瀬戸内寂聴さんの声を聞いたのは、「源氏物語を語る」と題したカセットテープが最初でした。
図書館から借りて聴きましたが、当時私は高校生で、瀬戸内さんは晴美と名乗っていました。
対談形式の解説でしたが、歯に衣着せない語り口がとても印象的でした。
「気が強そうなオバチャンだな」が私の感想でした(^_^)。
なぜなら、「この女の人、バカみたい」などと元気いっぱいに語るのです。
創作の中の人物とはいえ、遠慮も忖度もなくブッタ切って解説していました。
「瀬戸内晴美って人、わかりやすいけど好きになれない」という印象が私の中に残りました。
当時の私は、その毒舌が「作品愛」「登場人物愛」から出ていることを知りませんでした。
今ならわかります。瀬戸内さんは、『源氏物語』をトコトン愛していたのだと。
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【紫微斗数】瀬戸内寂聴さん
【紫微斗数】生まれ時刻がわからないと手も足も出ない
こういう場合は、自力で生まれ時刻を割り出すしかありません。
四柱推命と重ねてみて、一致点が多ければさらに強い確信が得られます。
割り出すのが難しい人もいますが、瀬戸内寂聴さんはわかりやすかったです。
おそらく未の刻生まれでしょう。
【紫微斗数】命無星曜格「天機・天梁」の人
命宮に主星がない「命無星曜格」になります。
普通であればやや主体性に欠け、周囲に影響されやすい傾向が出ます。
え？あの瀬戸内寂聴さんが主体性に欠ける？そんなはずはない！
思わずそう感じました。
ですが、対宮の遷移宮の主星を見て納得できました。
遷移宮の主星が「天機星・天梁星」だからです。
知性、行動力、リーダーシップ、芸術の才能を示す星です。
周囲に影響されても、強い自分を持っているように見えるのは遷移宮に「天機星・天梁星」があるためでしょう。
天機星
- 知識欲、探究心
- 我慢強い努力家
- 負けず嫌い
- 凝り性、分析力
- 哲学や宗教に興味・関心
- 霊体験をする人も
- 短気でせっかち
- 会話のテンポが速い
- 温厚で優しく、印象は良い
- 考えすぎる神経質な面あり
- 金銭欲は強くない
天梁星
- 義侠心、困った人を放って置けない
- 状況判断が的確
- 人間的器と度量が大きく
- サッパリしていて引きずらない
- 冷静沈着な判断力
- 人から頼りにされ、相談を受けることが多い
- 親分肌・姉御肌、人望を集める
- 金は貯まりにくい
- 話し方はゆっくり、威厳がある
- 切れ長な目、通った鼻筋
- プライドが高い
ざっと二星の傾向をあげましたが、２つを足して２で割った感じの人になります。（他者から見える性質）
輝度は天機星のほうが高いので、天機の性質がより強く出るはずです。
【遷移宮】生年化禄
さらに、遷移宮に「生年化禄」があります。
次の性質が加わります。
- 性格が良い
- プラス思考
- 変なこだわりがない
- 印象がよい
- 人に好かれる
- 周囲に人が集まる
- 好奇心旺盛
- 人を大切にする
- 義理堅い
- 臨機応変に対応力
- 人や財に恵まれる
- 成功運、幸福運
【紫微斗数】未の刻生まれ「もう一つの根拠」
未の刻生まれとした根拠をもう一つあげておきます。
９４歳からは上の「田宅宮」が大限命宮になります。（Ｄ94）
また、丑の宮なので２０２１年（丑年）の歳運命宮でもあります。
専門用語を用いると「宮位重畳」となります。つまり、２０２１年は大限と歳運が重なります。吉凶の象意が強く出やすいと見ます。
さて、この１０年間と丑年は、生年化忌に自化忌（%忌）が重なります。要注意の一年だとわかります。
さらに、飛星派の看法で星を飛ばすと、この年の健康運は要注意と出ます。
もう少し細かく観察してみると、２０１７年くらいから健康運は下降しています。
９０歳を過ぎたご年齢から運気だけで健康を云々するのはどうかと思いますが、運が健康に味方する時期ではなかったことは見て取れます。
【紫微斗数】瀬戸内寂聴さん「その他の人生傾向」
田宅宮の状態から、家庭運にはあまり恵まれなかった可能性が高いです。
疾厄宮も気になる宮です。
生年化権は、内面の心の強さを意味します。
この宮に生年化権がある人は、ストレスに強く長寿の人が多いようです。
幼少期に怪我などが多いことも特徴です。
しかし、成人になるにつれて健康になるともいいます。
ただし、自化科（%科）があるため、健康面は万全ではなかった可能性もあります。
また、ご両親との関係も微妙だったかもしれません。父母宮にも自化科（%科）があります。
来因宮は官禄宮です。
次の象意が出てきます。
- 一生仕事をする
- 夫婦問題が発生しやすい
- 結婚必定
- 子どもや弟子と何らかの問題が起こりやすい
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【四柱推命】瀬戸内寂聴さん
では、四柱命式ではどうなるでしょうか。
日干【癸】の印綬格「良い命式」
地支に根がありません。そのうえ強い十二運が一つもありません。
このままでは身弱になりますが、「壬」の劫財と弱いながらも２つの印星に支えられています。
やや身弱に近いですが、格である印綬とのバランスを考えると、女性としてはちょうどよいと思います。
印綬格の人は、多少の身弱でも問題ありません。
総合的に見て、良い命式といえます。
