「依存心が強い人の特徴と言動」の記事の続編です。
前回は、四柱推命からの分析でしたが、今回は同じ女性を紫微斗数で見たものです。
依存心の強い性格がどんな影響を及ぼすか。
家庭の状況、親との関係、子どもとの関係などがより具体的に見えてきました。
- 【紫微斗数】依存心が強い女性の人生〈子ども縁〉
- 【紫微斗数】依存心が強い女性〈家の状態〉
- 【紫微斗数】依存心が強い女性〈夫婦と仕事〉
- 【紫微斗数】依存心が強い女性〈親との関係〉
- 【紫微斗数】依存心が強い女性〈対人関係全般〉
- 【参考】三命方象先生の『個性学入門』
- あとがき【紫微斗数】依存心が強い女性
【紫微斗数】依存心が強い女性の人生〈子ども縁〉
この女性をSさんとして書いていきます。
この記事と同じ女性です。
命盤の一部を掲載します。
【子女宮】生年化忌Dの弊害
子女宮に生年化忌Dがあります。
生年化忌が子女宮にあると、子どもができにくいとされます。
授かった場合には、次のことが起こりやすいです。
- 子どもから目が離せなくなる
- 障害があるなど育てにくい子どもを授かる可能性も
- 元気に育った場合は、子どもに固執し子離れできない
また、子女宮の生年化忌は向かいの田宅宮を冲するため、家庭生活にも良い影響を及ぼしません。
Sさんの実際ですが、長男が生まれた頃から、
- 「誰も子どもの世話をしてくれない!」
- 「自分だけが育児を頑張っている!」
などの発言を頻繁にするようになったそうです。
子どものことを気にしすぎる傾向もありました。
「発達障害なのでは?」といつも気にしていました。
さまざまなことを先回りして心配して疲れ切っていたようです。
親指と中指で物をつかむ場面を目にすると、すかさず、
「人差し指を使いなさい!」と叱ったそうです。
「バイバイ」する時も、手のひらの表と裏が反対になっていないか、いつも気にしていたようです。
それだけ育児に熱心で一生懸命だったのでしょう。
田宅宮から子女宮に向かう向心力Dは、子女宮にある生年化忌Dを強めます。
これは、家族が育児に協力的でないことを示しています。
「私が頑張らないと!」
子どもへの意識が、さらに強くなります。
Sさんは、現在、子どもさんと離れて暮らしています
離れていると、子どもへの思いがますます募ることでしょう。
余談ですが、ある高名な四柱推命の先生は、命式を見るなり「かわいそうな人だねぇ」と嘆息しました。
【子女宮】子ども縁に問題が出やすい
もう一度子女宮に着目してみます。
主星がありません。
先天的に子どもとの縁が薄いことがわかります。
離れて住むことも不思議ではありません。
生年化忌Dは前世で苦労をかけた宮に入ります。
Sさんは、前世で子どもに迷惑をかけた可能性が高いと見ます。
それゆえ今世では、「子どものためなら何があっても頑張ろう」と意気込みます。
その強い意気込みが、マイナス効果として現れるという図式が成り立ちます。
その影響は、自化忌Dの宮に現れます。
Sさんの自化忌Dは、財帛宮にあります。
【向心力C】息子さんはSさんを忘れない
向心力Cが、子女宮から田宅宮に向かっています。
離れて暮らしても、息子さんから何らかの誘いや働きかけはありそうです。
向心力Dも向かってきますので、駄々をこねるなど気が重くなる働きかけもありそうですが…。
逆に、田宅宮から子女宮にも向心力Dが向かっています。
Sさんは、息子さんに親としての愛情と義務を忘れません。
Dですから、精神的負担がありそうです。
しかし、生年化忌は獲得を意味しますので、最終的には女性が息子さんから何かをもらえる意味になります。
お互いに、心の交流は続きます。
たとえ縁が薄くても、母子の繋がりは途絶えません。
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【紫微斗数】依存心が強い女性〈家の状態〉
田宅宮に生年化禄Aがあります。
しかし、子女宮から田宅宮に入ってくる向心力Dは、せっかくの生年化禄の力を弱めます。
さらに、田宅宮にある自化禄Aは生年化禄Aを過剰にして良い作用をマイナスします。
家庭のことで自分を犠牲にして頑張りすぎる人と見てよいはずです。
頑張りすぎが、皮肉なことに自分の家庭を壊す要因になります。
お気の毒です。
ただ、生年四化は生まれつきのもので一生消えるわけではありません。
自化を意識して気をつけることで、生年四化の良能を蘇らせることは可能のようです。
「頑張りすぎないこと」「周囲に協力を求めること」
生年化禄Aの良い作用とは、
- 老後の財運安定
