悪役レスラーだった鶴見五郎さんが亡くなりました。
胸に付けたドクロマークは悪役の印でした。
本当の鶴見五郎さんは、東海大学理学部物理学科の卒業で、卓越したレスリングセンスもあり、文武両道の人でした。
ご冥福をお祈りいたします。
プロレスラーの仕事は、お客さんに戦いを見せることです。
称賛を浴びたいとか強さを誇示したいなどの願望があるはずです。
しかし、全員が強くてカッコよかったら、ストーリーは成立しません。
時代劇と同様に、そこには善玉と悪玉の存在が不可欠です。
プロレスの悪役は、カッコ悪く負けなければなりません。
その仕事に徹するのは、相当な克己心が必要だと思います。
本当は強くて優しいのに、全盛期は悪役と負け役に徹し、対戦相手を輝かせ続けた鶴見五郎さん。
四柱推命で見てみます。
【四柱推命・鶴見五郎さん】自分を殺し相手を引き立てる心意気
プロレスラーはお客さんに夢を与える職業です。
それには観客を喜怒哀楽の世界に引き入れる力量が必要不可欠です。
盛り上がる試合を作り上げるには、アスリートとしての強さだけではなく、感性や演出力も必要です。
鶴見五郎さんの試合を初めてテレビで見たのは中学生の頃でした。
ドクロのマークを付けたコスチュームを見た私は「なんだ?この人」とバカにしたような気持ちになりました。
また、時々見せる反則技に「ショボいなこの人」と感じ、最後に負ける姿を見て「弱いレスラーだ」と確信していました。
しかしそれこそが鶴見五郎さんの役割であり、
「なんだ?この人」「ショボいな」「弱い(相手が強い)」
そう思わせることが鶴見さんの仕事だったのですね。
その徹底した仕事によって、ジャイアント馬場もジャンボ鶴田も、そして天龍源一郎も強さを表現することができたわけです。
今YouTubeなどで、鶴見さんの試合を見ると、時折見せるスープレックスは体の柔軟さと腰の強靱さを感じさせます。
寝技の展開も相手に対する重心のかけ方がしっかりしていて隙がありません。
基礎がしっかり身についていることがわかります。
「本気を出したら弱いはずない」と鶴見さんが隠していた強さに驚嘆します。
中学生だった私にはそういう強さが理解できず、「鶴見五郎は弱い」と思い込んでいました。
本当は強いのに、悪役と負け役に徹することは簡単ではないと思います。
勝利者は喝采を浴び、敗者は罵声と嘲笑を受ける。
いくら仕事とはいえ、そこには精神的葛藤がなかったはずはありません。
まして、鶴見さんの命式を見るとかなりの身旺です。
本質は「人の下にいてOKだよ」という人ではなさそうです。
それでいて、あえてカッコ悪い役を演じていた鶴見五郎さん。
本当の職人だと思います。
なお、ご遺体は本人の生前の意向により献体に付されることとなり、葬儀は行わないと報じられました。ご冥福をお祈りいたします。
生前、自宅を襲った泥棒を捕まえて放免したエピソードが残っています。
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【四柱推命・鶴見五郎さん】身旺の偏官格「壬の人」
比肩と劫財が4個あります。強い根もあり、刃も2つ。
迫力を感じさせる命式です。
格を支える偏官が弱いのが残念です。
また、生まれた時刻にもよりますが、年干に官殺がなければ立派な強旺格になる命式です。
気力も意欲も旺盛な人です。
そのやる気に格のエネルギーが比例しないので、紆余曲折も起こりやすい人で苦労もあったことでしょう。
気力も意欲も旺盛ですが、時々優しさが邪魔をして「人を押しのけてでも」の生き方をしません。
アスリートである以上、誰だって「強い!」と観客から思われたい願望があるはずです。
しかしそれをあまり見せない人でした。気力も意欲も旺盛な人なのに。
そこには自分の分をわきまえた職人魂を感じずにはいられません。
とはいえ、サラリーマンに収まるタイプでもなさそうです。
偏官格の人ですから、人情に厚く義理堅いところが多分にあります。
自分を抑えて他人を立てるのは不得手ではありません。
この命式だから悪役に徹することができた。私はそう思います。
警察官や法律家の道に進んだら間違いなく成功を収めた人でしょう。
【四柱推命・鶴見五郎さん】厳しい運気に見舞われて…
数え年66歳から75歳の10年間は、【庚 午】の偏印運でした。
元々強すぎる比肩と劫財です。
本来は弱くなって「吉」です。
しかし、この10年間は偏印によって必要以上に強くなってしまいます。
さらに、日支【壬 子】と大運【庚 午】は、子と午とが衝突する七冲になります。
そのうえ、地支の子には【刃】が付きますから、健康の異変に拍車がかかります。
運気的に厳しい10年運でした。
私は亡くなられた有名人の命式から、その原因をブログに書くことを自戒しているのですが、敬愛する鶴見五郎さんは、例外として書かせていただきました。
少年時代から夢を見せてくださったことに感謝しつつ。
本当にカッコいい人は、カッコ悪さを演じきることができる
鶴見五郎さん、ありがとうございました。
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