 場合は「謡」
を使うことが多い。
- 「ほめたたえる」「宣言する」場合には「謳」
- 「はっきりとうたう」場合には「唱」
を使うこともある。
以上、『漢字 ときあかし辞典』からの引用でした。わかりやすいですよね。
さらに引用します。
一方、「うた」と訓読みする漢字には「唄」もある。 「歌」が広く「うた」一般を指すのに対して、「唄」は庶民がうたう素朴な「うた」のイメージを持つ。
また、「ある愛の詩」のように、「詩」をあえて「うた」と読ませて、詩的なイメージを強調することもある。
「うたう/うた」を書き表す漢字にこれだけバリエーションがあるのは、生活のいろいろな場面で「うた」が歌われてきた証拠だろう。なお、日本語では、特に「和歌」を指すこともある。「歌人」「歌壇」「歌を詠む」な
どが、その例である。
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唄
- 音読み・・・バイ
- 訓読み・・・うた
- 部 首・・・口(くちへん)
「小唄」「端唄(はうた)」「ゴンドラの唄」など、庶民がうたう素朴なうたを指す。
ただし、これは日本語独自の用法。本来は、「仏教でうたわれるうた」を意味する古代インド語に当て字するために作られた漢字。それが「素朴なうた」を表すようになったことからは、 仏教が日本の庶民に深く根を下ろしていったことがうかがえる。
「唄」と書くと、素朴な味わいが出る。
なお、現在では、音読みはほとんど使われない。
以上、『漢字 ときあかし辞典』から抽出しての引用でした。
私も文章を書くときに、「歌」と「唄」に迷うことが少なくありません。しかし、この本を読んでスッキリしました。
詩
- 音読み・・・シ
- 訓読み・・・うた
- 部 首・・・言(ごんべん)
文学のジャンルの一つ「詩」を表す。ことばの響きやリズムを重視しながら、物語や心情を歌い上げたもの。
「詩人」「詩集」「叙事詩」などがその例。「詩歌(しいか)」でシイと読むのは音読みシが引き伸ばされたもの。
ときには「風の詩(うた)」「哀しみの詩(うた)」のように「うた」と訓読みして、文学的な雰囲気を強めることもある。
起伏のついたメロディを伴うことの多い「歌」や素朴な民謡のイメージがある「唄」と比較すると、落ち着いた理知的な雰囲気を持つとも言える。
熱い想いを秘めつつも表現はきちんと磨き上げるという、端正な漢字である。
以上も、『漢字 ときあかし辞典』から抽出しての引用でした。
詠
- 音読み・・・エイ
- 訓読み・・・うた-う よ-む
- 部 首・・・言(ごんべん)
部首「言」にに「永」を組み合わせ、声をながく引いて読むところから、「調子を付けて朗読する」ことを表すのが、本来の意味。転じて、調子も付けず声も出さず、詩歌を作る場合にも使う。「吟詠(ぎんえい)」「朗詠(ろうえい)」「詠歌(えいか)」などがその例。
「うたう」と訓読みするが、旋律にのせてうたう場合は「歌」を用いて区別する。また、「よむ」と訓読みすることもあるが、これは詩歌に関係する場面だけで、一般的には「読」を使う。
なお、「詠嘆(えいたん)」では、深く感じて思わず声を出すという意味で使われている。
またまた、『漢字 ときあかし辞典』から抽出しての引用でした。
謡
- 音読み・・・ヨウ
- 訓読み・・・うた-う、うた-い
- 部 首・・・言(ごんべん)
本来は、「民謡」「童謡」など人びとの間で自然発生的にうたわれる歌を表す。
多くは伴奏なしにうたわれるもので、もともとは儀式などで伴奏に合わせてうたわれるものだった「歌」とは、そこが異なる。
「歌謡(かよう)」は、その両方を併(あわ)せていう熟語だが、人びとがカラオケで「歌謡曲 」を熱唱している姿には、「謡」の本来のイメージが残っているようにも思われる。
日本語では、「謡曲(ようきょく) 」「能(のう)を謡(うた)う」「謡(うたい)の稽古」のように、特に「能の楽曲」を指して使われることも多い。
訓読み「うたう」は、現在では「歌」を用いるのが一般的。ただし、「能の楽曲」をうたう場合だけは、「謡」を書く。
なお、「うたう」と訓読みする場合には「う」を送りがなとするが、「うたい」の場合は送りがなを付けないのが習慣。
以前は「謠」と書くのが正式。部首「言」からは、メロディよりも歌詞に重点があったことがうかがえる。
これまた、『漢字 ときあかし辞典』から抽出しての引用でした。どこまで頼るんでしょうか…。
謳
- 音読み・・・オウ
- 調読み・・・うた-う
- 部 首・・・言(ごんべん)
本来は、大勢で歌うことを表す漢字。転じて、「高らかにほめたたえる」「はっきりと宣言する」という意味で用いられる。「謳歌(おうか)」は、おおっぴらに楽しむことをいう比除的な表現。大勢の前で堂々と、というニュアンスを持つ漢字である。
訓読み「うたう」は、現在では「歌」を使うのが一般的。「平和の貴(とうと)さを謳(うた)う」「才能を謳(うた)われる」「謳(うた)い文句」のように書くと、「ほめたたえる」「宣言する」という意味合いが強く出ることになる。
これまたやっぱり、『漢字 ときあかし辞典』から抽出しての引用でした。どこまで頼るんでしょうか…。
大学生のことを昔は「青春を謳歌する」とよく言ったものですが、今はあまり使われないみたいですね。
次でいよいよ最後、7つ目です。
唱
- 音読み・・・ショウ
- 訓読み・・・とな-える、うた-う
- 部 首・・・口(くちへん)
基本的な意味は、はっきり声に出すこと。「復唱(ふくしょう)」「万歳三唱(ばんざいさんしょう)」「ご唱和(しょうわ)ください」「お祈りを唱(とな)える」などがその例。
転じて、「提唱(ていしょう)」「唱導(しょうどう)」のように主張することを表す場合もある。
「合唱」「独唱」「歌唱力」など、歌をうたうことを指して用いるのは、「はっきり声に出す」から変化したもの。
訓読み「うたう」は、現在では「歌」を書くのがふつう。あえて「唱」を使う場合でも、「はっきり」のイメージがあるので、「鼻歌をうたう」などでは使わない方がよさそうである。
『漢字 ときあかし辞典』さん、ありがとうございました。これで引用は終わりにします。
歌う・唄う・詠う・謳う・謡う・唱う~「うた」には幸運が寄ってくる
先人たちが自然にやってきたことは、理に適(かな)ったことが多いと思います。
「うたう」こともその一つです。
人を送り出す悲しいときにはレクイエム。せつない恋心は相聞歌。
などをうたって負の感情を吐き出し、悲しい思いを整え、ストレスを解消し、明日を生きる力にしてきたのだと思います。
それは、現代の心理学にも通じるし、もちろん開運にも通じることです。
心理学も占いも、どうしたら幸せになれるかを探究する意味において共通点は少なくないのです。
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