己は、田園の土です。
同じ土でも、戊は陽土(山・岩石)、己は陰土で湿り気があります。
温厚な努力家で、何事もコツコツ最後までやり通す人が多いです。
人に影響されやすく、決断力に欠けるところが欠点で「お人好し」と言われることがあります。
- 【四柱推命】日干〈己〉の人の基本性質
- 【四柱推命】日干〈己〉の人「十干との恋愛相性」
- 「己」の恋愛相性ランキング
- 【十干/己】己の字義「形定まり、 後、 紀を知る。 国憲を設け、 政を行う意」
- 【四柱推命/恋愛相性分析】日干の強弱・日支の通変星
【四柱推命】日干〈己〉の人の基本性質
己=湿土・田畑・田園・泥
五行の土は「信」を司り、温厚篤実にして信念を有し、信頼感と宗教心があります。
- 世話好き
- 温厚、穏やか
- 注意深い
- やや鈍感なところがある
- 周囲や環境への順応性あり
- 人に影響されやすい
- 妥協しやすい
- 多芸多才の人が多い
- 決断力は今一つ⇒迷いやすい
- 規則をよく守る
- コツコツ努力を積み重ねる
- 融通性に欠けやすい
- 始めたら最後までやり通す
- 身旺の人:責任感が強い。融通性に乏しい。変化に鈍感。至誠篤実
簡単に書くと上のように言われることが多いです。
土は万物の収蔵庫です。
そこから、土の十二支である辰・戌・丑・未を四墓といいます。
雑気:辰・戌・丑・未の四墓の神の中に各種の気質の蔵れていること。
- 元来土神は大地を構成する神で、大地の中にはいろいろな物質が蔵されています。
四墓:十二支の辰・戌・丑・未
- 四墓の神は四庫とも称し、五行にあっては土、方位的には中旺を司る。
- 土は地球であって万物の生々化育を司り、その土中には種々のものを内蔵しているのでこれを雑気と称し、生日の五行によっては貴重のものとなります。
いずれも引用元『四柱推命学事典』亀石厓風著
自分とお相手の「十干」をご存じない方は、こちらからわかります。
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【四柱推命】日干〈己〉の人「十干との恋愛相性」
【己】と【甲】の恋愛相性をたとえると
己(土)・甲(樹木)
フィーリングはピッタリの相性です。
甲(樹木)は己(土)に根を張って養分をもらいます。
また、甲(樹木)がしっかり根を張った己(土)は頑丈です。
まさにWin-Winの関係です。
ですが、己(土)が弱いと甲(樹木)を支えきれません。
バランスが悪ければ、己(土)は崩れ、甲(樹木)は倒れます。
やはり命式全体のバランスが最優先です。
この両者は干合の関係(甲己干合)です。
甲から見ると、己は正財(=正妻)の関係です。
この点からも、天干同士の相性(フィーリングの相性)はベストに近いです。
付き合い方のポイント
- いくら相性が良くてもワガママは禁物です
- 「甲と己なのに感覚がすれ違う」という人は地支か命式全体に問題が…
【己】と【乙】の恋愛相性をたとえると
己(土)・乙(草花)
甲(樹木)と同じように乙(草花)にとっても己(土)は大切な存在です。
乙(草花)の根も己(土)を剋します。(木剋土)
つまり、己(土)は乙(草木)にエネルギーを奪われます。
しかし、乙(草花)は枯れた後に己(土)の養分になります。
これまたWin-Winの関係です。
干合関係ではないので、甲ほどではないですがベストの相性です。
どちらも陰陽の陰で性質は穏やかなので、お互いの刺激は少ないかもしれません。
付き合い方のポイント
- 「相性が良い⇒甘えすぎる⇒破局」にご注意を
- 退屈な関係にならないように一工夫を
【己】と【丙】の恋愛相性をたとえると
己(土)・丙(太陽)
丙(太陽)は己(土)に光と熱のエネルギーを注ぎます。
己(湿土)にとって、丙(太陽)の強さ加減は重要です。
強すぎると干からびてしまいます。
弱すぎると植物を育てられません。
火生土として、己から見て丙は親。
親子といえども適切な距離感が必要です。
特に成人後の親子関係は意外と難しいものです。
フィーリングピッタリ!となりにくい相性です。
付き合い方のポイント
- 丙の優しいリードがカギを握る
- 四柱命式のバランスによって相当上下する
【己】と【丁】の恋愛相性をたとえると
己(土・仮炉)・丁(灯火)
丁(人工の火)は戊(炉)の中で安心して燃えることができます。
しかし、己は湿土なので「仮炉」です。