- 家族円満
- 家で楽しく過ごせる
- 家運隆盛
- 起業・開店OK
など良いことずくめです。
特に、Sさんの来因宮は田宅宮ですので、一生のテーマは家のことです。
生年化禄に話を戻しますが、基本的には家族関係円満な人で、家で過ごすのが好きな人です。
先天的な家運は良いわけです。
しかし、自化禄Aと向心力Dのために、AーAとDーAの必定が発生します。
そのため、良好だったはずの田宅宮は二重破格します。
過剰な依存心の強さは、家庭生活に害が及ぶことを示しています。
【紫微斗数】依存心が強い女性〈夫婦と仕事〉
官禄宮に自化Bがあります。
仕事に対して責任感が強い人です。
職場の人と衝突しやすいとまでは見なくても良さそうです。
リーダーシップを発揮する場面はありそうです。
仕事の影響は真向かいの夫妻宮にも現れます。
仕事が忙しくなると、夫婦関係もカサカサしそうです。
夫妻宮を見てみます。
三合派の見方になりますが、破軍星は女性の星です。
そこに、擎羊星というカミソリのような星が同宮しています。
おまけに火星もあります。
夫とケンカしますが、気遣いもする人です。天空星がそれを意味しています。
財帛宮の真向かいには福徳宮があります。
財帛宮の自化忌Dは、向かいの福徳宮にも波及するため精神的ダメージを示します。
結婚後の家庭の財が頭から離れない人です。
また、財帛宮は、財産だけでなく結婚後の生活も見ることができます。
そこに自化忌Dがありますから、結婚後の生活に波乱ありと見ます。
もちろん出費も意味します。
そしてこの宮は、父親の健康状態も見ることができます。
Sさんのお母様は、田宅宮が大限父母宮の時に亡くなっています。
巨門星に自化Aです。おそらくお母様でしょう。
AーAは家から出て行く、あるいは亡くなる意味になります。
生年化禄は、本来、家を手に入れる意味もあります。
しかし、必定からSさんは家から出る運命です。
事実、そうなってしまいました。
【紫微斗数】依存心が強い女性〈親との関係〉
次に、命宮と父母宮を見てみます。
父母宮に生年化権Bがあります。
親の指図やアドバイスを受けるなど、いずれにしても親の影響が大きい人です。
うまく回ればいいのですが、親のことで苦労が多くなる人が少なくないようです。
そこに自化権Bがありますから、衝突が起こります。
Sさんは、子どもの頃、厳しい躾を受けた人のようです。
ですが、BーBは縁が切れる可能性を示唆しています。
職場の上司とも似たような展開になりやすいので注意が必要です。
Sさんは、太陽星に化権が付きますから、母親よりも父親と衝突する可能性が高いです。
また、命宮にある武曲星は、元来ややキツい性質の星です。
その武曲星に自化Bが付きますので、キツい言動から失敗する人と見ます。
幸い、天府星も入っているので、多少は穏やかな面もあります。
視点を変えてみると、
命宮は、「庚(かのえ)」=金の宮にあります。
武曲星の五行は「陰の金」です。
負けず嫌いで、家庭において夫を差し置いて実権を握ることが多い星です。
そのうえ、宮も金、星も金です。
金と金で強くぶつかり合いそうです。
やはり先天的にややキツい性格と思われます。
串聯(ちゃんれん)しているとはいえ、生年化権あり、自化Bも2本ありで、そこからもやや厳しい本質を想像できます。
さて、BーBは、親が去っていく意味に取ることができます。
これは、父親が家を出て行く意味にも取れますし、母親が去っていく意味にも理解できます。
前述したとおり、20年ぐらい前に母親が逝去しています。
その事象は、田宅宮の自化Aにも現れています。
さらに良くないことには、命宮の武曲星はSさんですから、CーBはSさんも家から出て行くことを示しています。
事実そうなってしまいました。
少しややこしくなりますが、もう一歩違う視点から観察してみます。
- 太陽星(男星)の五行は「火」=お父さん
- 太陰星(女星)の五行は「水」=Sさん
火と水は相交わりません。ダメ押しになりますが、ここからも父娘の相性が良くないことがわかります。
さらに、父母宮は「辛」で五行は「金」。化権の五行は「木」です。
金は木を剋します。宮と五行の相性も良くありません。
そうでなくても、武曲の女性は、父親と夫を剋すと言われます。
結論を書きますが、父母宮にある生年化権Bが原因で、親との関係がSさんにイライラ感を生み出します。
その凶意が、命宮の自化Bにも作用し、人生全体に波及を及ぼすと見ることができます。
自化の原因は生年四化にあるからです。
その理屈から考えると、父母宮の生年化権Bは、官禄宮の自化Bにも影響します。
