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【気をつけたいこんな人】公衆電話の長電話、注意したら凄まれた

30年前の大学生で、スマホはもちろん携帯電話を持つ人は誰もいませんでした。

アパートに住む学生は、固定電話を持っていましたが、下宿に住む学生は、公衆電話を使っていました。

多くの学生は下宿からアパートに移りました。

私は珍しい逆パターンで、アパートから下宿に移りました。

その下宿は、 友人の紹介で入ることになったのですが、かなり変わった大家さんでした。

大家さんの話は驚きの連続で尽きることがないので、機会を見ていつかたくさん書こうと思っています。

さて、今回書く内容は、長電話の公衆電話を注意したら殴りかかられそうになった話です。

自分勝手な人っているものですね。それとも、私が悪かった?

 

 


私の住む下宿の近くにも徒歩1分ぐらいの距離に公衆電話がありました。

公衆電話

公衆電話もほとんど見かけなくなりました

たいていの場合、公衆電話に行くと先客がいるのです。

そういうときは、先客のプレッシャーにならないように少し離れた場所で電話が終わるのを待ちます。

通話中の人の視界に入ると急がせてしまうので、何メートルか離れた場所で待機するわけです。

それでもほとんどの人が、 待つ人がいないか気を配り、時々ガラス越しに公衆電話の周囲を見渡します。

そして待つ人がいたら、早めに切り上げて「どうぞ」と言って渡すのです。

このように、気遣いができる大学生がほとんどでした。

「ほとんど」と書きましたが、 時には例外もいるのです。

今回はその例外さんについて書きたいと思います。

 

【公衆電話の長電話】大笑いして通話をやめない大学生

相手は友人?彼女?譲る気配はゼロ!

ある夜のことでした。

親から電話があった言伝を大家さんから受け、私は夜の8時半過ぎに公衆電話へ向かいました。

時間まで記憶しているのは、下宿の風呂時間は8時半までだったからです。

すると、その日も先客がいました。

いつもの通り私は、少し離れた場所から電話の終わりを待っていました。

しかし、なかなか終わりません。

15分は待ちました。

会話中の人は、おそらく相手は彼女でしょうか。友人かもしれません。

ゲラゲラ楽しそうに、ずっと話しているのです。

私は少しずつ公衆電話に近づくことにしました。

「待ってるんですよ」とさりげなく知らせるためです。

向こうはチラチラ見ますから、 私の存在に気が付いていたはずです。

それでも、会話をやめる気配は全くありませんでした。

私は、少しばかりイライラしましたが待つしかありません。

そういう時には強制的に辞めさせる理由はなく、じっと待つしかないのです。

いったん下宿に帰って出直すことも考えました。

しかし夜も遅いのです。 親も寝てしまうでしょう。

 

【公衆電話の長電話】もう一人、電話を待つ学生が現れて

しばらくすると、もう一人電話を待つ人が現れました。

一見して私と同じ大学の男子学生とわかりました。

仙台市青葉区川内三十人町には東北大生が住む下宿が何件もありました。

そのうちの一人に違いありません。

会ったことはないので、たぶん他学部の人でしょう。大人しそうな人でした。

沈黙のまま二人並んでしばらく待っていました。

対照的に、 公衆電話の中の人は、ゲラゲラ大笑いしながら楽しそうに話しています。

「二人待っているのだから、そろそろ気を使って電話を切るだろう」

と私は思ったのですが、気にする気配は全くありません。

電話を譲る気配は一向にありませんでした。

二人で15分くらいは優に待ったと思います。

私は、一緒に待つ人に話しかけました。

「ずいぶん長いですね。僕もあなたが来る前にずっと待ってたんですよ」

「そうだったんですか。 だとしたらかなり長電話ですね」

こんな感じの会話をしたはずです。

公衆電話の中の人は、二人が待っていることをもう完全にわかっているはずです。

チラッと二度三度こちらを見ましたから。

夜とはいえ、外灯で周囲の様子はよく見える場所でした。

繰り返しますが、それでも電話を切る気配は全くありませんでした。

 

