会議において意見の発信は大切ですが、思いつきの発言が多く、現実とのギャップが大きすぎると「勘違い人間」と言われてしまいます。そこに強い自己顕示欲が重なれば、「迷惑な人」として煙たがられてしまいます。しまいには後輩から嘲笑されるハメに…。
本人に決して悪気はないだけに見ていて気の毒でした。
自己顕示欲が空回りする男性の四柱命式
【四柱推命】辛日生まれ、日干が弱い「印綬格」
本人に出生時刻を尋ねましたが、「親に聞いたけど記憶に自信がないみたい」ということなので三柱推命になります。やや精度が下がることをご了解願います。

日干のエネルギーが相当弱い「印綬格」の命式です。
月支「印綬」が年支と月上にある「正財」から剋を受けるのと同時に空亡しています
さらに、日支「偏印」と混濁しているため、月支の「印綬」はやや偏印化しており、印綬格としては、格の低下は免れません。
ここまで条件が悪いと、この人は「印綬」の良能を発揮できません。つまり、印綬格が破格しています。
- 印綬格が破格になると、父祖から受け継いだ資産が耗散すると言われています。空亡もしているため、父母の援助や目上の引き立ても望みにくいです。また、迷いが多い人生になります。
- 印綬格が正財によって破格すると、印綬の徳が消えて人格に濁りを生じ、身勝手で感情的かつ衝動的な性格となり、精神や神経を病みやすくなります。
- 偏印格に正財が近貼するのは良いですが、印綬格の場合は害が多いです。
- 印綬格が、干頭(月上)に正財があります。これを「干頭に忌神を見る」といいます。順調に進んでも、いざというときに周囲から邪魔が入るなどの妨害が起こりやすいです。
性格分析
「辛丑日」生まれの男性の傾向
基本的には慎重です。人と団結しようという気持ちは強いですが、自尊心の強さが時として邪魔をします。またやや猜疑心が強いため気苦労が多いです。
日干「辛」で五行が「金」
五行の金は義を司り、頑固で強情なところがあります。独自の正義感があって、義理人情を重んじます。
「辛」は、多少陰気で猜疑心が強いところがあります。上品で傷つきやすく神経は繊細です。
月支に印綬が出ると、おっとりした人が多く、頭が良くて情が深いです。また、病気が少なく、食べることには困らないなど福分も相当あります。
※この男性の印綬は破格しているため、福分がレベルダウンします。
負けず嫌いでプライドが高く、自分を立ててもらうことが好きです。
日干が弱いため
人柄は温厚な好人物ですが、自立心や主体性にやや欠けやすいです。また、人の言動に左右されやすく、他人に対する依存心が強いです。
日干が弱い月支印綬の人は
- 性格は穏やかですが、夢や理想を追い求める傾向が強いです
- プライドが高く、考え方は保守的です
- 自己中心的で打算的なところがあります
ただし、月支印綬が弱いため
- 精神が安定しにくく、身勝手で感情的になりやすいです
- プライドを傷つけられることを何より嫌います
- 偏印を交えるため、気分散漫で気迷いが多いです
見た目は、月上正財の影響で
- 明朗で好かれやすい雰囲気があります
- 真面目でプライドが高い常識人の雰囲気があります
生月が空亡しているため
- 人の話を聞いているようで聞いていません
- 集中力が欠けやすく、地に着いた冷静な判断が苦手です
この命式の男性ですが、後輩から「思いつきで意見を言うのはやめてください」「気分で発言しないでください」などと数人の後輩から言われてかなり落ち込んだようです。
ちょっと気の毒ですね。悪い人では全然ないです。「辛」の人ですから見かけより傷つきやすいです。
思いつきの発言が多い原因は
前述の性格分析の赤文字部分が原因でしょう。
- 身勝手で感情的かつ衝動的な性格 ⇒何か言いたい衝動が強い
- 頑固で強情、独自の正義感 ⇒自分の考えと違うやり方に合わせるのが苦手
- 負けず嫌いでプライドが高く、自分を立ててもらうことが好き ⇒一目置かれたい
- 他人に対する依存心が強い ⇒自分を認めてもらいたい
- 夢や理想を追い求める傾向 ⇒理想が高く、妥協したくない
- 気分散漫で気迷いが多い ⇒思いつきで発言してしまう
- 聞いているようで聞いていない ⇒会議を混乱させる
う~ん、どうやら自分を抑えるのが苦手な性格みたいですね。自己顕示欲はそれほど強くないようです。
悪気はないのに、言わずにはいられない人っていますよね。簡単に言えばそういう人です。