Sさんの仕事への厳しい姿勢は、ご両親譲りです。
【紫微斗数】依存心が強い女性〈対人関係全般〉
その一方で、奴僕宮を見ると生年化科Cがあります。
同僚など距離がある関係の人には、厳しさ激しさを前面に出さないようです。
むしろ、周りに合わせて譲歩する人と見受けられます。
生年化科Dがあれば、その宮の人から良い印象をもたれやすくなります。
もともと、桃花の星ですから。
それでも、隣の遷移宮は第一印象を表し、七殺星がありますから、強そうな雰囲気があるのは間違いありません。
それに、周囲に合わせるといっても、元来が気の強い人です。
怒らせると怖いことに変わりはないでしょう。
ちなみに、Sさんではないですが、夫妻宮に生年化科Cがある女性は、夫に文句を言わない人が多いようです。
【参考】三命方象先生の『個性学入門』
三命方象先生の『個性学入門 ~生まれ日による個性と相性』から抜粋します。
*三命方象(増永篤彦)先生
京都大学・大学院で心理学を専攻。臨床的性格学の研究をして、早稲田大学で教鞭を取った。
四柱推命を学ぶ人で知らない人はいないくらい有名。
主に十二運に着目して個性を分析した。
【甲子日】生まれの個性と相性【女性】■
▼個性
- ひきしまった端正な容姿の持ち主です。人前では几帳面な態度を崩さず、いつも神経を張り詰めていて、隙のない構えを保っている女性です。
- 男勝りの勝気さとか、周囲に対して少しの歪みがあっても許そうとしない潔癖さが、女性本来の優しさや温かさを隠して、どこか透明な冷たさを感じさせている。
- 卓抜した直観力と、一切の妥協を認めようとはしない鋭い感受性、天性の短気さが、万事に短絡的で、進み始めれば引くことを潔しとしない、積極的な行動性を生む結果になる。
- 女性的な曖昧さとか物事に対する含みやゆとりがないのが欠点であり、肉体と精神のアンバランスから神経症的な不健康さは免れがたい。
- 専業主婦としての円満さに欠ける一面はあるが、理想主義者で自尊心も高く、口八丁、手八丁の活動力を持ち、独裁的であるだけに、弱音を吐かずに苦境を乗り切る根性を持っている。
▼男性との相性
- デリケートな神経を持った、スマートな感覚と態度を身につけた男性を好みます。
〈十二運別の相性〉
★ 胎・・・相思相愛型の相性
★ 養・・・相互に警戒的で悪い
★ 長生・・健全家庭型で最高
★ 沐浴・・魅力が感じられない
★ 冠帯・・短所を補い合って可
★ 建禄・・相互に譲らず不可
★ 帝旺・・まずまずの相性
★ 衰・・・共感するところなく不可
★ 病・・・ケンカしながら仲良し
★ 死・・・意見や感覚が合う
★ 墓・・・相互に裏をかく不可
★ 絶・・・まず良いほう
違う命術なのに一致点が多いです。
古の人たちが伝えてきた事柄の奥深さには驚嘆します。
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あとがき【紫微斗数】依存心が強い女性
前の記事で、「【四柱推命】依存心が強い人」という記事を書きました。
この人の場合、
- どこに対して依存心の強さが現れるのか
- 何が原因で依存心の強さが発生するのか
- その弊害は、具体的にどう現れるのか
について、今回は紫微斗数の命盤から考察してみました。
いろいろ大変な人生になっていますが、Sさんに解決策はないのでしょうか?
- 原因となっている宮に注力する
Sさんの場合は、子女宮にある生年化忌Dが大きな原因になっています。
残酷な言い方になりますが、お子さんを授からなければ負の連鎖は発生しなかったかもしれません。
しかし授かった以上は、周囲に協力を求めるなど負担を少しでも減らすことが必要でした。
具体的には、周囲の人に協力や助けを求めることです。
ただ、四柱推命では、日干のエネルギーが強い身旺の偏印格です。
「周囲に頼ったほうが良い」のに、頼ることをしない人です。
紫微斗数では、
命宮に地劫星があります。何でも自分で背負い込む性格です。
やはり、周囲の人にお願いすることは不得意な人です。
自分でやらなければ気が済まない、やらないと罪悪感を持ってしまう人です。
要するに、尽くす人、面倒見の良い人です。
★過去記事もどうぞよろしく!
★前記事の「【四柱推命】依存心が強い人の特徴と言動」を取り上げていただけました。
感謝です!続編(今回の記事)を書く意欲を与えてくださいました。
ありがとうございます。
★関連記事です。
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