「風邪は万病の元」と言いますが、本当の万病の元は「ストレス」ではないかと思います。
「ストレスをためない生活をしよう!」。言うのは簡単ですが、これが非常に難しい。
「ためない!」という意識が逆効果となり、さらにストレスをためてしまうことが多いはずです。
「早く眠りたい」と考えるほど眠れなくなるように。
「ストレスをためるのをやめよう」ではなく、「どうせたまるのだから捨てる方法を身につけよう」の方が現実的だと思います。
今日は、ストレスをためない方法と上手に捨てる方法を考えてみます。
【ストレス=生活の雨】降らないはずがない
ストレスをためる原因は、
- 職場や学校の人間関係
- 家族の人間関係
- 親の介護。子育て
- 自分や家族の病気
- お金の悩み
- 理想と現実のギャップ
- 時間がない
- 仕事の成果が上がらない苦しみ
- 毎日が同じことの繰り返し
数え上げたらキリがありませんが、多くの原因は人間関係にあると言えそうです。
仕事の苦しみも「他人の評価」が原因の根本にあることが少なくありません。
【ストレス=雨】心の中のバケツの水
生きているとストレスは常に身に降りかかってきます。
「心に降る雨」に例えると、雨の種類は次のようになります。
- 苦手な上司のひと言
- 合わない同僚と一緒に仕事をする
- お姑さんの心無い一言
- 言うことを聞かない子どもの言動
- 家事に協力な夫
- 愛情を注いでくれない夫の言動
- 大嫌いな人と道路ですれ違う
- 家計簿を眺める
- 「私の人生、これでよかったの?」と考えること
- 誰かに対する嫉妬や羨望
- 誰も自分を認めてくれないと感じること
キリがないのでやめますが、上のようなことが原因で「心のバケツ」はドンドン満タンになっていきます。
水がたまればたまるほどバケツの重量が増し、人生を歩む足取りが重たくなる。
これがストレスというものですね。
言い換えれば、誰しも心の中にバケツを持っているわけです。
軽いほど運ぶ足取りが軽快になるのは実際のバケツと同じです。
【ストレス=バケツの水】ためない方法・捨てる方法
一つの方法として、「バケツに水がたまるのは当たり前」と割り切ることです。
「たまっちゃった」と思うより、「水がたまって当たり前」と考える方が気が楽です。
大事なことは、水がバケツからあふれる前に水を捨ててしまう方法を見つけることです。
- ストレス=水
- ストレスの原因=雨
- ストレスを受け止める心=バケツ
に例えて対処法を考えてみます。
《ためない方法1》場所を変える
激しく雨が降る場所には誰だって行きたくありません。
でも、行かなければならない。
人生ってそんなことの繰り返しといっても過言ではないですよね。
では、雨が降る場所とはどういうところか。
職場、家庭、学校、近所などなど。
でも、極端にいえば、雨が降る場所に行かなければ水はたまらないわけです。
つまり、職場に行かない、家庭に帰らない、学校に行かない。
しかし、それだと一時的に気は楽になりますが、そう簡単ではありません。
なぜなら、その後のうれしくない結果が容易に予想できるからです。
- 職場に行かない⑴⇒収入が途絶える
- 職場に行かない⑵⇒職場の状況が気になる⇒罪悪感
- 家庭に帰らない⑴⇒家庭が崩壊⇒残された家族の心配
- 家庭に帰らない⑵⇒離婚⇒子どもは?老後は?
- 学校に行かない⑴⇒勉強が遅れる⇒将来の進路は?
- 学校に行かない⑵⇒噂が気になる⇒ますます行きにくくなる
- 学校に行かない⑶⇒親への罪悪感
ということで、最終的には逆にストレスを大きくしてしまう危険性をはらんでいます。
ただし、前向きな変化を求めるのであれば、次の方法は選択肢に入れてもよいでしょう。
- 職場に行かない⇒転職する
- 家庭に帰らない⇒別居する、話し合って離婚する
- 学校に行かない⇒転校する
《捨てる方法1》蒸発させる
「たまってしまったものは仕方がない」と、蒸発させて水を減らす方法があります。
心が“暖かく”なる場所にバケツ(自分)を持っていくことです。
つまり、心から楽しめる場所に行くことでストレスを解消する方法です。
- 絵が好きな人は美術館に
- 音楽が好きな人はコンサートに
- 温泉が好きな人は温泉に
- スポーツが好きな人は観戦に
- 旅が好きな人は旅行に
本当に好きなことを楽しんでいる時は、水が少しずつ蒸発している時です。
これは有効な方法です。
しかし、難点としては、
- 忙しい時は実行できない
- お金がかかる場合が多い
- その時は楽しくても、いつか現実に引き戻される
それでも、自分の心の調整のためには時には必要なことです。
確実にバケツの水が減少するからです。
《捨てる方法2》穴を開ける
昔、「鈍感力」という言葉が流行りましたが、今の時代には特に重要な力かもしれません。
鈍感というのはえてして人からバカにされやすく、「あんた鈍感だね」は概して失礼な言葉です。
しかし、最近は褒め言葉になっている感じがします。
特に、男性は「神経質だね」という言葉を嫌う傾向があります。
それだったら「ちょっと鈍感だね」の方が喜ばれたりします。
本来は少し違うのですが、
- 神経質=気が小さい、ナイーブ、器が小さい
- 鈍 感=気が大きい、コセコセしていない、器が大きい
最近は、こういった印象から「鈍感」という言葉はそれほど嫌われものではないようです。
むしろ「大物」の雰囲気を漂わせる言葉です。
ただここで、「ニブイ」と言ってしまうと、心にトゲが刺さります。
「あんた、ちょっとニブいね」
