癸は雨・霧・雲。穏やかで物静か、そして純粋で正直な人です。
そして、内向的で、悩みを引きずりやすい性格。
感情はネガティブな方向に走りがちですが、辛抱強いです。
愛情の深さから、何かを守るため激高して周囲をビックリさせることも。
- 【四柱推命】日干「癸」の基本性質
- 【四柱推命】日干〈癸〉の人「十干との相性」
- 「癸」の相性ランキング
- 【日干「癸」】日柱からの性格分析
- 【十干/癸】癸の字義「揆るにして、土を揆って、土より生ずる意」
「彼(彼女)との相性を知りたい」という人へ。
相性を知るには、日干の相性だけでなく、多面的判断が必要です。
【四柱推命】日干「癸」の基本性質
五行による性格「水」
【性 情】「智」
物事を推し量る頭の働きを意味する知恵の星
- 命局に水が多くて、制を受けていない人は、聡明ではあるが意志が定まらない
【旺 相】水がバランス良く強い命式
- 知性に優れ、深慮遠謀の人
- 学問に厚く、他の追従の許さない
【大 過】水が強すぎる命式
- 前後を考えず行動したり、放浪癖がある
- 性的に多淫
- 機智に富むが、謀り事も多く、時には残酷な面が出る
【不 及】水が弱すぎる命式
- 臆病で計画性がなく、行動が一定しない
- 智謀に乏しく、事の分別が苦手
- 非常に頼りない性格
【木が多い命式】
- ケチなくせに浪費家、頑固なくせに押しが弱いなど矛盾した性格
【火が多い命式】
- 礼を重んじる人
- 深く考え過ぎて憂いに沈み、逆に決断が早すぎて後悔したりする
【土が多い命式】
- 内気だが信義に厚く忍耐心がある
- 表面は鈍感に見えるが、内心は感受性が強い
- 決断力の乏しさと人を強く憎むのが欠点
【金が多い命式】
- 義を好み、内実より外観に気をとられる
- 志は大きいが多淫で異性問題が発生しやすい
- 知恵は人に劣らないが、義のために自分を犠牲にする
【水が多い命式】
- 誇張するクセがある
- 小さなことを処理する能力は非常に高いが、収穫は少ない
【日干「癸」】基本性格
- 穏やか、純粋
- 気まぐれ、移り気
- 温情、親切、愛情深い⇒時におせっかい
- 繊細、内向的、神経質、臆病
- 洞察力と想像力あり
- 正直、勤勉、我慢強い
- 芸術性、神秘性
- 怒りを溜めると爆発する
霞や雲は手に取れません。
つかみどころがないのが癸です。
霊感がある人は癸の人に多いと言われます。
夢や理想を追い求めます。
感性豊かで考え深い分、ネガティブ思考に陥りやすいことも。
繊細ですが、小さな雨滴も集まると巨大なパワーと化し洪水になります。
烈火のごとく怒り出す激しい一面も持ち合わせています。
十干の中でも特にデリケートなタイプです。
- 辛も繊細でデリケートですが、現実的に物事を考えます。
- 癸は、現実にそれほど重点を置かない分、辛よりわかりにくい面があります。
ご自分とお相手の「十干」をご存じない方は、こちらからわかります。
【四柱推命】日干〈癸〉の人「十干との相性」
【癸】と【甲】の相性
癸(雨)・甲(樹木)
癸(雨)によって甲(木)は生じられ育てられます。
甲にとって癸は母の恵みの愛と言えます。
相性として悪くありません。
特に、甲にとって心許せる相手になりやすいです。
ですが、癸(雨)が過剰になると、水があふれ甲(木)も腐ります。
- 癸が世話を焼きすぎる⇒甲が甘えてダメになる
また、甲のストレートな言動が時に繊細な癸を傷つけることも。
付き合い方のポイント
- 癸は甲の世話を焼きすぎない
- ベッタリ過剰の関係にならないようにする
【癸】と【乙】の相性
癸(雨)・乙(草花)
癸(雨)が乙(草花)を生じる水生木の関係です。
甲と同様、乙にとって癸はなくてはならない存在です。
乙は甲に巻き付いたり寄り掛かったりしますが、癸に対しても甘えがちになります。