昔から「ばあちゃん」という言葉になぜか弱い私

私ともう一人の学生は、退屈さから、ぽつりぽつり会話を交わしました。

雰囲気を再現してみます。

30年も前の会話なので、正確ではありませんが。

私、「あの人、友達と電話しているようですね」

待つ人、「そうですね」

私、「自分は実家から下宿に電話があってコールバックしたいんです」

待つ人、「祖母から電話があったんです」

私、「もう寝ちゃうんじゃないですか?」

待つ人、「そうですね。もう9時半近いですもんね。今日は帰ることにします」

そこから別の公衆電話の場所は、自転車だと10分くらいかかります。

そこにも先客がいたら…。

私の場合は、おそらく特に急ぐ用事ではないと感じていました。

ところが隣の人の場合は、おばあちゃんが今か今かと電話を待っているのかもしれません。

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【公衆電話の長電話】「そろそろいいですか?」

電話を一向にやめる気配がない男に私はいよいよ頭にきてしまいました。


「ちょっと行ってきます」

私は電話ボックスにズカズカと近づきました。

とんとん

電話の男は、私を一瞥しました。

しかし、あろうことかすぐに電話の方に意識を戻して、ゲラゲラ笑いながら会話を続けます。

「先に来てるんだから権利はこちらにある」

と思っているように見えました。

私はボックスのそばから離れず、その場で1分くらい待ちました。

それでも楽しそうな(下品そうな?)会話をやめる気配は全くありませんでした。

普通なら、ここで譲るはずです。

話の内容もハッキリ聞こえました。

相手は、彼女ではなく大学のサークルの友人でした。

先輩の悪口で盛り上がっているみたいです。

 

【公衆電話の長電話】我慢はやめた「ドンドン」と叩く私

頭に来ていた私は、今度は遠慮なく「ドンドン」と扉を叩きました。

電話の男は、凄い形相で私をにらみました。

ドアが開きました。

私、「もう長い時間、二人待ってるんですけど、そろそろいいですか?」

電話の男、「あ? まだ話してるんだけど」

私、「もうけっこう長い時間、二人待っています。一度回してもらえたら助かるんですが」

電話の男は、意識を電話に戻し通話の相手に言いました。

「今日は切るわ、また電話する」

(やっとわかってくれたか)と思ったのもつかの間でした。

 

「おい、お前ふざけんなよ?」

ドアを激しく開けて電話ボックスから出てきました。

そして、私の前で仁王立ち!

「ナメてんなお前。ぶん殴るぞコラ!!」

 

仁王立ちする男

仁王立ちをしていました。腕は組んでいませんでした

 

私が、「すみません」と言うと思ったのでしょうか。

 

私もかなり頭にきていました。

「ホントにやるなら殴ってみろ。言っておくが、俺は相当強いぞ」

と軽くファイティングポースを見せました。

すると、その男の顔が何て言いますか、 不思議な歪み方をしたのです。

文字ではピッタリくる形容ができないのですが、「ぐにゅっ」と顔を歪んだように見えました。

今考えると、怒りと苛立ちと、自己嫌悪と、、、いや~やっぱり分かりません。

とにかく、顔をねじ曲げながら、何もしないでその場から去っていきました。

でも、これって、私にぶん殴られる理由があったのでしょうか?

 

【あとがき】公衆電話の長電話、その後

私はもう一人の人に電話を譲りました。

申し訳ないくらい感謝されました。

残念ながらおばあちゃんは寝ていました。

私はその後実家に電話をしたのですが、

遠征費の追加の振込日時を知らされ、「もう眠いから寝る」とあっさり通話は終わりました。

事実上、人助けにはなりませんでしたが、少しだけいいことしたかなと勝手な自己満足。

何よりも、非常識な輩をほんの少し懲らしめた。

という2つのことで、ちょっとだけ自分を慰めて、無駄な時間を食ってしまった虚しさを引きずりながら下宿に戻ったことを覚えています。

公衆電話の場合、手放せない大事な電話なら、ガラス越しに手を合わせて

「ごめんなさい」のポーズを見せたり、頭を下げて見せる学生が時々いました。

あるいは、済んだ後に「長くなってすみませんでした」と。

そういう暗黙のマナーがありました。


今の時代は、 公衆電話を待つ人のトラブルはほとんどないのではないでしょうか。

その代わり、通話してはいけない場所での携帯電話の使用が問題になる時代のようです。

便利になれば新たな形のトラブルが生まれます。

私の幼少時には、家にすら電話がありませんでした。

親戚からの電話は、道路向かいの間貸し屋さんが家に来て「電話ですよ」 とわざわざ知らせてくれました。

そんな我が家だったので、黒電話が来た時は家族一同大喜びしたことと思います。

その電話男ですか?

またいつか出くわすだろうと警戒していましたが、その後会うことはありませんでした。

どんな四柱命式をしているのか、聞いておけば良かったですね。

「あの~、お怒りの最中で申し訳ないのですが、生年月日と生まれた時間を教えていただけませんか?」

「 あなたのような自分勝手な人がどういう四柱命式なのか、研究したいので」

 

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