よりも、「あんた、ちょっと大物すぎるよ」と言うほうが相手に受け入れられやすくなるでしょう。
話は戻りますが、バケツにたくさん穴を開けるのは、よい意味で鈍感な自分になることです。
- 人の言葉にムキにならない
- 人の言動を意識し過ぎない
- 人に馬鹿にされていよ(親父の小言)
ただし、これまた簡単ではありません。
なぜなら、価値観や性格を変えるのは非常に難しいことだからです。
《ためない方法2》雨を止める
天候を変えることは不可能ですが、事象を限定すればできないことはありません。
例えば、
- イヤな態度を取る人を黙らせる
- イジめてくる相手を先生に指導してもらう
- 仕事をサボる同僚を上司に注意してもらう
などの場合です。
ただこれも、物理的パワーで人の行動を変えるものなので、うまくいく場合と逆効果の場合とが考えられます。
失敗すると「チクったな」と逆恨みを買う事態もありえるからです。
しかし、本当に苦しい場合には、法律や公的権力に助けてもらうなど現実的な対処方法も視野に入れるべきです。
《捨てる方法3》吐き出す(語る、泣く)
私はこの方法が一番現実的だと思います。
「たまってきたな」と思ったら捨ててしまう方法です。
どうやって捨てるかというと、昭和のサラリーマン方式です。
昭和のサラリーマンが打たれ強かった原因の一つは居酒屋にあると思っています。
仕事帰りに気が合う同僚と一杯やりながら、
- 上司の悪口を言う
- そこにいない同僚の批判をする
- 時に自慢をする
- 傷をなめ合う
- おだて、励まし合う
これらはストレス解消に非常に効果的だったはずです。
ちょっとストレスがたまって、心が苦しくなってきたら、
「今夜、帰りにいっぱいやらない?」
と誘い合って、愚痴・悪口として吐き出す。
時には家庭の愚痴を語る。
ある時には「お前はすごい。俺はお前の頑張りを知っている」など褒めてもらって、心がスッキリする。
今の時代はこれが欠けていますね。
コロナの影響でさらに拍車が掛かりました。
ストレスも当然たまるわけです。
また、こういう社交の場が苦手で「逆にストレスになる」という人も増えてきました
だんだん打たれ弱くなる道理です。
- 男性も家事をするのが当たり前の共働きの時代
- 男性ばかり飲んでから帰宅というわけにはいかない
- 何度か飲みに誘うとお気楽モノのレッテルを貼られてしまう
もう一つ加えると、いくら友だちでも毎度同じ悩みを相談されると「また?その話?」と疲れてしまうものです。
悩み相談というのは、友だちなら一度や二度は真剣に聞いてくれ、アドバイスもしてくれるものですが、何度も重なるとさすがにイヤになるものです。
また、内緒の話を言い広められる危険性もゼロではありません。
本当に悩みが深い相談は親友に限定して、しかも何度も回数を重ねないことが大切です。
「秘密が外部に漏れず、何度でも話を聞いてくれる人」
こういう友だちはなかなかいません。
また、何度も悩みに耳を傾けられる余裕が現代人にはありません。
では、どうしたら?カウンセリングや占いはそういう人たちのために存在します。
それから、
「お酒はどうにもならない悲しみときのためにある」
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【あとがき】泣くこと⇒大脳をリセット⇒究極の癒し
脳生理学者・医師の有田秀穂先生、
「泣くことは『大脳が発達した人間を瞬時にリセットさせ、究極の癒しをもたらす仕組み』
以下は、『読売新聞オンライン』からの引用です。
泣いた後、アタマの中では、本来交感神経が主に働いているはずなのに副交感神経の働きが強くなることが分かっています。
昼間活動している時間なのに、夜眠って体を休めているときと同じような神経回路にモードが切り替わっているのです。
泣くとすっきりすると言われているのはこのためです。緊張がやわらぎ、不安やネガティブな感情が解消されてしまうのです。
【俺はググらない】泣くのは脳からの指令…有田秀穂さん : 読売新聞オンライン
次は私自身が聞いた話です。
幼児教育に携わる先生が幼稚園児の保護者を対象とする講演で次のように語っていました。
子どもは泣くことが仕事です。
泣き出したら止めたりせず、泣き終わるまで思い切り泣かせてあげましょう。
泣きながらストレスを発散させているのです。
泣くことを無理にやめさせたらストレスは解消しません。
小さな子どもが大泣きする声は耳をつんざくような大音量だったりします。
もちろん人に迷惑がかかる場所は別でしょうが、自宅においては思い切り泣かせてあげることも大切なのでしょう。
これは大人にも言えるようです。
悲しい映画や切ない音楽になぜ人気が集まるのか。
心のブレーキを外して泣きたい時が大人にもあるからでしょう。
泣くことを回避するより、場合によっては思い切り泣いた方が心の栄養になる、人はそのことを本能的に知っていたのでしょう。
笑う時は笑い、泣く時には泣く。
それが人間の自然の姿だと思います。
ドリフや欽ちゃんのコントを視聴して腹を抱えて笑う。
大いにけっこう。とてもよいことではないでしょうか。
居酒屋で悲しい曲を聴いて涙を流す。
一人部屋にこもって、切ない曲を聴きながら号泣する。
泣くこと⇒大脳をリセット⇒究極の癒し
ポジティブでもネガティブでも、時には自分の気持ちに素直になって感情を出し切ることも大切なことだと思うのです。
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