この世(宇宙)は、二象一態(陰と陽)から成り立っていて、そこに例外はありません。
例えば、紙には表と裏があり、裏がない紙は表も存在しません。つまり、物質として存在できないわけです。
男(陽)と女(陰)がいて、この世は成り立っています。
【四柱推命の基本】陰陽説(二象一態)と五行説
夜がなければ、「昼と夜」の区別も認識もありえません。
素粒子にしても、原子核(陽子と中性子)と陰電子で構成されています。
つまり、最小の素粒子でも二象一態から逃れられません。
身近な例では、リンゴの皮には、表(陽)があれば必ず裏(陰)があります。
表しかないリンゴの皮をこれまで見たことがありません。
【陰陽説】すべては二つが一つになって作用する
- 天と地
- 日と月
- 明と暗
- 上と下
- 北と南
- 暖と寒
- 前と後
- 表と裏
- 男と女
- 父と母
- 親と子
- 夫と妻
書き出すとキリがありません。
地上はすべて二つのものが完全な形の一つになって作用しています。
これを二象一体といいます。
電気にもプラスとマイナスがあり、磁石にもN極とS極とがあります。
これら二象は切っても切れない関係にあります。
しからば、五行においても当然のごとく陽と陰が存在します。
【五行説】五行の二象一態「陰陽五行説」
宇宙に存在する物はすべて五行(木火土金水)の関係から成り立っていると考えるのが「五行説」です。
「陰陽説」の後に「五行説」が生まれ、それが合体して「陰陽五行説」となりました。
五行(木火土金水)を陰と陽の二態に分けたもの。それが次の十干(じっかん)です。
陽木「甲」きのえ・コウ
- 類推事象⇒大木や柱のような木
- 色⇒青
- 性質⇒穏順篤実(おんじゅんとくじつ)
陰木「乙」きのと・オツ
- 類推事象⇒庭木や盆栽のような木
- 色⇒青
- 性質⇒消極動揺(しょうきょくどうよう)
陽火「丙」ひのえ・ヘイ
- 類推事象⇒太陽や原子力のような火
- 色⇒赤
- 性質⇒陽気旺盛(ようきおうせい)
陰火「丁」ひのと・テイ
- 類推事象⇒月星や灯火のような火
- 色⇒青
- 性質⇒柔和順良(にゅうわじゅんりょう)
陽土「戊」つちのえ・ボ
- 類推事象⇒山や堤防のような土
- 色⇒黄
- 性質⇒剛強不屈(ごうきょうふくつ)
陰土「己」つちのと・キ
- 類推事象⇒田畑や野原のような土
- 色⇒黄
- 性質⇒順和穏良(じゅんわおんりょう)
陽金「庚」かのえ・コウ
- 類推事象⇒鉱石や製鉄のような金
- 色⇒白
- 性質⇒剛気果断(ごうきかだん)
陰金「辛」かのと・シン
- 類推事象⇒指輪や針金のような金
- 色⇒白
- 性質⇒陰気慎重(いんきしんちょう)
陽水「壬」みずのえ・ジン
- 類推事象⇒海や大河に流れる水
- 色⇒黒
- 性質⇒広大活達(こうだいかったつ)
陰水「癸」みずのと・キ
- 類推事象⇒地下水や小川に流れる水
- 色⇒黒
- 性質⇒細心穏健(さいしんおんけん)
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【四柱推命の基本】万物生存五原則
【四柱推命の根本原理】万物生存五原則とは
四柱推命の根本原理に「万物生存五原則」があります。
- 万物は、それと同等のものがいる
- 万物は、それが生じるものがある
- 万物は、他を侵して生きる
- 万物は、他から侵されるものがある
- 万物は、それから生じられている。
以上の五原則のもとで、人は生きています。
これを万物生存五原則(五行)といって、人間の生存に最も大切なものとします。
いつの時代の人もどこの国の人も、偉い人もお金持ちも、全ての人がこの原則の中で生きています。
- 自分に兄弟がいる。男女もともに同じ人間、同等である。
- 体内から排池物が出る。声・知なども体内から生じるあらゆるものを含む。
- 生きるには動植物を食物にしなければならない。これは相手を侵すことになる。
- 生命は、病魔・病菌に侵され、ついには死亡する。
- 人間・動植物あらゆる生命は、親から生まれている。
【五行の関係】木・火・土・金・水
この万物生存五原則は、
木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)
の五行の関係と、それぞれの作用から成立します。
前述の五原則を具体例で説明しますと、次のようになります。
たとえば、自分を「木」とします。
- 同等のものは「木」。通変星では「比肩・劫財」
- 生じるものは「火」。木は燃えて火を生じます。通変星では「食神・傷官」
- 他を侵して生きるは「土」。木は土から養分を吸収します。通変星では「正財・偏財」
- 他から侵されるは「金」。木はのこぎりで伐られます。通変星では「正官・偏官」
- それから生じられているは「水」。水がないと木は生きられません。通変星では「印綬・偏印」
さて、ここで一番イヤなもの、それは4ですね。
しかし、木は金で伐られることで家具になり有用な働きをします。
また、適度に剪定(教育)されない木は、勝手気ままなだらしない木に育ってしまいます。
人間も木も、ある程度の厳しさで鍛えられないとダメなんですね。
【四柱推命】五行からの性格分析?