乙にとって癸は「慈雨」で相性は良いです。
癸が適切な距離感を持って付き合えば、理想の関係になります。
付き合い方のポイント
- お互いの自立心が長持ちのカギ
- 水(温情)を与えっぱなしになると癸が疲弊する
【癸】と【丙】の相性
癸(雲・雨)・丙(太陽)
丙(太陽)は癸(積乱雲)を作ります。また、癸(水)を蒸発させます。
一方で、強い癸(雲)は丙(太陽)の光を遮断し、水剋火の力関係になります。
丙(太陽)はいつ癸(雲)で光を遮られるか常に不安です。
十干最強の丙にとって唯一の苦手が癸で、あまり良い相性とは言えません。
ただ、晴天の雲は美しい景色を演出します。
付き合い方のポイント
- 癸が強く出すぎると丙は一歩引いてしまう
- 癸の気づかいが欠けると破綻する
【癸】と【丁】の相性
癸(雨)・丁(灯火)
強い癸(雨)にあうと丁(火)は消えます。
水が火を責める水剋火の関係です。
どちらも陰干なので、明るい付き合いになりにくいです。
そのうえ、お互いに心の中を読みにくいため、難しい相性と言えます。
だいたい癸がリードしますが、山火事などの丁(大火)になると癸(雨)もお手上げになります。
付き合い方のポイント
- 相手の領域に無神経に踏み込まない
- 明るく楽しい時間をたくさん共有すれば大丈夫
【癸】と【戊】の相性
癸(雨水)・戊(山)
戊(山)は癸(雨水)を蓄え、蓄えられた癸(水)はきれいな湧き水となります。
また、癸(霧・雨)に包まれた戊(山)の風景は幻想的で素敵です。
しかし、大雨(癸)になると山(戊)は土砂崩れを引き起こします。
土剋水として、土は水を汚しますが戊癸干合の関係です。
この両者のフィーリングの相性は良好です。
ただし、しつこい豪雨は土砂崩れを引き起こし嫌われます。
付き合い方のコツ
- 癸はしつこくして、ウザがられないこと
- 戊は大きな気持ちで繊細な癸を包み込むこと
【癸】と【己】の相性
癸(雨)・己(土・田畑)
- 己(土)は癸(雨水)を吸収します。
- 癸(雨)は、乾ききった己(土)に潤いを与えます。
理想的に関係に見えますが、微妙なバランスが崩れると一気に状況が悪化します。
強すぎる癸(雨)は己(田畑)を泥水に変えます。
そうなったら田畑は使い物になりません。
また、己(田畑)は戊(山)のように大量の土を吸収する力はありません。
癸(水)は泥水に、己(田畑)は泥地になりやすい難しい相性です。
ですが、お互いがわかり合えば、相当良い組み合わせにもなりえます。
付き合い方のポイント
- 共通の活動的な趣味があると強い
- 心の「探り合い」より「話し合い」
【癸】と【庚】の相性
癸(雨)・庚(鉄)
金生水として、金属が水を生じます。
ですが、庚(鉄)から癸(雨)は生まれません。
反対に、癸(雨滴)は庚(鉄)を錆びつかせます。
庚(鉄)はサビを最も嫌うので、癸の間の取り方がカギを握ります。
- 庚は、癸の存在がだんだん鬱陶しくなりがち
- 癸は、庚の気持ちが理解できず戸惑いを感じる
付き合い方のポイント
- お互いに適度な距離感が必要
- ベタベタしなければ、庚は癸を大事にしてくれる
【癸】と【辛】の相性
癸(雨・霧)・辛(宝石)
癸(雨・霧)は、辛(宝石)の輝きを隠します。
癸(雲)・辛(月)
癸(黒雲)は、辛(月)をスッポリ隠します。
控えめな癸(彩雲)なら辛(月)の美しさを引き立てます。
基本的には、辛の輝きが癸にさえぎられ、イライラすることが多いです。
辛は、好き嫌いが多い神経質な干です。
癸も苦手な干の一つです。
輝き・美しさを消すため、メリットを感じられないからです。
付き合い方のコツ
- 気難しい同士。お互いの考え・価値観を認め合う
- 辛は、癸の理想論がカンに障る
【癸】と【壬】の相性
癸(雨・雲)・壬(川)
雨水は川を増幅させます。
「癸が頑張る⇒壬が増える」の関係です。