バランスが整った印綬格の人は、次のような特質が出ます。
- 健康不安があっても乗り越える
- 天与の福徳がある
- 運命や運勢の発展
- 女性の場合、女性上位となりやすい
- おっとりした人が多い
- 福禄があり、食べることには困らない＝生年化禄と一致
- 負けず嫌いでプライドが高い
- 多少のことには動じない
- 伝統を重んじる古風な人
命式の印綬が元気な人は長生きするといいます。健康不安を印綬が救ったような気がしてなりません。
また、作家として成功を勝ち取ったのは、月支印綬（知恵、人気運）と月上食神（表現力）の作用です。
芸能人に偏印が多いのは、不思議な人気運を司る通変星だからです。
【癸 未】月支印綬・日支偏財
【癸 未】生まれの女性の特徴
- 穏やかで控えめ、親切で世話好き
- 内面には強い意志と情熱を秘める
- 決めたことには頑固なまでに取り組み、時として強情になる
- 人と摩擦が起こりやすい
【癸】の基本性質（雨・霧・水蒸気）
五行の「水」は知恵を司ります。
- 繊細な努力家
- 正直者で落ち着きがある
- 洞察力・想像力、芸術性
- 人に尽くす
- 気が変わりやすい面も（にわか雨）
- 怒りが爆発する破壊性も（暴風雨）
月支「印綬」・日支「偏財」
偏財の主な性質 印綬の主な性質
外向的 内向的
やや軽率でお人好し 思慮深く腰は重い
世話好き 慈愛の心、思いやり
虚栄心が強い プライドが高い
駆け引きがたくみ たくみではない
慎重さに欠ける 慎重、保守的
行動がはやい 行動はゆっくり
人を喜ばすのがうまい おもしろみに欠ける
多弁 口数は多くない
風流心（新しいもの） 風流心（古風なもの）
軽妙 頑固
明朗で好人物 人情家
浪費家 倹約家
調子に乗りやすい 調子に乗らない
正反対の性質を多く含みます。
その通変星が月支と日支に並んでいます。つまり、内面に矛盾を含みます。
ご自分の内面にある葛藤を乗り越えることがテーマの人生だったのではないでしょうか。
そして、日支と時支に並んでいる偏財は、どちらも未から出ています。
女性の財星は、男性への情愛の意味もあります。
同じ地支から出る偏財は純粋で強いです。
大運と歳運 「２０２１年」丑年
２０２１年は、歳運【辛 丑】偏印運・冠帯・羊刃
日干蔵干から干支をあぶり出すと【丁 未】が出てきます。
【辛】×【丁】＝天戦
【丑】×【未】＝七冲
大運【乙 未】食神運・南方火運
【乙】は、歳運干【辛】から剋を受ける
【未】は、歳運支【丑】と七冲
上のことから、２０２１年は強い厄年でした。
私は、基本的にお亡くなりになった著名人の寿命をすぐに記事にするのは控えております。
人の寿命を使って、「ほら、当たったでしょ！」という記事を読むとゲンナリするからです。
ただ、瀬戸内寂聴さんの場合は、ご年齢からも生き方からも天寿を全うしたと言えると思います。それゆえ、今回は掲載させていただいたしだいです。
『自分を愛し胸を張って生きる 瀬戸内寂聴の言葉』から
「今日という日を精一杯生き切ってみよう」
過ぎてしまった過去よりも、どうなるかわからない未来よりも、はるかに切実で大切なのが、今この時。
だからこそ、今この時を全力で生きなさい。
「風はいつか変わる、障害を恐れずやり続けよう」
好きな仕事、やりたい仕事をやり続けていくと、必ず前に立ちはだかる存在はある。
グズグズ言わずやりぬきなさい。
「やらなかった後悔より、やって後悔する方がいい」
私は「あれをやっておけばよかった」という後悔のほうがイヤですね。
「一生に一度の思いで誠意をこめて人と対しよう」
逢う人はすべて一期一会とおもい、心をこめた別れ方をしておきたいと思っています。
「祈るなら人のため、社会のために」
自分のためではなく、人のために祈りなさい。
「誰もが誰かを幸せにするために生まれてくる」
若い人には、「おまえは誰かを幸せにするために生まれてきたのだよ」と言ってあげてください。
「自分を卑下せず、胸を張って生きよう」
私なんかではなく、「私こそ」と思って生きましょう。
「分かれ道では安易な道より行きたい道へ」
人生には「どっちにしようか？」と、一晩中悩むようなそういう岐路に立つことが必ずある。そのときにはよく考えて、自分がしたいこと、自分の欲することをやったほうがいい。
「最後は自分で決めて自分で責任を取るのが大人の証」
私の人生に責任を取るのは私しかいない。
「してあげたことへの見返りは求めない」
本当の愛情というのは、「してあげたいから、してあげる」というものです。
「怒りをぶつけたい時ほど冷静に」
怒りというのは、そのまま相手に叩きつけないほうがいい。
どうしても我慢ができなければ、部屋で辞書でも投げておけばいい。
「不幸に負けない勇気を持とう」
人生においては、なぜか、いいことも悪いことも、つれだってやってくる。
そこで、運命や不運に負けないで、自力で勇気を出して、おそいかかった不運や不幸に立ち向かってほしい。
「気持ちの若さを大切に上手に年を重ねよう」
心は十七、八なのに、それをいれる容れ物が年と共に傷んでくるのが人間の不幸の種なのだろう。
以上、『自分を愛し胸を張って生きる 瀬戸内寂聴の言葉』から抜粋しました。
『めげずに生きていく 佐藤愛子の言葉』でもそうでしたが、桑原さんの解説がまた秀逸でわかりやすいです。
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