「五行からの性格分析」について書かれている本が多くあります。私も数名の鑑定士さんから次のことを教わりました。
例えば、ザッと書き出してみると、
日干「甲」の人
- プライドが高い
- 上に伸びようとする(向上心がある、リーダーシップ)
- 曲がったことが嫌い
- 思いやりと厳しさの両面を持っている
日干「乙」の人
- 一見弱々しくデリケートだが柔軟性がある
- 温和な性質で適応力がある
- 自己主張しないため、多くの人に好かれやすい
- 意外なしたたかさがある
日干「丙」の人
- エネルギッシュで目立つ
- 明るくておおらか
- さっぱりしていて寛大な性質
- ややせっかちで短気な面あり
日干「丁」の人
- 物静かで穏やか
- 情熱を内に秘め、怒りがたまると激しく爆発することも
- 頭脳明晰でやや神経質
- 思慮深い慎重派
日干「戊」の人
- 楽天的だが頑固な面あり
- どっしり落ち着いていて機敏性はない
- 温厚で情に厚く面倒見がよい
- 安定感があり人から頼られる
日干「己」の人
- コツコツ努力することが得意
- 決断力や集中力にはやや欠ける
- 親しみやすくやや保守的
- 穏やかな性質で根気がある
日干「庚」の人
- 意志が強く、剛強
- 決断力がある行動派
- 負けず嫌いで、粗野になることあり
- 正義感が強く、義理堅い
日干「辛」の人
- 繊細かつ敏感で気品がある
- 要領が良いが、好き嫌いもはっきりしている
- プライドが高く世間体を気にする
- 苦労性の人が多い
日干「壬」の人
- 変幻自在に形を変える柔軟性と強さとを持つ
- 頭の回転が速く、束縛を嫌う
- リーダー性があるが、気が変わりやすい
- 遊び上手で社交的
日干「癸」の人
- 穏やかで物静か、そして繊細かつ正直
- 神経が細やかで空想を好む
- 内向的で気が小さく、細かいことを気にする
- 悲観的になりやすいが忍耐力あり
私も初学の頃は、十干で人を分析する面白さにハマって、多くの人の命式を作って喜んでいたものです。
「あ、あの人はやっぱり乙だ!」
といった感じで(^_^)。
ところが、学びを深めるうちに、五行だけで判断するのは危ういことを知りました。
エンターテインメントとして楽しくても、正確な人間分析には足りません。
たとえば、日干「庚」の人でも、庚が強い土に埋もれていたら「埋金」となり、庚の性質は影を潜めます。
ある程度の傾向はわかっても、人間というもの10種類の区分けができるほど簡単ではありません。
- 日干の強さは?
- 用神の力量は?
- 他の通変星の強さと影響は?
- 十二運の強さは?
- 月令は当権・失令・進気・退気のいずれか?
- 五行のバランスは?
- 干合、支合、七冲、三刑は?
- 方合・三合は?
- 不足しているのは?余分なものは?
などなど、命式全体から判断しなければ正確な分析はできません。
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あとがき【四柱推命の基本】人間の中の二象一態
「二象一態」を人間分析に当てはめると次のようになります。
- 精神・気力=「体」
- 素質・才能=「用」
この2つの要素が、巧妙に密着融合して一人の人間として実在します。
- 体と用のバランスが良い⇒安定した人生
- 体と用のバランスが悪い⇒不安定な人生
となります。
気力だけで生きている人はいません。
また、素質や才能だけで生きている人も存在しません。
人間の内部も「二象一態」で成り立っているわけです。
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