奇門遁甲の凶方位です。
「白虎猖狂」と書いて「びゃっこしょうきょう」と読みます。
白虎は五行易にも登場します。
金の五行を意味し、
激しさ、猛烈、残酷、醜い、鋭利、暴力、悲しい、恨み、惨め、怒り、刃物、病気、血液、手術、怪我、骨折、災難、出産、道路、死亡
などの意味を持ちます。
「猖」は「ショウ」と読み、狂う、猛り狂う、暴れる、騒ぐ、乱れるという意味を持つ字です。
そこに狂が加わると「猖狂」となり、激しく狂うことを意味します。
以上の語意からも強い凶意を持つ方位だとわかります。
【奇門遁甲】凶方位〈白虎猖狂〉
天盤が「辛」、地盤が「乙」で構成されます。
青龍逃走格と天盤と地盤が逆の配置です。
「乙」の合言葉は「草花・蔓(つる)」。「辛」は「宝石・月・カミソリ・ハサミ」。
相性としてよろしくありません。
花や草木にとってカミソリやハサミは天敵です。
人間の目から見ると切り花は大変美しいです。
しかし、草花の立場からは「冗談じゃない!」でしょう。
この方位に移動すると「冗談じゃない!」と嘆きたくなる事態が頻発すると言われています。
【奇門遁甲】凶格〈白虎猖狂〉の基本
〈構成〉天盤が「辛儀」、地盤が「乙奇」
【奇門遁甲】凶格〈白虎猖狂〉の具体的作用
〈吉効果〉なし
- 病気
- 災難・怪我(テンションが無駄に上がることも一因)
- 越えてはいけない一線を越える(意識が無駄に高揚するため)
〈使用目的〉なし
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金 運
- 支出、損失が増える
- 勝ち目のない投資・投機に走りやすくなる
恋愛・家庭運
- 一時的に良い方向に?盛り上がると言われる
- 結果は目も当てられない事態に
- 一線を越えた関係に走り後悔を招くとされる
仕事運
- 対人関係が悪化から仕事の失敗につながる
- 失敗の責任を背負わされやすい
- やらなくても良い労を負い、結果として報われない
勝負運
- 敗北につながる原因が思わぬところから訪れやすくなる
- サクセスロードに邪魔が入り計画通り進めない
- 誤った一手を打ち、それが原因で敗北する
健康運
- 健康不安に苛まれる
- 事故と急病に要注意
- 地に足がつかない心の落ち着きの無さが事故を招く
学業・受験
- 計画通り進まなくなる
- 計画を阻害するものは、誘惑だったり病気だったり
- 受験の日にこの方位を用いるのは厳禁。急な発熱などで力を発揮できない
◆受験生にとって大きなマイナスとなるもの◆
①利き手の怪我
文字を書く速度が落ち、大きなハンディになります。
受験の大切な時期にコンビニエンスストアの前で転倒し、右手を骨折した生徒がいました。
入試の日までに完治していたとはいえ、勉強がはかどらずイライラしていました。
小論文などたくさんの文字を記述する科目において、そのマイナスの大きさは計り知れません。
②風邪
ただの風邪と侮れません。
鼻の通気が悪くなり思考力に悪影響を及ぼします。頭がボーッとし、集中力が鈍ります。
発熱すると、存分に実力を発揮することは難しくなります。
③激しい腹痛や下痢
試験中にトイレが気になると明らかに集中力が低下します。
「トイレに行きたい…」
「行けば試験終了?」
「解答時間をロスする」
など思考が迷走し、問題解答に全神経を注ぐことが困難になります。
ザッとあげただけでも、受験という勝負事において思わぬところから邪魔が入ることは往々にしてあるわけです。
「万全の態勢で臨みたい」との願いを平気で踏みにじるのが凶方位の恐ろしさと言えるでしょう。
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あとがき【奇門遁甲】〈白虎猖狂〉自分を見失う
大ピンチや激しい焦りに襲われた時こそ冷静な判断力が求められるでしょう。
しかし、そんな時に落ち着いていられるのはよほど精神力が強く、しっかりした自分を持つホンモノの大人物です。
めったにお目にかかれるお人ではありません。
ふだん紳士然としている人でも、人が変わったようにヒステリーを起こしたり、パニックになったりすることがあります。
ある知人が言っていました。
「本当のピンチの時に、その人の本性が現れる」
平時は貫禄十分の人でも外見を整える余裕を失い、隠れていた本性が表に現れるという意味です。
本性が現れるのは、ピンチや焦りに限りません。
強い欲望に駆り立てられた時も、人はその本質を急に現わしたりします。
目の前に1億円が積まれ、
「『ヨーイドン!』で最初につかみ取った人にこのお金をあげよう」
と言われたら、誰でも我を忘れて全速力でつかみに行くはずです。
ある人は「ヨーイドン!」をフライングする。また、ある人は並走する人の背中をつかんで転ばそうとするかもしれません。
どちらも欲望に駆られ自分を見失った結果と言えるでしょう。
その時にクールな紳士でいられる人は、世の中にどれくらいいるでしょうか?
おそらく私がとる行動は、
- 前にいる人の背中をつかむ
- 突き飛ばして転ばせる
- どんな手を使っても勝ちに行く
その時、罪悪感を意識する余裕はないと思います。
もし、罪悪感がよぎったら、
「勝ったらこの人たちに山分けしてあげる」
と自分に言い訳しながら、前の人を弾き飛ばすかもしれません。
あるいは、「家族のために絶対勝つ!」と。
ヨロシクナイデスネ(^_^)。
勝っても負けても冷静な自分に戻ったとき、妙な虚しさが後に残るような気がします。
そしてきっと思うでしょう。
「あの時は自分を見失っていた」と。
「白虎猖狂」に限らず、凶方位の作用の根本は「自分を見失いやすくなる」ことにあるのだと思います。
- 頑張ることで追い風が吹くのが吉方位
- 頑張っても向かい風が吹くのが凶方位
- 頑張る意欲さえ時に奪い去るのが凶方位
- 頑張ろうという意欲が湧いてくるのが吉方位
- 笑顔が消えてくるのが凶方位
- 笑顔が自然と顔に浮かぶのが吉方位
- 自分の足元を冷静に観察できるのが吉方位
- 焦りと欲望で自分を見失うのが凶方位
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