丁は「この己(仮炉)は大丈夫かな?」と不安な気持ちが拭えません。
己も内心「あまり燃えすぎないでね!」と思います。
ちょっと微妙な関係になりがちです。
お互いにやや安心感に欠けやすいですが、それでもイイという2人ならOKです。
付き合い方のポイント
- 不安な気持ちを引きずらないようフォローを大切に
- 楽しい会話、意思の疎通を大切にする
【己】と【戊】の恋愛相性をたとえると
己(田畑)・戊(山)
土同士ですが、ふつうは戊(山)の方が強いです。
土同士なので気が合う瞬間は多いです。
しかし、土はいろいろなものを含む「雑」なので単純な関係になりにくい面があります。
時としてお互いに心中に異質な感覚を秘めながら関係を維持します。
そして、お互いに頑固です。
一緒にいて違和感を覚えることが多いなら2人の相性は良くないです。
付き合い方のポイント
- 戊が己をリードし助ける関係が多い
- スピード感や刺激にはやや欠けるきらいが
【己】と【己】の恋愛相性をたとえると
己(湿土・田園)・己(湿土・田園)
陰の土同士で、感覚的に似ていると感じることが多いはず。
欠点として、刺激的な関係にはなりにくいです。
どちらかといえば穏やかでのんびりした感じのカップルになりそうです。
性別に関係なく身旺の人の方がリードします。
「何する?」「どうしたい?」が多く、スリルはあまりないでしょう。
やや退屈ですが、安心感は抜群です。
安定を求めるなら理想的な相性といえます。
付き合い方のポイント
- ゆったり過ごす時間は極上の幸せ
- 退屈が続くなら何か刺激的なイベントを
【己】と【庚】の恋愛相性をたとえると
己(湿土・田園)・庚(鉱石)
土生金の関係です。
己が気づかい、時には振り回されたりします。
この組み合わせは、スピード感が一致しないことが多いです。
また、庚は甘えから身勝手になりやすい面があるため要注意です。
己が疲弊したりストレスを強く感じることが多いなら、早めにサヨナラしたほうが無難です。
己の方にネガティブな感情が起きないなら、悪い相性にはなりません。
付き合い方のポイント
- 己が庚を上手にコントロールする
- 長く続くも続かないも己の気持ちしだい
【己】と【辛】の恋愛相性をたとえると
己(湿土・泥)・辛(宝石)
ハッキリ言ってこの相性は難しいです。
辛(宝石)は己(湿土)とベッタリの関係になることを嫌がります。
辛は警戒心を抱きやすいので、己は馴れ馴れしくしないことが肝要です。
土生金ですが、辛は独立心が強いため恩着せがましいことを嫌います。
ダメ押しみたいなことを書きますが、基本的に宝石は泥が苦手です。
フィーリングの相性以外のプラス材料がないと継続は困難です。
地支が支合していたり、身旺と身弱のバランスが絶妙ならマイナスがかなり解消します。
やはり、十干だけの相性診断は不十分なのです。
付き合い方のポイント
- 己は馴れ馴れしくしない。図々しくしない
- 辛は気難しい。気持ちを大事にしてあげる
【己】と【壬】の恋愛相性をたとえると
己(湿土・田畑)・壬(河川・海・湖)
己(田畑)は氾濫した壬(河川)に呑み込まれます。
そうなると、土剋水ではなく水剋土。つまり反剋です。
壬は自由な発想と行動力が持ち味で、自由を奪われることを嫌います。
一方、己は大きな変化を求めません。
元来、湿土である己は壬(河川)の堤防にはなれません。
流れが速い壬に振り回されやすく、ちょっと難しい相性です。
付き合い方のポイント
- 壬の発想と行動に振り回されないこと
- 互いの個性を理解してお付き合いすること
【己】と【癸】の恋愛相性をたとえると
己(湿土・田園)・癸(雨・露・霧・雲)
適度な癸(雨)は己(田畑)に潤いを与えます。
ただし、癸(雨)が強すぎると己(田畑)は水浸しの泥土になります。
安定を求める己にとって、気まぐれに雨量が変わる癸の心境は読みにくいです。
「降ったりやんだり、突然ドシャ降りになったり、ワケがわからない」
という気持ちになりやすいです。
そもそも癸の心はわかりにくいのです。
「え?急にどうしちゃったの?」ということも少なくないでしょう。
癸の感情の揺れ幅に振り回されないように気をつけることです。
優しいときは慈雨を注ぎ、そうでないときはドシャ降り。
「ついて行けない」と感じることが多ければ、しっかり話し合うか、それがダメなら…。
付き合い方のポイント