乾いた壬(川)にとって、恵みの雨(癸)は最高のパートナーです。
しかし、雨量が限度を超えると川は氾濫し、修復不能の関係になってしまいます。
水同士で融合する関係ですが、壬(川)と一体化した癸(雨)は自分の立ち位置が見えにくく不安になりやすいです。
付き合い方のポイント
- お互いに悩み相談の相手として最高かも
- 壬は大きな心で受け入れる
【癸】と【癸】の相性
癸(雨・雲)・癸(雨・雲)
癸(雲)と癸(雲)、癸(雨)と癸(雨)が出会っても量が増えるだけです。
プラスの発展はなく、マイナスの効果は甚大です。
凄まじい豪雨になるからです。
似た者同士の付き合いは、良いときの悪いときのギャップと反動が大きいです。
同じ方向に向きやすいため、道を誤ると「死なばもろとも」まで突き進みます。
ただし、打ち解け合うと親密な二人だけの理想的な世界を作り上げます。
付き合い方のポイント
- 時々明るいポジティブな話題を共有する
- お互いに孤独な時間が必要
「癸」の相性ランキング
私のこれまでの観察からの順位づけです。
日干癸の相性は、なかなか難しいですが、息が合えば長続きしやすいです。
- 甲
- 戊
- 乙
- 己
- 壬
- 癸
- 辛
- 丙
- 丁
- 庚
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【日干「癸」】日柱からの性格分析
本来、四柱推命は、年柱・月柱・日柱・時柱を総合的に見て、その人のことを判断します。
ですが、ごく初歩的かつ簡単に、「日柱」の組み合わせからその人を見る方法もあります。完全ではありませんが、参考になることもあります。
今後、検証を進めながら少しずつ加筆していく予定です。
なお、数字は干支番号です。内容はやや辛口です。ご了承願います。
10【癸酉】生まれの性格
【男性】
- 努力を惜しまず、細心かつ正直で、自尊心と意志貫徹心が強い。
- 鋭い感受性と緻密な計算力、迅速な行動力を駆使して社会を押し渡っていく。
- 理屈好きなわりに直感的感情に促されて行動する。無駄や犠牲も多く、筋が通らないことも少なくない。
- 行動のテンポが早く、周囲との調和を欠いて孤立しやすい。
- 人情家で世話好きだが、ワンマンで激情的なため周囲と摩擦を生じやすく「お山の大将」で終わる可能性が高い。
- 人間的な謙虚さや情操的なゆとりのなさが災いして、幅広い組織には向かない。
- 感情がむき出しになりやすいので、人間関係は偏りがち。
20【癸未】日生まれの性格
【男性】
- 穏やかだが、内面に強い意志と情熱を秘めている。
- 頑張り屋で頑固、我慢強くて負けず嫌い。
- 感受性が強く、不満が溜まりやすいが、平和主義のため自分を抑えがち。
- 気くばりを欠かさず、人から好感を持たれやすい。
- どちらかといえば気が小さく、気分の変化が大きい。
- 凝り性で、一度決めたら突き詰めるタイプ。
- 人情が厚く、人を大切にする。家族愛が深い。
30【癸巳】日生まれの性格
【男性】
- 真面目、正直、細心な努力家。
- 外見的な服装、態度には気取った面もあるが、やや神経質的で知性的な印象を与える。
- 正直で、律儀な人柄。常に筋道を通して思い通りに発言する。
- 生活力がある。現実とのバランスを取りながら、粘り強く目的達成に努力する。
- 目上の人にかわいがられ、職場で政治力を発揮する。
- 大事な場面ではっきり発言しても、人から嫌われにくい。
- 落ち着きはあるようでな。内心嫉妬しやすい。不安になりやすい一面もある。
40【癸卯】生まれの性格
【男性】
- 慈悲の心があり、泰然としているようで動揺が多く、短気なところがある。
- 神経質で警戒心が強いため、社交的な気遣いと配慮を忘れない。
- 几帳面で潔癖な性格。やや窮屈な緊張感が漂う。