空亡の解消が開運の第一歩なのだが…
空亡を解消できる時期は、
第6運 42~51歳「己 酉」偏印運 西方金運
「酉」は辰と支合するため、空亡解消のチャンスでしたが、偏印運が残念でした。格である「印綬」が濁りを深めるからです。
格も日干も強くなるため悪い運気ではないのですが、心理的不安定感は拭い去れません。
71歳まで劫財運と比肩運が巡るためムダな気負いが出やすく、対人関係が空回りしやすい時期が続きます。これもひと言多い理由になっています。
大運に「卯」が巡ってくると「寅卯辰」の東方合が出来上がるため空亡は解消されます。しかし、それが巡るのは102歳です。遅きに失しますね。
ということで、不安定感が常につきまとう人生になります。
思いつきでものを言う⇒発言にブレが生じやすい⇒周囲から信頼が得られない
⇒焦りからまたアクションを起こす⇒・・・(繰り返し)
という悪循環にハマりやすい人です。
また、偏印と印綬が強いと直感性が強くなります。それが悪く出ると、時々突拍子もないことを言う人と思われ、上の悪循環に拍車が掛かります。
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思いつき発言を改善するための5法則
法則1.【衝動の抑制】「6秒ルール」で立ち止まる
衝動的な発言や怒りのピークは、最初の約6秒間で過ぎ去ると言われています。
具体的な行動例
- 発言したい衝動を感じたら、まず深呼吸を3回する
- 心の中で「6、5、4、3、2、1」とカウントダウンする
- 手元のペンや景色など、話題の対象ではないものに意識を向ける

法則2.【聴く姿勢】相手の話を「最後まで聞く」に徹する
相手の話の途中で自分の考えがひらめいても、口を挟まず、最後まで聞き役に徹する習慣をつけます。
相手の話を早とちりすることなく、正確な情報を理解できます。また、話を聞ける人として周囲からの信頼度もアップします。
具体的な行動例
- 相槌は「はい」「なるほど」に留め、反論や意見の言葉はノートにメモする
- 相手が話し終えて、「何かありますか?」などと促されてから発言する
法則3.【視点の変換】発言前に「相手の立場」を想像する
発言する前に、「この言葉を言ったら相手はどう思うか?」「相手の状況を考えても、この発言は適切か?」と相手の感情や状況を想像する習慣を身につけると、軽率な一言や相手を傷つける発言を防ぐことができます。
具体的な問いかけ例
- 「これを言われたら、私だったらどう感じるだろう?」
- 「この場の目的(会議、相談など)から逸脱していないか?」
法則4.【論理性の確保】主張に「根拠」をセットにする
思いつきの発言は、根拠や論理が欠ける場合が圧倒的に多いです。自分の発言に一貫した論理性を持たせる習慣をつけましょう。
具体的な行動例
- 「~だと思う」と言いたい時は、必ず「なぜならば(根拠)~だからです」をセットにする
- 感情的な意見ではなく、できるだけデータや事実に基づいた発言を心がける

法則5.【セルフモニタリング】自分の傾向を「記録・共有」する
自分がどのような状況で、どんな発言をしやすいのかを客観的に把握し、周囲にも理解を求めておくことが改善への第一歩です。
具体的な行動例
- 発言してしまった後に、「いつ」「どこで」「どんな発言をしたか」を簡単に記録する(ジャーナル療法)
- 信頼できる同僚や上司に、「すぐに口を挟んでしまう癖があるので、遠慮なく注意してほしい」などと事前に伝えておく
これらの法則を意識的に実践することで、衝動的な発言を抑える「心の筋力」が鍛えられ、より建設的で信頼感のあるコミュニケーションができるようになります。
その暁には、後輩たちの見る目もガラッと変わってくるに違いありません。
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