- 癸の感情の変化に振り回されないように
- 癸の行動が相性を左右する
「己」の恋愛相性ランキング
天干同士の相性です。地支の関係しだいで相性の順位は変化します。
- 甲
- 乙
- 己
- 庚
- 戊
- 丁
- 丙
- 癸
- 辛
- 壬
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【十干/己】己の字義「形定まり、 後、 紀を知る。 国憲を設け、 政を行う意」
己は紀という字の糸偏を除いたものであるから、規則とか法律に該当する意味がある。
【己】基本的な姿
己は田畑の柔らかい土である。
【十干/己】固有の性質
物を育てる徳を備え、 乙木にもよく従うが弱性にして崩れやすく溶けやすく、他の星を汚す可能性があるので閑神であっても注意を要する。
田畑の持つ徳分は太陽の光がよく当たり、滋味があって潤いも備えトマトでも胡瓜でもなすびでも何を植えてもよく育ち、豊かな成果を上げることができる。
このような土の状態となるよう努力をし、取捨選択すれば必ず運勢は実りのあるものとなる。
【己】十干による性格
- 性格は規律正しく注意深く、地道に努力を積み重ねる人であるが、一般に度量小さく猜疑心が強く、融通性に欠けるところがある。
- 田畑がいろいろな養分を含んでいるところから、 多芸多才で器用な人が多いが、 度量が小さい分、 内面は複雑である。
【己】日干と月支が同じ場合
- 性格にきつさがある。 ただ己の場合は、一種の頑迷さの色彩を帯びているところに特徴がある。
- この頑迷さは、 ときに一途さと結び付いて偉大な発展をもたらすこともあるが、多くは迷走する人生を引き寄せる。
【己】身旺の人・身弱の人
身旺の人
- 信仰心があって責任を重んじる人であるが、融通性に乏しく変化に鈍感
な人で、全てに至誠実な人物である。
身弱の人
- 身弱は土の信念の意味が逆に現れ、 信念に乏しいところがある。
【戊己土の示す身体の部位】腹部、 胃腸、脾臓、腰、 内臓関係
- 木星が強すぎる時は、 神経性の胃潰瘍等を起こしやすい。
- 金星の強過ぎる時は、 直腸 胃腸、腰をいためる。
【己】簡単な用神の見つけ方
「己」は五行の揃うことが最高の星となる。
癸(雨)乙 (木) 丙 (太陽)
- この上に辛があれば、 必ず社会の良き指導者になる。
【四柱推命/恋愛相性分析】日干の強弱・日支の通変星
日干の強弱から見る夫婦生活
男性の日干の強さ:夫婦生活の傾向
- 最 弱:妻に従属的、妻に依存し世話をやかせる
- 相当弱: 外に出たがらず、内に引きこもりがち
- 弱 :従属的だが口うるさい。内心に不平不満
- やや弱:夫権獲得に強い願望を持つ
- 普 通:夫婦平等、夫妻相和、共存的
- 生 旺:夫権掌中、夫唱婦随、時々小不和
- 健 強:夫権強固、夫唱婦随、時々不和
- 旺 強:夫権絶対、専制暴君、不和荒涼
- 最 強:夫権後退、婦唱夫随、二人三脚
女性の日干の強さ:夫婦生活の傾向
- 最 弱:夫に絶対従属的
- 相当弱:内向的、夫に絶対従属的
- 弱 :従属的、内助の意あり、平穏無事
- やや弱:内助の意強し、夫唱婦随、平穏無事
- 普 通:夫婦平等、夫妻相和、共存的
- 生 旺:やや女性上位、婦唱夫随。時々小不和
- 健 強:女性上位、婦唱夫随。時々不和
- 強 :女性上位、不和荒涼。寡婦か独身の公算が大
- 最 強:絶対上位、寡婦か独身の公算が大。
日支の通変星による配偶者の性質
日支の通変星から見る配偶者の性質
- 比肩:身勝手、勝気、わがまま、短気、淡泊、単純
- 劫財:勝手、気まま、強情、高慢、欲深、執念深い
- 食神:鷹揚、楽天的、食いしん坊、多弁、負けず嫌い
- 傷官:勝気、理屈屋、新しいもの好き、執念、熱心、ひがみっぽい
- 偏財:見栄っ張り、出しゃばり、派手、気移り、多弁
- 正財:けち、ひがみ、愚痴、陰険、気が利かない、辛抱強い
- 偏官:反抗的、敵視、粗雑、不屈、熱中、乱暴
- 正官:陰気、小心、丁寧、いんぎん、利己的、反省心あり
- 偏印:執拗、気迷い、飽き性、投げやり、放縦、気まま
- 印綬:愚痴を言いがち、欲深さ、鈍重、依存心、もの惜しみ
後半記事の参考資料『現代四柱推命学活用大辞典』 亀石 厓風著
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