- 最善を求めて行動する現実主義者で競争心が強い。
- 内面は頑固。清濁併せ呑む度量は乏しい。
- 世話好きで親切だが、組織内の人間関係は報われにくい。
- 気に入らない相手を徹底的に叩く傾向がある。
50【癸丑】生まれの性格
【男性】
- 社交的で交際上手。団結心も強く、外面はやや陰気に見えるが、内心は陽気。活動タイプの努力家。
- 若々しい信念と理想を秘めた意欲的な性格。
- 本来、人に合わせるのは嫌いだが、ふだんは人当たりの良い人情家。
- 直感を重んじ、ひらめきに従って行動する。駆け引きの下手さとカン頼みの行動が信頼を下げることがある。
- 独特な頑固さがあるが、前向きで過去にこだわらない。
- 理論的ではなく、現実に合わせて流動的に行動するタイプ。
- 好き嫌いや、気分による人間関係の落差がある。
60【癸亥】生まれの性格
【男性】
- 努力家で、愛情豊かで依存心が少ない。落ち着きがあるが、やや短気。
- 紳士的な風貌で温厚篤実。細やかな気遣いと神経質な敏感さを感じさせる。
- 理論を踏まえながら、理想を追う純情なロマンティスト。
- 理想論に傾きすぎるきらいがあるが、冷静で豊かな判断力がある。
- 内面には強い意志と忍耐力、粘り強さを秘めている。
- 平和主義者だが、内心は好き嫌いが激しく、嫌いなものは切り捨てる強さもある。
- 派閥を作ったり、一派を成すことはしない。
【十干/癸】癸の字義「揆るにして、土を揆って、土より生ずる意」
- 「揆(はか)る」とは、土と連係してという意味である。
- 陰の水は井戸水のように地下細流となって、常に土と一体であるとする考え。
【癸】基本的な姿
癸は、壬のように奔流となって流れることは少ないが、不及して流れが絶えやすい水であり、庚・辛の水源があって泉の流れが絶えず、人に飲用されたり、洗い水として使われることを喜ぶ。
【十干/癸】固有の性質
雨露の水、天然の水であるが、不及や干合に弱く、水源がなければすぐに枯渇し役に立たなくなるので、常にその力量の強弱を勘案しておかねば、間違いを起こす。
水は濁ることを嫌うので、旺じるときは甲で漏らすことを喜ぶ。
【癸】十干による性格
- 正直でコツコツ努力し潔癖なところがあり、よく物事を考え、研究心が旺盛。
- 逆境に陥っても挫けることなく、自力で進路を切り開いて前進できるタイプ。
- 一見、神経質で繊細な性格のようであるが、意外にしたたかで忍耐強く、たくましい一面を秘めいる。
- また、意外に短気で嫌気がさすと、積み重ねてきたものを突然破壊することもある。
【癸】日干と月支が同じ場合
- 水の陰で、「池湖沼」のような流れのない水である。
- 流れがない水は、深い無意識のようにあらゆるものをプールする。
- そのため底が深く、容易に内心を伺わせない性質になり、表面はきれいに澄んでいても、底には自分でも気づかないドロドロした滞留物が堆積している。
- 人格的に成熟している癸なら、ふだんは鏡のように平らかで澄みきった表面しか見せない
- だが、水面を乱す劫財や食神、偏印などの悪影響が強いと底の泥が湧きやすくワガママ、独善、精神不安定、気鬱などの傾向が強く現れる。
- 感情・思想・行動の振幅が大きい人であるので、いかに心のバランスを保つかが大きな課題となる。
【癸】身旺の人・身弱の人
身旺の人
- 色浅黒く髪も長く、体も大柄となる。
身弱の人
- 体も小柄で胆力知力も小さくなりやすい。
【壬癸水の示す身体の部位】下腹部、腎臓系統、膀胱、婦人科
- 水が太過・普及すると上記に疾病が生じやすくなる。
【癸】簡単な用神の見つけ方
庚辛多
- 癸に対し庚や辛は、水源になる。
- この水を抑える丙丁が必要。
- 壬と違って戊は不要。
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